ジャネット・ジャクソンの“ロックの殿堂”受賞スピーチ全文
2022年8月24日にジャネット・ジャクソンの日本盤シングルとMVを収録したベスト盤『ジャパニーズ・シングル・コレクション-グレイテスト・ヒッツ-』が発売となる。
このアルバム発売を記念して、2019年に行われたロックの殿堂(Rock and Roll Hall of Fame)受賞時のジャネット本人による受賞スピーチを掲載。
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本当にありがとう。ジャネール、とても素敵な言葉を本当にありがとう。とても心に響きました。今日は私にとって大変大きな出来事です。私の子どものころの夢は、シンガーになることではありませんでした。大学に行って、法律家になりたいと考えていました。私をシンガーにしたいというのは父の夢だったんです。彼は、私が素晴らしいパフォーマーになることを願っていました。そして私の背中を押してくれたのです。初めて背中を押してくれたのが父でした。そしてそれ以来、私は音楽に情熱を注ぐようになりました。
兄たちとジャネット
1997年には、兄たちが音楽への情熱を認められ、「ロックの殿堂入り」を果たしました。そのとき、私は心から誇らしく思いました。先ほどの映像にもあったように、私はいつも兄たちのリハーサルを見に行っていました。いつも彼らに付きまとっていて、本当にいつでも兄たちと一緒だったんです。
私は世界中のたくさんの人たちと同じように、自分の家族が大衆文化にとてつもない影響を与えていく様子を見ていました。それもアメリカの文化だけではなく、世界中の文化、この世界全体に対してです。
末っ子だった私は、きっと自分も成功を手にしてみせると決心しました。私は、誰の力も借りず、ひとりだちしたかったんです。それでも、兄たちの足跡を辿れるなんて夢にも思っていませんでした。けれども今夜、末っ子の妹はそれを現実にするることができたのです。
そうはいっても、私は自分ひとりでやってきたわけではありません。ここまでの道のりには、実に多くの人たちの支えがありました。まず最初に、驚くほど力強い私の家族に感謝を伝えたいです。最高の母と父、そして姉たちと兄たちに感謝します。あなたたちはずっと私を信じ続けてくれました。
A&Mの想い出
1990年代の前半、いえ、1980年代の前半に、父は経験の浅い14歳の私をA&Mレコードに連れていってくれました。そしてハーブ・アルパートとジェリー・モスのふたりは、私の可能性を信じて、レコーディング契約を交わしてくれました。彼らをはじめ、A&Mレコードのみなさんにお世話になったことを、私は一生忘れません。
へスース・ガーバー、あなたもそのうちのひとりです。それにアンジェラ・ウィンブッシュ、そしてレネー・ムーアとレオン・シルヴァーズにも心から感謝します。あなた方は、最初から私を信じていてくれました。それから、ディック・クラークとドン・コーネリアスという偉大な人たち‥‥‥。あなた方は私を多くのリスナーや、世界中の番組のディレクターやDJたちに紹介してくれました。私自身のこと、そして私の音楽を37年ものあいだ支え続けてくれました。すべてふたりのおかげです。本当にありがとうございます。
ジャム&ルイスや関係者への感謝
ジミー、テリー、立ち上がっていただけますか?どうか、立ち上がってください。1980年代の半ばにあなたたちはA&Mレコードにやって来て、プロデュースしてみたいアーティストがいるとしたら誰かと訊ねられましたね?あなたたちの答えは「ジャネット」でした。これは本当にあった話です。実際に起きたことなんです。あなたたちは私の父親同然、 あるいはそれ以上の存在です。優れたプロデューサーであり、すばらしいソングライターであり、聡明な導き手であり、また最高の友人でもあります。この場を借りて、私たちが一緒に作り上げてきた作品だけでなく、ふたりの音楽業界への功績にも敬意を表したいと思います。本当に大好きです。
私は自分でダンスが上手だなんて思ったことはありません。だけどダンスしているときの感覚は大好きです。一緒に仕事をしてきた振付師のみなさんにも感謝しなければいけません。特に、ポーラ・アブドゥル、アンソニー・トーマス、ティナ・ランドン、そしてギル・ドゥルドゥラオに、ここで心からの感謝を捧げたいと思います。鏡に映った自分を見ることすらつらい、そんなときでも、あなたたちが私を元気付けてくれました。
クエストラヴ、立ち上がっていただけますか。クエスト、どうか立ち上がって。あなたは私にとって誰にも負けないチャンピオンです。本当にありがとう。JDJを支えてくれるチームのみんなにも感謝したいです。ジェシカ・ダヴェンポート、あなたとは、私が『Good Times』に出演し始めたころから、もう30年以上の付き合いですね。ジェス、愛しています。ハイメ・メンドーサ、それからテリー・ハリス、私が無事に毎日を過ごすことができるのはあなたたちのおかげです。本当に感謝しています。
ファンや子供へのメッセージ
また、ひとりひとりのファンに、私自身の言葉でメッセージを伝えたいです。良いときも悪いときも、どんなときでも、みなさんは変わらず、私と一緒に歩んでくれました。みなさんの存在を当たり前のものと感じることは今までも一度だってありませんでした。そしてこれからも絶対にないでしょう。みなさんを心の底から愛しています。本当にありがとう。
そして、私たちに命を授け、善い行いをする力を与えてくれた神様に感謝します。神様がいる限り、どんなことだって不可能ではありませんし、問題なんて何一つありません。最後に私のベイビー、大切な息子に感謝の気持ちを伝えたいと思います。彼は毎朝、素敵なメロディを聴かせて、私を目覚めさせてくれます。みなさん、彼はまだ2歳なんですよ!あの子に、あなたを心から大切に思っていると伝えたいです。私にとって、命に代えても惜しくない存在です。無条件の愛というものはどんなものなのか、あなたは私に実感させてくれました。エイッサ、ママはあなたを愛しているのよ!
それから、「ロックの殿堂」のみなさんにも、この場を借りて是非一言お伝えしたいです。2020年には、どうかもっと多くの女性たちを選んでください。大変な栄誉を本当にありがとうございます。みなさん大好きです。ありがとう。
ジャネット・ジャクソン『JANET JACKSON Japanese Singles Collection』
2022年8月24日発売
CD購入
2SHM-CD+1DVD(CD全38曲/DVD全44曲収録)
- ジャネット・ジャクソン アーティストページ
- ジャネール・モネイによるジャネット“ロックの殿堂入り”祝福スピーチ
- 【前半レビュー】ドキュメンタリー『ジャネット・ジャクソン 私の全て』
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- 自身のジャンルや作詞、そして私生活を語ったジャネット2006年のインタビュー