ジミ・ヘンドリックス、27歳という若さでの死と彼が残したもの
1970年9月18日、カーペンターズは「Close To You」で自身初の全米シングル・チャート1位を手にした。イギリスではスモーキー・ロビンソン＆ミラクルズが「Tears Of A Clown（涙のクラウン）」で1位になった。映画では『ファイブ・イージー・ピーセス』や『トラ・トラ・トラ!』がこの月に公開された。そして27歳の若さでジェームズ・マーシャル・ヘンドリックスことジミ・ヘンドリックス（Jimi Hendrix）が私たちの元を去った。
ジミ・ヘンドリックスがギタリストや音楽界に与えた影響は年々大きくなっている。彼の演奏が自分のモチベーションを刺激したことを記録に残しているアーティストには、彼の友人であったエリック・クラプトンから、デイヴ・グロール、プリンスなど数えきれないほど存在する。その中の一人であるジョニー・マーはかつてこう言っている。
「ジミは生まれながらにして才能にあふれていたが、ベッドから出てきて指を交差させただけでは、あそこまでの腕前にはなれない」
訃報から2ヶ月も経たないうちに、「Voodoo Chile」がイギリスのシングル・チャートのトップに立った。アルバム・チャートでは、当時の最新作『Band Of Gypsys』がチャートに再登場し、27位という不気味な数字を記録し、その後14位まで上昇した。
ジミ・ヘンドリックスの死が彼の仲間たちに与えた様々な影響の中で、あまり知られていない事実がある。ダイアー・ストレイツ結成前、新聞記者として働いていた若き日のマーク・ノップラーは、その職を辞める日の最後に書いたのがジミの訃報だった。彼はこう回想する。「辞める1時間前に最後の記事を書くように言われたんです。それがジミの死の話でした」。
ジミ・ヘンドリックス・エクスペリエンスのメンバーだったノエル・レディングも感動的な話をしていた。
「僕はジミの夢を見たことはなかったんですが、でもある夜の夢でジミが部屋に入ってきたんです。“君は死んだんじゃ”と言ったら、彼はこう言ったんです。“クールだろ、また会いたくなったんだよ”」
ジミ・ヘンドリックスのレガシーをさらに証明するものとして、毎年Experience Hendrix Tourが行われ、2019年は全米で18公演が実施された。メンバーは、バディ・ガイ、ビリー・コックス、ジョー・サトリアーニ、タージ・マハル、ジョニー・ラング、ドウィジル・ザッパ、ドイル・ブラムホール2世といった錚々なる面々だ。さらに、2018年に発売された未発表曲10曲が収録されたアルバム『Both Sides Of The Sky』がイギリスとアメリカの両方でトップ10を獲得するなど、彼の音楽は記録的に新しいオーディエンスに届き続けている。
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