ジャネット・ジャクソン『Rhythm Nation 1814』:制作中に90年代の‘国歌’になるかもと言った傑作

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昔のジャネット・ジャクソンは、世界で最も有名なポップ・グループの幼い妹という存在にしか過ぎながった。しかし1980年代後半になると、大スターのソロ・アーティストとして独自の地位を獲得し、1989年9月18日にリリースされた『Rhythm Nation 1814』に対する期待は異様に盛り上がった。

ジャクソンは1982年にA&Mからリリースされたセルフ・タイトルのデビュー・アルバムで独自のサウンドと個性を見つけようと苦労していた。次作の『Dream Street』では少しだけ不似合いなクリフ・リチャードとのデュエット「Two To The Power Of Love」が収録。しかし大物作曲家/プロデューサーのジミー・ジャムとテリー・ルイスと組み始めるとその勢いは止まることを知らなかった。

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大ヒットした80年代後半

1986年発売のアルバム『Control』はアメリカで500万枚、全世界で1,400万枚を売り上げ、『Rhythm Nation 1814』も同様の成功を収めた。タイトルの“1814”は多くの者にとっては謎めいた数字だったが、後にジャネットはそれが理にかなった数字だと説明している。タイトル・トラックをジャム&ルイスと書いていた時にジャネットはこう言った。

「私はふざけて、これってもしかして90年代の‘国歌’になるかもね、と言ったの。そこでフランシス・スコット・キー(*訳注:アメリカの国家「星条旗」を書いた)がいつ国歌を書いたのか調べてみたら、1814年9月14日だったの」

アルバムは『Control』と同じく、先端的で独創性のあるファンク、ダンス、そして純粋なポップ・ミュージックに、クロスオーヴァーなサビ、豪華なプロダクション、そして凝った振り付けのビデオという材料を引き継いでいる。全米アルバム・チャートのトップを4週間飾り(『Control』は2週間だった)、リード・シングルの「Miss You Much」もHot 100のトップを1ヶ月飾った。

 

大成功したシングルたち

タイトル・トラックは2位、「Escapade」はUSでナンバー1に、「Alright」は4位、「Come Back To Me」は2位、ロック調の「Black Cat」(ジャネットが一人で作曲し、リヴィング・カラーのヴァーノン・リードをリードギターとしてフィーチャリング)で1位、「Love Will Never Do (Without You)」でまた1位、そして「State Of The World」では5位にランクインしている。

1枚のアルバムから信じられないことに8曲ものトップヒットを生み出し、ジャネットは『Rhythm Nation 1984』で天下を取ったのだ。

Written By Paul Sexton


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