ヒップホップ・ヘッズのためのとびきりの冬休みプレゼント・リスト

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12月 27, 2017

クイーンズのホリス地区でもクリスマスや年末は間近だ。去年のモデルのBeatsヘッドフォンやバカ高いスニーカー以外のもので、ヒップホップ・ファンに喜んでもらえるプレゼントは何かないか、まだ悩んでいるのではないだろうか。幸いヒップホップ・マニアにプレゼントできる音のギフトの選択肢はふんだんにある。とりわけ今年はヒップホップ界においては形勢ががらりと変わった一年で、ケンドリック・ラマーの歴史的リリース、ジェイ・Zの堂々たる凱旋、ビースティ・ボーイズやアレステッド・ディヴェロップメント、ファーサイドのきら星の如き名盤の再発があり、R&B界でもメアリー・J.ブライジやリアーナらの傑作がリイシューされた。イージー・Eならきっとこう言うだろう：「Merry Muthaf***kin Christmas」。

1. アレステッド・ディヴェロップメント『3 Years, 5 Months And 2 Days In The Life Of…』
リル・ジョンがアトランタとクランク[訳注：刺激的でハイになるもの、あるいはその状態を指す言葉。Crazy+drunkが語源という説あり]をメインストリームにする前に、アレステッド・ディヴェロップメントがいた。1992年のデビュー・アルバム『3 Years, 5 Months And 2 Days In The Life Of…』がチャートを席巻したことで、サザン・ラップの認知度を一気に押し上げる役割を果たしたオルタナティヴ・ヒップホップ・グループである。今回オレンジのクリア・ヴァイナルで再発された傑作レコードを是非ゲットしていただきたい。

2. ビースティ・ボーイズ『The In Sound From Way Out!』, 『Hot Sauce Committee Part Two』, 『To The 5 Boroughs』
リストを作ったらチェック・ワン・ツー、ワン・ツー、ビースティ・ボーイズの過去作が間もなくレコードの形で再発される。キャピトル・レコードがニューヨーク・シティ出身のパイオニア的存在である彼らの、『The In Sound From Way Out!』『Hot Sauce Committee Part Two』『To The 5 Boroughs』という後期の3枚のアルバムのリイシューに乗り出したのだ。批評家たちから高い評価を得ていたスタジオ・アルバムに加え、『The In Sound From Way Out!』は『Check Your Head』と『Ill Communication』収録曲のインストゥルメンタルのコレクションで、新曲も幾つか加えられている。彼らのオフィシャル・サイトに行けば、更なるヒップホップ・ヘッズ向けのギフトが見つかるはずだ。

3. アイス・キューブ『Death Certificate』（25周年記念エディション）
あなたに90年代を代表するアイス・キューブのアルバム、『Death Certificate』のリリース25周年記念エディションを贈られたら、ウェスト・コースト・ヒップ・ホップのファンにとってその日は最高の一日になるに違いない。N.W.A.と袂を分かったばかりだったアイス・キューブが、元バンドメイトから堕落した警察まで、誰彼かまわず手当たり次第に言葉の銃弾を浴びせ倒したのは、L.A.暴動が起こるほんの数か月前のことだった。発売25周年を祝って、このアルバムにはリミックスが施され、キューブによる「Only One Me」、「Good Cop Bad Cop」、「Dominate The Weak」という3曲の新曲が収められている。

4. ジェイ・Z『4:44』
TIDAL[訳注：アメリカの定額音楽配信サービス。実際に音楽に携わっているプロのメジャー・アーティストや音楽ジャーナリストが運営に関わり、高音質かつ他では入手できない音源を提供することで設立当時話題となった。ジェイ・Zはその中心的存在]に登録する以外に、ジェイ・Z・ファンのためのクリスマス・プレゼントは何かないだろうか？グラミー賞8部門ノミネートの記憶も新しいジェイ・Zのカムバック・アルバム『4:44』は配信だけでなくCD盤としてもリリースされており、こちらは「Adnis」、「Blue’s Freestyle/We Family」、そして英国のR&Bシンガー、ジェイムス・ブレイクをフィーチャーした「Many Faced God」という3曲のボーナス・トラックも入っている。

5.GZA『Liquid Swords The Singles Collection』
ヒップホップ・ヘッズのためのクリスマス・プレゼント候補の中でも、このGZAの『Liquid Swords The Singles Collection』は別格だ。ヒップホップ黄金時代において屈指の必聴アルバムである本作のデラックス・ボックス・セットには、4枚のシングル盤レコード（それぞれオリジナル12インチ・リリース時のアートワークをフィーチャーしたピクチャー・スリーヴに入っている）、各曲にインスパイアされた描き下ろしのアート・プリント、そしてWax Poetics（レコード盤上の詩人）GZAのインタヴューと4枚のシングルすべてに関する解説をフィーチャーした7インチ四方のブックレットが収められている。真のコレクター向けには、クリスマスの朝に早速使える‘練習用刀剣’セットもついた、GZA本人の手書きのサイン入り限定版ボックス・セットも用意されている。

6. ケンドリック・ラマー『DAMN.』(コレクターズ・エディションはこちら)
ケンドリック・ラマーは『Good Kid, mAAd City』や『To Pimp A Butterfly』といったアルバムで潮目を変えられる実力派アーティストとして確固たる地位を築いていたが、今年リリースされたこの『DAMN.』はそれを軽々と超える作品で、ケンドリック・ラマーは既にダブル・プラチナムの称号とグラミー賞7部門のノミネートを手にしている。

7. リアーナレコード盤LP
2017年はリアーナの年だったと言ってもいいかも知れない。彼女がありとあらゆる雑誌の表紙を飾り、サマー・ソングにフィーチャーされ、化粧品のラインを発売する一方で、ファンは皆ツアーと新作を熱望している。フェンティ・プーマ[訳注：リアーナとプーマのコラボレーションによるスニーカーのライン]の商品を買ってあげるのもいいが、ここはあえて彼女のヴァイナルをプレゼントするのはどうだろう。2005年のスタジオ・デビュー・アルバム『Music Of The Sun』から、初めてよりエッジの利いたサウンドに挑んだ『Good Girl Gone Bad』、No.1アルバムの『Anti』まで、彼ら彼女らのお気に入りの一枚を贈るもよし、あるいは8枚のアルバム全部とターンテーブル用スリップマットに本までついたこのボックス・セットで、サプライズを演出するもよしだ。

8. メアリー・J.ブライジ『What’s The 411』
どんなにハードなヒップホップ・ヘッズでも、1992年のメアリー・J.ブライジのソウルフルなデビュー作を聴けばきっと一緒に歌ってしまうだろう。パフ・ダディ、別名“ブラザー・ラヴ”と組んだこの作品で、メアリー・J.ブライジは実に自然にR&Bとヒップホップのフロウを融合させ、クイーン・オブ・ヒップホップ・ソウルの玉座に就いたのである。

9. ザ・ファーサイド『Bizarre Rise II The Pharcyde』ボックス・セット
ウェストコースト・ヒップホップの絶頂期真っ只中にリリースされたザ・ファーサイドの1992年のアルバムは、Dr.ドレーのG-ファンクサウンドとは違う魅力を放ち、現在でも史上最高のオルタナティヴ・ラップ・アルバムの一枚として高く評価されている。本作のリリース25周年を記念して、クラフト・レコーディングスが出した大々的なボックス・セットは、アルバムのリマスター盤に加え、これまでデジタルやレコード盤、CD、カセット等バラバラのフォーマットでしか入手できなかった数々のレア・トラックやリミックス・ヴァージョンを総ざらえにした、ブームボックス派垂涎の決定版だ。

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