ミック・ジャガー、Apple Musicにストーンズ新作の制作や参加ゲストについて語る

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YouTube : Mick Jagger: The Rolling Stones "Sweet Sounds of Heaven"’, Lady Gaga & Stevie Wonder | Apple Music

2023年10月20日に発売となるザ・ローリング・ストーンズ(The Rolling Stones)18年振りのスタジオ・アルバム『Hackney Diamonds』。

このアルバムからの第2弾シングルでフェンダー・ローズ、モーグ、ピアノで参加のスティーヴィー・ワンダーと共に、レディー・ガガのヴォーカルがフィーチャーされている「Sweet Sounds Of Heaven」が9月28日に配信が開始した。これに合わせてApple Music 1のDJ、ゼイン・ロウによるミック・ジャガーのインタビューがApple MusicとApple Music公式YouTubeにて公開された。今回はそのインタビューの抜粋をご紹介。

Apple Musicでは、ドルビーアトモスによる空間オーディオにて配信されており、周囲のあらゆる方向や頭上から音が聴こえる画期的で臨場感あふれるオーディオ体験でこの作品を楽しむことができる。また、新作アルバムについてはプレアド(先行追加)が可能となっている

(*プレアド[先行追加]機能は、タップするだけでリリース前の作品をライブラリやプレイリストに追加することができ、聴き逃しを防ぐことができる便利な機能で、プレアドをするとアルバムの配信開始直後に通知が届き、すぐにストリーミングや共有が可能になる)

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ミック・ジャガーが、Apple Music 1のゼイン・ロウの番組に出演し、新曲「Sweet Sounds of Heaven」でのコラボレーションについて、レディー・ガガとの仕事、バンドのニュー・アルバム『Hackney Diamonds』がどのように制作され、高名なプロデューサーのアンドリュー・ワットによってギアが入れられたのか、そしてこのアルバムは過去のストーンズの作品と何が違うのか、さらにポール・マッカートニーがアルバムに参加することになった経緯などについて語った。

「Sweet Sounds of Heaven」でのレディー・ガガとのコラボレーションについて

ミック:彼女は本当に素晴らしいシンガーだけど、彼女があんな風に歌うのを聴いたのは初めてだった。あのスタイルは聴いたことはなかったね。俺たちはスタジオでライヴ録音したんだけど、あれは素晴らしい経験だった。彼女が部屋に入ってきて、心を開いて、彼女の歌い方を見て、感じて、それから自信を深めていったんだ。そして別の日にまたスタジオに戻って、初日にやらなかった追加パートを録った後に、少し整理してから、オーバーダブ・ルームで真っ向から顔を突き合わせて、かなりカッコよくそのパートを歌ったんだけど、お互い対抗意識みたいものを燃やしながら叫んでいたね。

新曲「Sweet Sounds of Heaven」の制作について

ミック:すべてライヴ録音なんだ。もちろんオーバーダビングもしたけど、全部スタジオで演奏している。だからライヴ特有の瞬間があった。特にスティーヴィー(・ワンダー)を迎えたセッションでは、自分のやり方を探りながら、あのソウルなエンディングが出来上がったんだ。ライヴでもたまにやるような手探りな感じだったね。試行錯誤の繰り返しだったけど、まさしくライヴでやっているっていうのが感じられて、いい瞬間だった。

それからバハマでキースとロニーと一緒に録音して、その時点では概ね録り終えてはいたものの、まだミックスしていなかった。ミックス作業は、俺がミキサーとアンディ(アンドリュー・ワット:プロデューサー)と3人でやったんだけど、3人とも別々の場所にいたんだ。

ミキシングが終わって、3人それぞれにプレイバックした。新曲を聴く時って本当にいい瞬間なんだ。そうして完成したものをプレイバックしている瞬間はいつだって素晴らしい。「ワオ、完成して、音もすごくいいし、満足だ」ってね。

もし満足していなかったら、曲を変更しなければならない。これ以外にもたくさんの曲をレコーディングしたから、相応しい曲を選ばなければならない。収録曲を選ぶ時は、必ずしも公平ではなく、どちらか一方が好きということもあるだろう。他の候補曲が出てくることもある。でも、レコーディングした曲の中からバランスよく選ぶんだ。

 

ポール・マッカートニーがニュー・アルバム『Hackney Diamonds』に参加することになった経緯について

ミック:俺たちはよくメールでいろんなやりとりしているんだけど、ある時アンディが俺にこう言ったんだ。

「ミック、今も作業している。このアルバムには6ヵ月間、全神経を集中させてきたんだ。実は君に本当のことを言えていなかったんだけど、今週はポール・マッカートニーの仕事をブッキングしてしまっていたんだ」

(彼と約束していた)残り3週間のど真ん中だった。トラックをカットするためにあと3週間しかなかったんだ。彼はこう続けた。

「残り3週間のちょうど真ん中にポール・マッカートニーとの仕事を入れてしまったんだ。この仕事だけは唯一キャンセルできなかった」

それで俺は彼にこう言ったんだ。

「そういうことなら何日か休みにしよう。大丈夫。時間はあるし、良い曲が沢山できているから」

すると彼は俺にこう提案したんだ。

「まあ、そうなんだけど、その期間のどれか1日にポールを招いて演奏してもらうのはどうだろう?」

そして俺はこう返した。

そうだね、それはいいアイデアだ」

それでアンディがポールに電話して、アンディが約束していた日程のうちどこか1日スタジオに来てもらえないかと訊いてくれたんだ

ゼイン:すごい。じゃあ、ポールはストーンズのアルバムに参加するために(アンディに)お金を払ったっていうこと?

