ジーン・ヴィンセントの「Be-Bop-A-Lula」と別のもうひとつのヒット曲は?
元祖ロックン・ローラーのジーン・ヴィンセントといえば「Be-Bop-A-Lula」がすぐに頭に浮かぶだろう。若干36歳で亡くなってしまった悲劇的な早すぎる死、あるいは大ファンだったイアン・デューリーが1977年にトリビュートした曲「Sweet Gene Vincent」を思い出すかもしれない。しかし、ジーン・ヴィンセントの他のヒット曲はどうだろうか? 1957年8月19日、ジーン・ヴィンセントにとってもうひとつの全米トップ20入りを果たした曲がシングル・チャートにランク・インしたのだ。
その曲は「Lotta Lovin’」で、ジーン・ヴィンセント&ブルー・キャップスがジェーン・マンスフィールド主演の映画『女はそれを我慢できない』で「Be-Bop-A-Lula」のパフォーマンスで出演した後、キャピトル・レコードのシングルとしてリリースされたものだ。同映画は、ロックン・ロールの描写が多く、他にもエディ・コクラン、リトル・リチャードやファッツ・ドミノを含むアーティストがカメオ出演している。
ジーン・ヴィンセントの「Be-Bop-A-Lula」に続いてリリースされた曲は「Race With The Devil」で、1週間だけ96位でチャートに登場しただけだった。その次作として「Lotta Lovin’」をリリース、この曲は当時にしては珍しく、女性の作曲家バーニス・ベッドウェルによるものだった。彼女はジーン・ヴィンセントに電話でこの曲を聴かせたと言われており、その後も彼女が制作した「Lonesome Boy」と「In My Dreams」をレコーディングしている。「Lotta Lovin’」はその後、ドン・マクリーンやジェフ・ベックなど多くのアーティストにカヴァーされている。
当時はまだBillboard Hot 100ができる1年前だったが、この原曲はBillboard誌の様々なチャートで記録を残した。1957年9月には、Best Sellers In Stores(小売店におけるベストセラー)で13位を記録し、 2週間後にはTop 100 Sidesで最高14位を記録。B面にはボビー・ダーリンと共作した「Wear My Ring」が収録されていた。
ロックン・ロールの初期の重要な人物にしては悲しいことに、ジーン・ヴィンセントはその後一度だけ全米チャート入りを果たしただけだった。1971年に胃潰瘍が破裂して亡くなったが、1998年にロックン・ロールの殿堂入りを果たした。イアン・デューリーの言葉を引用すると「白い顔、黒いシャツ、白い靴下、黒い靴…この世にジーン・ヴィンセントは彼しかいない」
Written by Paul Sexton