リトル・リチャード唯一のTOP20獲得アルバム『Here’s Little Richard』
一体、リトル・リチャードは何度アメリカのアルバム・チャートでトップ20を記録したことがあるのだろうか? その答えは、1957年8月5日にリリースした彼の最初のLP『Here’s Little Richard』で獲得したたった一度だけ、最も売れたポップ・アルバムとしてデビューを遂げたのであった。
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このデビューLPは、1956年の10月にレコーディングされ、チャートに初登場する5ヶ月前に既にリリースされていた。その頃には、センセーショナルだった’Georgia Peach’は独創的な素晴らしいヒット・シングルで地盤が固まってきていた。その中には、「Tutti Frutti」「Long Tall Sally(邦題:のっぽのサリー)」、「Rip It Up」、「The Girl Can’t Help」、「Lucille」、そしてその当時のヒット曲「Jenny Jenny」があった。
当時のリトル・リチャードの魔法にかけられた数多くの未来のスターたちの中に、後にザ・バンドのメンバーとなるロビー・ロバートソンがいた。「僕が自分のこづかいで初めて買ったレコードが『Here’s Little Richard』だった」と後に語っている。「彼の‘Rip It Up’に完全にハマってしまったんだ。最も素晴らしいシャッフルの曲だった。今現在においてもね」。
『Here’s Little Richard』は“バンプス”・ブラックウェルによってプロデュースされ、「Tutti Frutti」、「Long Tall Sally」そして「Jenny Jenny」が収録され、さらに「She’s got It」と「Reddy Teddy」という重要曲も収録されていた。参加ミュージシャンのリストを見ると、アルヴィン・”レッド”・タイラーとリー・アレンというサックス達に、ドラマーのアール・パーマー、「Baby」にはヒューイ・“ピアノ”・スミスという素晴らしいサイド・ミュージシャンたちが固めていた。
このアルバムは、2003年にローリング・ストーン誌が選んだ“史上最も素晴らしいアルバム500”の中で50位に選ばれている。2012年にはコンコード・レコードの再発掘により『Here’s Little Richard』から2曲のデモ・ヴァーションを追加したリイシューが発売された。さらに当時リトル・リチャードが契約していたスペシャルティ・レコードの設立者であり影響力のあるアート・ルーペ氏の9分に及ぶインタビューも収録されている。
「リトル・リチャードは観客を征服することができ、彼らをコントールし、どの演者も出し抜いてしまう」とインタビューでアート・ルーペは語っている。「彼は予測不可能で、しかしエネルギーに満ち溢れ、とてつもない天性の才能の持ち主だ」。
アルバムは13位まで登り、全米チャートに5週に渡ってとどまったが、彼ほどの世界的な認知度を誇りつつもその後10年間はチャートに上がることがなかった。『Here’s Little Richard』は、彼が加速し続けるパフォーマーであり、当時弱冠24歳ながらも既に4年のレコーディングのキャリアを誇っていたということを今日まで伝える素晴らしい記録である。
Written by Paul Sexton
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リトル・リチャード『Here’s Little Richard』