ミック:彼はレコーディングの日程を1日返上してくれたんだ、それが妥当だと思う。請求はされなかったけど、日程を一日譲ってくれたんだ。

 

ニュー・アルバム『Hackney Diamonds』の制作過程

ミック:俺は、どんな風に制作を進めていくべきか、アルバムの制作においてどの段階にいるのかよくわかっていなかった。それからたくさんレコーディングをしたけど、締め切りはなかった。本当にいい曲もあったけど、夢中になれないものもあった。

締め切りもなければ、まとまりもなかったし、フィニッシュラインもスタイルも何もなかった。だから俺たちは、アルバムに対して少し怠惰で無頓着になってしまったんだと思う。だから俺はキースに言ったんだ。

「じゃあ締め切りを設けよう。期限を決めてやる気はある? 新しいプロデューサーを雇う気はあるか?」

そしたらキースはすぐに全てに同意してくれた。つまり、起こらないときは何も起こらないんだ。それで俺が、「ジャマイカに行って、のんびりしながらジャムったりしよう」と提案したら、彼はとても乗り気だった。そうすることで、とても開放的になって、このアルバムを軌道に乗せることができるからね。それから彼はすべてのことに素直に付き合ってくれたよ。

ジャマイカはとてもリラックスできるいい場所だった。美しい景色が広がっていて、プレッシャーはなかったし、とにかく演奏してどんな風になるかやってみた。スティーヴがいて、マットもいて、後は俺とキースだけだった。

その後、ロニーを交えてリハーサルを行い、そこでアンディに来てもらったんだ。そこからアンディが全てをブルドーザーでならしてくれたよ。「これはいい曲だ。この曲が大好きだ」てな具合にね。それで楽になったよ。でも、そうだね。みんなが前に進みたい、アルバムを作りたい、ワクワクしながら、完成させたいという思いが一致する瞬間があるんだと思う。

 

ニュー・アルバムはこれまでの作品とどう違うか

ミック:チャーリーがもういないから、それが、ここまで話したセッションをやる上での大きな違いだった。スティーヴとはよく一緒に演奏しているけどね。ツアーでもスタジオでも一緒に演奏するし、彼とはデモ録音をやったこともある。彼はとても熱心だから、いつもいい感じなんだ。

それに、彼とは本当によく理解し合えていると思う。俺はグルーヴに興味があるんだ。メロディや歌詞だけじゃなくて、グルーヴにも興味がある。この曲はどんなグルーヴにすべきか? このバンドでこの曲をやるならどんなグルーヴが合うんだろう? ってことにね。ザ・ローリング・ストーンズにはある特殊なベースがあるから、どんなグルーヴでもいいというわけではない。このバンドにとって完璧なグルーヴにしたいんだ。だから、スティーヴと俺はグルーヴに取り組んだ。チャーリーと一緒にグルーヴを作っていた時のようにね、それはまるで実験みたいなんだ。

みんなが家に帰った深夜に残ってギターを抱えて、「よし、明日はこれをやろう。これ覚えてる?」てな感じさ。なぜなら、みんなが覚えるのが難しい曲がたくさんあったから。「明日はこれをやろう。で、ちょっと心配なんだけど。こんな感じでいいのかな? ベースの走りはこうするべきか? テンポはこうするべきか?」みたいなことをスティーヴと俺は一緒にやっていた。それが大きな違いだね。

それから、プロデューサーとしてアンディ・ワットがいてくれたこと。彼はとても熱心で、鞭を打って、みんなが本当に一生懸命やっていることを確認するんだ。

 

プロデューサー、アンドリュー・ワットとの仕事について

ミック:アンディは曲がいつ完成するのかを知っているんだ。素晴らしいことのひとつは、その曲を何度もやる必要がないことだと思う。アンディは曲が完成したタイミングを知っている。だから、4回やって、それで終わりなんだ。彼が「これで終わりだ」と言うと、みんなが彼を見て、「えっ、これで終わり?」って訊き返す。

彼が「ああ、次の曲をやろう」と言うから、みんなで座って考えたりすることはない。そんなことは一切なかったね。「さあ、次の曲をやろう」って言われると、みんな「ああ、素晴らしいね」って言うんだ。別の曲を終えてまたすぐに次の曲に移るっていうのが冗談みたいになって、みんなでその度に拍手し合ったものさ。だから、完成を実感するのはとてもいいことだと思う。


最新アルバム

ザ・ローリング・ストーンズ『Hackney Diamonds』

2023年10月20日配信スタート
Apple Music



 

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