ロバート・パーマーが自身の過去曲を蘇らせた『Addictions Vol.2』
ロバート・パーマーのバック・カタログから選出された楽曲と、数々のリミックスをフィーチャーした1989年のアルバム『Addictions Vol.1』は、イギリス、アメリカ、そしてオーストラリアでプラチナ・ディスクに認定されるほどの成功となった。その成功を元に、アイランド・レコードは3年後に同じ手法で『Addictions Vol.2』に挑んだ。
その時には、ロバート・パーマーはアイランドを去りEMIと契約しており、1998年の『Heavy Nova』と1990年の『Don’t Explain』で人気を博していた頃だった。1992年には新しい作品『Ridin’ High』を発表するが、その前に自身が成し遂げた著名な作品を再び振り返ることにしたのだ。
『Addictions Vol.2』は、全15曲のうち4曲以外はヴォーカルを録り直すかリミックス、または完全にリメイクされており、中でも「You Are In My System」は新しいヴォーカル、そして「Remember To Remember」は完全に再構築された。「Sneakin’ Sally Through The Alley」や「Best Of Both Worlds」などの代表曲は新しいミックスとして収録された。
アルバムのリード・シングルは、元フリーのメンバーであるアンディ・フレイザーが作曲し、もともとロバート・パーマーの1978年のアルバム『Double Fun』に収録された不朽の「Every Kinda People(邦題:愛しき人々)」の新鮮なミックスだった。当時、オリジナル曲はロバート・パーマーにとって初めての全米トップ20のヒットとなり、16位を達成したが、ロバート・パーマーの母国イギリスではラジオで多くかかり53位を達成。この新しいヴァージョンは、1992年3月7日に全英チャート入りしたが、1週間で68位へと消えてしまった。しかし、このリミックスはアメリカのアダルト・コンテンポラリーでトップ10のヒットとなり、『Addictions Vol.2』はイギリスでトップ15入りし、シルバー認定されている。アンディ・フレイザーの楽曲はさらなるカヴァーをインスパイアし、ランディ・クロフォードやジョー・コッカーがこののちにカヴァーした。
Written by Paul Sexton
ロバート・パーマー『Addictions Vol. 2』