マーサ&ザ・ヴァンデラスの失敗作「What Am I Going To Do Without Your Love」
マーサ&ザ・ヴァンデラスがポップ・チャートで最高20位代、R&BチャートでTOP3入りした「My Baby Loves Me」に続いてリリースした「What Am I Going To Do Without Your Love」は、1966年6月11日にポップのベストセラーを記録したが、ソウル・チャートは完全に獲り逃した。
モータウンお馴染みの”ミッキー”・スティーブンソンとシルビア・モイによる作曲で、同じく”ミッキー”・スティーブンソンとアイヴィ・ジョー・ハンターがプロデュースを手掛けたこのシングルは、タムラ・モータウンらしいミッド・テンポのスタイルはではあったものの、マーサ&ザ・ヴァンデラスのソウル・ファンと、おそらくラジオ・ディレクターにとっては、稀にみるハズレ曲だった。
5月19日にモータウンからシングルとしてリリースされた「What Am I Going To Do Without Your Love」は、全米シングル・チャートに84位で初登場し、翌週には10位ジャンプ・アップするも、そこからは77位まで順位を下げ、再び71位まで盛り返したが、結果的にそれが最高位となった。モータウンから同時期にリリースされたマーサ&ザ・ヴァンデラスのベスト盤『Greatest Hits』は同じく6月11日付のR&Bアルバム・チャートで6位を記録するヒットとなったが、このシングルは収録されていなかった。
シングルのB面曲「Go Ahead And Laugh」は、”ミッキー”・スティーブンソンとアイヴィ・ジョー・ハンターによる作曲で、最初のカットはミッキーの妻、ラブレンダ・ベンによるものだったが、後にキム・ウェストンのレコーディングによって差し替えられた。キム・ウェストンのヴァージョンは「A Little More Love」と「I’m Still Loving You」という2作のB面曲として収録された。
幸い、その年の秋にリリースされたシングル「I’m Ready For Love」がポップ・チャート9位、R&Bチャート2位という両チャートでTOP10入りを果たし、マーサ&ザ・ヴァンデラスは無事持ち直した。
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マーサ&ザ・ヴァンデラス『50th Anniversary: The Singles Collection 1962-1972』