ザ・ジャムの初トップ・テン・ヒットとなったヒット曲「The Eton Rifles」
チャート・デビューから2年半後、ザ・ジャムは8枚ものシングルをトップ40入りさせていた。そして1979年11月3日、ポール・ウェラーがこれまでで最も辛辣な歌詞をつくり上げ、ザ・ジャムはさらに大きな賭けに出た。その楽曲「The Eton Rifles」はUKシングル・チャートに入り、1週間もしないうちに彼らにとっては初のUKトップ・テンのヒット曲となったのだ。
ポール・ウェラーによって書かれたこの曲は英国のパブリック・スクール、イートン・カレッジで行われていた軍事訓練について歌ったものであり、彼の曲がしばしばイギリスの社会制度に対しての表現であったように、この曲も労働者階級の怒りを表したものだった。前イギリス首相、デヴィッド・キャメロンはこの曲が発売された当時、実際にこの学校に在籍しており、2011年、この件についてガーディアン紙より質問を受けていた。
「私は1979年にイートンに通っていました。ちょうどザ・ジャム、ザ・クラッシュ、セックス・ピストルズが素晴らしい音楽を生み出し、タイトルに学校名の「Eton」が入っていることきっかけで誰もが彼らを気に入っていました」とデヴィッド・キャメロンは答えた。「しかしもちろん、それが何について歌っているのか私は理解していました。イギリス陸軍で走り回っている人たちを馬鹿にした曲だったのです。そして彼は私たちを棒で突いて攻撃していました」。
「ですが、見事な歌詞を持つ素晴らしい曲でした。もしこの音楽だけが好きで、この曲を書いた人の政治観に同意できるのであれば…と常に思っていました。本当にいい曲なので、むしろ自分の政治思想を制限して好きになったほうがましでしたね」。
シングル「The Eton Rifles」はその週の2番目に高い初登場曲として29位に登場、ザ・スペシャルズの「A Message To You Rudy(邦題: ルーディーたちへのメッセージ)」の背後についた。その翌週、7位まで一気に上昇し、そして11月24日のチャートで4位から3位へと上り詰めた。この曲は11月16日に発売されたザ・ジャムの4番目となるスタジオ・アルバム『Setting Sons』に収録されている。
- ザ・ジャム アーティスト・ページ
- ザ・ジャムの解散発表とラスト・シングル「Beat Surrender」
- ポール・ウェラーの20曲
- ザ・ジャム『All Mod Cons』
- ポール・ウェラー『Paul Weller』
ザ・ジャム『Setting Sons』