40周年を迎えたコステロのデビュー盤『My Aim is True』
プレイボーイ誌はこう呼んだ「活発な初期ザ・ビートルズ・サウンドにザ・ローリング・ストーンズの粋なブルースを上手く混合したもの」。アメリカの音楽批評家ロバート・クリストガウはプレイボーイ誌の批評を受け、こう言った。「この男から醸し出されるオタクっぽい雰囲気が好きなんだ。彼の歌詞に魅了されるし、彼のロックン・ロールの姿勢は気に入った」。この話に出てくる男はエルヴィス・コステロ、そして語られているアルバムは1977年7月22日に発売された彼のデビューLP『My Aim is True』だ。
そのアルバムのリリースから35年経ち、エンターテインメント・ウィークリー誌はこれまでで75番目に素晴らしいアルバムと書いた。エリザベス・アーデンの化粧品メーカーで、データ・エントリーの事務員として働いていたコステロにとって、本当に素晴らしい実績だ。
アルバムはニック・ロウによってプロデュースされた。若きデクラン・マクマナス(*訳注:エルヴィス・コステロの本名)はUKツアーを行なっていた昔のニック・ロウのバンド、ブリンズリー・シュウォーツを見ていたときからニックにずっと親近感を持っていた。1976年と1977年上旬にイギリス周辺がパンク全盛期だったとき、エルヴィス・コステロとニック・ロウはロンドンのニューイントン・グリーン地区にあるパスウェイ・スタジオで作品を生み出していた。
エルヴィス・コステロは1977年3月にスティッフ・レコードから「Less Than Zero」を、その後「Alison」を含む初のシングルを制作。どちらの曲もイギリスのチャート入りは果たせなかったが、フロントマンに見えないこの男について、大物タレントの誕生とメディアがこぞって絶賛した。
当時23歳だったエルヴィス・コステロにとってはおそらく恐ろしかっただろうが、ローリング・ストーン誌はフリートウッド・マックの『Rumours(邦題:噂)』やイーグルスの『Hotel California』、そしておそらくその時の彼にとっては最も満足できるセックス・ピストルズの『Never Mind The Bollocks(邦題:勝手にしやがれ!!)』といったアルバムたちと一緒に、コステロの『My Aim Is True』をその年のベストアルバムとして年末のリストに加えた。エルヴィス・コステロのアルバムを称賛する声は近年より多くなり、2007年にはグラミー殿堂入りし、ローリング・ストーン誌が選ぶ史上最高のアルバム歴代500の中で、168位を獲得している。