メアリー・J.ブライジ『My Life』解説:大ヒットデビュー作『What’s The 411?』を超えた2ndアルバム
1994年12月17日、メアリー・J.ブライジは盛大なお祝いパーティを開いてもいい立場にあった。この日、彼女はアルバム『My Life』で2度目のR&Bチャートの首位を獲得したのである。
現在までにメアリー・J.ブライジは何度も大胆な変化を遂げており、2014年の最新アルバム『The London Sessions』でもまた新たな顔を見せている。とはいえ1994年は、1992年の『What’s The 411?』で華々しくデビューしてからまだ2年という時期だった。このデビュー・アルバムには「Reminisce」「Real Love」「You Remind Me」といった彼女の代名詞ともいえるヒット曲が並んでいた。『What’s The 411?』はアメリカではダブル・プラチナ・アルバムとなり、R&Bチャートでは7週連続1位。チャート入りの期間も合計64週となっている。驚くべきことに、このセカンド・アルバム『My Life』はそうした素晴らしい記録をことごとく塗り替える大ヒット作になった。
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このメアリー・J.ブライジのセカンド・アルバムでは、ショーン・”パフィ”・コムズがエグゼクティブ・プロデューサーを担当。先行シングル「Be Happy」はR&Bチャート6位、さらには全米シングル・チャートで30位に達するヒットになった。アルバムそのものは11月末に発売され、ソウル・チャートでは初登場1位を記録。ポップ・チャートでは1位に達しなかったが、そちらでの初登場1位は2年半後に出たサード・アルバム『Share My World』で成し遂げている。
『What’s The 411?』は発売から3カ月でプラチナ・アルバム、7カ月でダブル・プラチナ・アルバムとなった。そしてトリプル・プラチナ・アルバムになったのは8年後の2000年だった。一方『My Life』は発売から2カ月でプラチナ・アルバム、4カ月でダブル・プラチナ・アルバム、そしてわずか1年強でトリプル・プラチナ・アルバムに認定されている。
8週連続1位、しかもチャート入りの期間は実に合計85週に渡っている。1995年中には、このアルバムからシングル・カットされた「I’m Goin’ Down」、「Mary Jane (All Night Long)」などもヒット。メアリー・J.は「ヒップホップ・ソウルの女王」の座をさらに確固たるものにしていった。
Written by Paul Sexton
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