亡くなって今年で30年のフレディ・マーキュリー:エイズへの意識向上への貢献
フレディ・マーキュリー(Freddie Mercury)は、他の追随を許さないエンターテイナーとしての素晴らしさの故、時に彼がソングライターとしても努力家であり、クリエイティブだった点は見逃されがちだ。
彼が手掛けたのが「Bohemian Rhapsody」一曲だけで、それ以外の曲を手がけなかったとしても、そのソングライターとしての才能は充分素晴らしいが、彼が作曲したクイーンのヒット曲群には「Killer Queen」や「Crazy Little Thing Called Love(愛という名の欲望)」だけでなく、あのアンセム「We Are The Champions(伝説のチャンピオン)」も含まれている。
彼の75回目の誕生日だった2021年9月5日と、彼が亡くなってから30年となった1991年11月24日、世界中のフレディ・ファンは、一つになってフレディを祝福していた。
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フレディの仕事に対する態度、特にステージでの演出へのこだわりは、クイーンの1977年のアルバム『News Of The World(世界に捧ぐ)』40周年記念リイシューの一環で発行された、オンライン新聞での彼のコメントに如実に表れている。そのアルバムの最初のリリースの頃のコメントで彼はこう言っている。
「僕らのショーを観に来てくれる多くの人達は、いろんなもののコントラストがあることに気付いていると思う」
「僕にはいろんなことができると思いたい。単純に“オーケー、ロックンロールだ、ステージに上がってハイヒールの靴を履いて曲を演奏するんだ” なんて思ってやるのは嫌だ。僕らはいろんな違うタイプの曲をやるんだから、そういう多様な曲にトライして観客の前に出す以上は、いろんな違うフォーマットが必要なんだ」
このポイントは、2018年の映画『ボヘミアン・ラプソディ』についてブライアン・メイが語ったインタビューで更に強調されている。
「多分多くの人のフレディについて思うことや、メディアが覚えていることは『ああ、彼は派手だよね』とかいうことだろうけど、実は彼は素晴らしいミュージシャンだったってことが忘れられてると思うんだ。この映画は、彼がただひたすら偉大なミュージシャンだったという事実にちゃんと気を配って作られていると思う」
クイーンの溢れんばかりのショーマンシップを敬愛する人々にとって、1991年11月24日はフレディを失った日という悲しみに覆われた日だ。彼が病気であることは長いこと広く知られてはいたが、彼の病状がエイズによるものであることは、死去わずか24時間ほど前までは公式には発表されていない。彼が現代音楽の中で高い位置にいることは何年も前からはっきりしていたが、フレディの悲劇的な死は人類にとって損失以外の何ものでもなかった。
フレディはあの悲惨な病気が原因で亡くなった最初の有名なロック・スターだったので、彼の死によってエイズについての一般の人の意識はこれまでになく高いものとなった。少なくともこの病気の原因と症状についてのいくばくかの疑惑と誤解を除けば、彼はエイズという用語を日常的なものにして、その病気の理解を高めることに計り知れない貢献をしたといえる。
フレディの死後6ヶ月を待たずして、ブライアン・メイ、ロジャー・テイラーそしてクイーンのマネージャーのジム・ビーチは、マーキュリー・フェニックス基金を設立し、エイズへの意識向上のためのフレディ・マーキュリー追悼コンサートの実現に尽力した。
世界中76カ国の人々がこのコンサートを観て、エイズについて考え、そして唯一無二の人生を送ったフレディを祝福した。もしあなたがマーキュリー・フェニックス基金への寄付を通じて、この基金の活動への参画をご希望なら、このリンクからどうぞ。
英国国立エイズ基金(National Aids Trust)の代表であるデボラ・ゴールド氏は、フレディ没後30年にあわせて公開された英国イヴニング・スタンダード紙の特別記事の中でこう語っている。
「彼が亡くなる前の短い期間ですが、彼は自分がエイズを患っていることについてオープンでした。そして運命の時が来たとき、その瞬間をつかんで別のこと(病気への理解など)に役立てることが可能になったんです」
「クイーンの他のメンバーや彼の友人達は、マーキュリー基金と一緒に活動に取り組むことでそれを成し遂げた思います。彼らは本当に悲しく動揺するような状況を乗り越えて、そこから学んだことで世の中に大きな変化を起こすことができたのです」
Written By Paul Sexton
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