トゥパック生前最後のスタジオ・アルバム『All Eyez On Me』
CD2枚組で27曲が収録されたヒップホップ史上最も独創的なアルバム。これがアメリカだけで1,000万枚売り上げたレコードの中身だ。トゥパックの『All Eyez On Me』は1996年3月2日に全米アルバム・チャート初登場1位を記録、同時に、彼の生前最後のスタジオ・アルバムとなった。
トゥパックが25歳の時に、ラスヴェガスで銃撃により死亡する7か月前にこのアルバムは発売された。トゥパック・アマル・シャクールとしてブルックリンで誕生したこのラッパーは、4年ほどチャートを賑わし、同ジャンル史上最も影響力が大きく崇敬されるラップのリーダーとなり、それは現在も変わっていない。
彼が初めて、比較的静かなチャートインを果たしたのは、1992年のデビュー・アルバム『2Pacalypyse Now』だった。その翌年には『Strictly 4 My N.I.G.G.A.Z.』、そしてその後、彼にとって初のアメリカ・ナンバー・ワン作品となる『Me Against The World』を発表。しかしトゥパックのキャリア中最もビッグなスタジオ・レコードと言ったら、現在でも概ね『All Eyez On Me』だろう。アメリカレコード協会が米国内出荷枚数1,000万枚に与える、誉れ高いダイヤモンド・ディスクを獲得した死後2枚目の作品、1998年のベスト盤『2Pac Greatest Hits』と唯一肩を並べる作品だ。
『All Eyez On Me』には、90年代ヒップホップを当時のポップ・ミュージックに仕立てたエリート・アーティストのひとりトゥパックの当時の姿が良く表れた曲が多数収録されている。アルバムがマルチ・ミリオン・セラーの大成功を収めたことに加え、シングル5枚中の2枚、「How Do U Want It」と「California Love」が全米シングル・チャートでナンバー・ワン・ヒットになった。
アルバムはアメリカ以外では、スウェーデンでトップ5入り、またオーストラリア、オランダ、ドイツなどでトップ20入りした。『All Eyez On Me』は同アーティストにとってイギリスで初チャートインしたアルバムであり、同国では最高ランク32位だったにも拘らず、その早死によりトゥパックの放つ独特の雰囲気が高まり、アルバムはプラチナ・セラーになったのだ。
Written By Paul Sexton
『2Pac Greatest Hits』
品番:UICY-15691/2 発売日:2017年12月6日発売 価格:¥2,500 (税込)
国内盤のみ:英語歌詞・新規対訳(渡辺志保)、新規ライナー(長谷川町蔵)