マーヴィン・ゲイのベスト・ソング20:史上最もソウルフルなアーティスト
マーヴィン・ゲイのキャリアは残酷にも実の父親に銃で撃たれ1984年4月1日に44歳と言う若さで絶たれてしまった。しかし、“モータウンのプリンス”とみなされていた彼の評価は今でも変わらない。その唯一無二の才能を祝福するために、彼のキャリアを形作ったヒットソング20曲をプレイリストに取り揃えた。
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このプレイリストは、2014年にイギリスのテレビの特番で‘国民が一番好きなモータウン・ソング’に選ばれた「I Heard It Through The Grapevine(邦題:悲しいうわさ)」で始まる。現在も、グラミー賞の殿堂入りを果たした1968年のこの大ヒット曲が我々の文化の中に顔を出さない週はないほどで、マーヴィン・ゲイの代表曲の一曲となっている。
「Got To Give It Up」は1977年に、全米R&Bチャートで5週連続1位を記録したヒット曲。最近ではロビン・シックの「Blurred Lines」のインスピレーション元となった曲として再びニュースで取り上げられたことで話題と呼んだことも記憶に新しい。このスムーズでロマンチックな曲は、ディスコ時代にはダンスフロアを制圧していた。
続いて、マーヴィン・ゲイのキャリアの初期となる60年代に遡り、1962年10月、彼が初めてR&Bチャート入りを果たした「Stubborn Kind Of Fellow」。その後に、多くの人々にカヴァーされた1964年のB面曲「How Sweet It Is (To Be Loved By You)」が入っている。
それから、1971年発表の革新的なアルバム『What’s Going On』からの3曲が続く。このアルバムによって彼は、重要な社会的主張をするアーティストという役割を任されるようになった。我々は、このアルバムの3曲、アルバム・タイトル曲「What’s Going On」「Inner City Blues(Make Me Wanna Holler)」「Mercy Mercy Me(The Ecology)」を選んだ。3曲全て、その年にR&Bチャートで1位を獲得している。
ベッドルーム・ソウルの王としての彼の役割を知る曲としては、アルバム『Let’s Get It On』と『I Want You』から、どちらも洗練されたアルバム・タイトル曲をリストにいれた。
マーヴィン・ゲイはまた、女性アーティストとの優れたデュエット曲も多く残している。その好例が、1973年のダイアナ・ロスとの素敵なデュエット「You Are Everything」や、タミー・テレルとの「Ain’t No Mountain High Enough」と「You’re All I Need To Get By」、そして、メアリー・ウェルズとのコラボレーション・アルバム『Together』収録の「Once Upon A Time」である。
再びキャリアの初期に戻って、1963年のリズミカルな「Can I Get A Witness」、そして60年代後期からは、アルバム『MPG』収録の「Too Busy Thinking About My Baby」を。続いて、名タイトル曲の「That’s The Way Love Is」。
そして、われわれが決して忘れることのできない、キム・ウェストンとの素晴らしいデュエットの思い出の曲として「It Takes Two」を選んだ。
そして彼の人生の最後の大ヒット曲のひとつが、クロスオーヴァー・ヒットとなった「Sexual Healing」である。R&Bチャートで10週連続1位を達成した過去最高にタイムレスなサウンドの曲だ。
しばしば過小評価されてきた映画のサウンドトラック『Trouble Man』のアルバム・タイトル曲に続けて、われわれが選んだ最後の曲は「When Did You Stop Loving Me」だ。1978年のアルバム『Here, My Dear』の収録曲で、彼のカタログの中では隠れた名曲とも言える。この曲で、歴史上、最もソウルフルなアーティストと共に過す80分の20曲を、締めくくることにする。
Written By Paul Sexton
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