TikTokきっかけで郵便配達員が全英1位。“ウェラーマン”がヒット中, ネイサン･エヴァンズが語るその成功

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4月 26, 2021

管理人

スコットランドの郵便配達員だったネイサン・エヴァンズ（Nathan Evans）が2020年の年末にTikTokに投稿した船乗りの歌（Sea Shanty）の動画。この動画が世界中で話題となり、ネイサンは英メジャーPolydorと契約。そしてその動画で歌った楽曲を「Wellrman（ウェラーマン）」として正式にリリースするとSpotify Global Viralチャートで1位と2位を独占し、全英シングルチャート1位を獲得しました。

そんなTikTok発、2020年代のシンデレラ・ボーイとなったネイサン・エヴァンズのインタビューを掲載します。

郵便配達員がデビューするまで

――音楽活動を始めたきっかけ、これまで活動について教えてください

僕は6歳くらいの時から歌っていて、8歳の時に初めて自分のエレキギターをもらいました。それを1年くらい弾いたんだけど、今度はクリスマスプレゼントにアコースティックギターをもらったんです。それ以来、歌とギターをずっと演奏してます。

2010年くらいにYouTubeにカバー動画をアップロードするようになって、去年の1月にTikTokのアカウントを作ったんです。姪っ子とか甥っ子から「TikTokは本当にすごいからそこに動画を投稿したほうがいいよ！」って何回も言われたんですが、最初は「んー、本当に始めるべきかな…」って思ってたんだけど、彼らに説得されて1月に投稿し始めたら、こんなところまで来ちゃいました。

――YouTubeに動画を投稿し始めたのは何歳の頃ですか？

13歳くらいですね。

――YouTubeやTikTokなどに他の動画も投稿していましたが、シーシャンティ（船乗りの歌）を歌い始めたきっかけは？

最初はポップとか、フォーク、スコットランドの曲なんかのカバーをTikTokに投稿してたんだけど、ある日誰かが「“Leave Her Johnny”っていう曲を歌ってくれますか？とっても合うと思う」って動画にコメントを残してくれたんです。だからそれを聴いて歌ってみたら、すごい反響で。その動画のコメント欄に「“Wellerman”歌って！」とか「“Drunken Sailor”歌ってください！」とか、シーシャンティのリクエストを書く人がたくさん出てきたんです。それをいくつか歌っていって、12月に「Wellerman」を投稿したんです。

――ウェラーマンを投稿する前にシーシャンティはいくつくらい投稿していました？

確か5つくらい？ 4か5ですね

――ウェラーマンを選んだ理由は？

いや、リクエストのひとつだったってだけです。誰かに歌ってって言われたからでした。

@nathanevanssThe Wellerman. #seashanty #sea #shanty #viral #singing #acoustic #pirate #new #original #fyp #foryou #foryoupage #singer #scottishsinger #scottish ♬ original sound – N A T H A N E V A N S S

――郵便配達員としてはどれくらい働いていました？ヒットを知って同僚はどう反応しました？

実は、郵便配達員は4か月しかやってなかったんですよ！だからそう言われるのも変な感じですね。やっと同僚のことも分かってきて、みんなにも僕のことを知ってもらえたくらいの時にこんなことが起こって、辞めちゃったから。でも、みんなすごい応援してくれてます。何人かとはメールで話してるんだけど、みんな嬉しい、楽しみだって言ってくれてます。上司か同僚に会いに行ったりもしたんだけど、みんな応援してくれるから本当に良かったです。

――郵便配達員になる前は何をしてた？

その直前は、無職でしたね。新型コロナウイルスのパンデミックが始まって、スコットランドはロックダウンに入ったんだけど、段々と状況が良くなっているような気がしたんで、その時働いていた鉄鋼業の工事現場の仕事を辞めたんです。パブとかクラブで曲を演奏したいって思ってたんですが、仕事を辞めたあとにまたロックダウンに入って何もできなくなっちゃって。だからその時から音楽はYouTubeとかTikTokにフォーカスするようになって、それから郵便配達員の仕事に就きました。

――郵便配達員の仕事を辞める際の気持ちはどうだったか？

考えるまでもないことでした。こんなにもすごくて可能性があるチャンスに出くわすことなんてほとんどないから、みんなにもそれを説明して、テレビにも出るからまだ僕のこと見れるよって伝えました（笑）。そしたらみんな理解してくれて、彼らが僕だったら同じことをしただろうって言ってくれたんです。

――同僚はあなたがミュージシャンと知っていましたか？

誰も知らなかったですね。みんな拡散した動画を通して知った形でした。ある日、同僚の一人から「君、歌えるなんて知らなかったよ！ギターも弾けるの？」って言われたんですけど、誰かが僕の動画をシェアして彼のFacebookに出てきて「この人知ってる！僕の同僚じゃん！」ってなったみたいで、そこから知られた感じです。僕が辞めるほんの3日前に発見されました。

――郵便配達時代の面白いエピソードがあれば教えてください

犬に襲われたことが一回だけあります。噛み殺されなくてよかったです（笑）

――Polydorからどのように契約のオファーが来たのでしょうか？

Polydorの人から「お話がしたいから電話してもいいですか？」ってメールが来たんです。その時は、他にも事務所とか色々なところからメールが来てて、「ウェラーマン」がバズってから僕の受信ボックスはパンパンでした（笑）。

そしたらある日、外でイヤフォンをしながら郵便配達をしてたらPolydorから電話がかかってきて「今話せる？」って言われて。「今郵便配達の仕事中だけど、イヤフォンしてるし話せますよ」って言ったら彼が契約の話をしてくれて。ほんとに信じられませんでした。でもエキサイティングだった。これからのプランとかを想像しちゃって。

大成功と反応

――ブライアン・メイがギターカヴァーしたときどう思いました？

言葉を失いました！朝起きて、いつもみたいに携帯を見たら「今すぐTikTokをチェックして！」ってメッセージが来てて。それでTikTokを開いてみたら、ブライアン・メイが僕の動画を使ってギターでデュエットしたって通知があって。こんなことあり得ない、どうやってここまで来たんだろうって思いましたよ。クレイジーでした。