1994年「ロックの殿堂」授賞式でのエルトン・ジョンの受賞スピーチ
音楽界のレジェンド、エルトン・ジョン(Elton John)と、グラミー賞11回受賞のシンガー・ソングライター、ブランディ・カーライル(Brandi Carlile)による最新コラボ・アルバム『Who Believes In Angels?』が今週4月4日にリリースされた。
この発売を記念して、エルトンが“ロックの殿堂入り”を果たした1994年の授賞式での受賞スピーチをお届けする。
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ありがとうシーモア。ありがとうアクセル。私は本当に退屈でクソッタレな子供時代を過ごしていました。もし、突然ロックンロールを初めて聴くことがなかったとしたら、どうなっていたことか……。
忘れてはいけないことですが、イギリスには何もありませんでした。イギリスで私に影響を与えた人といえば、それはただひとり、ピアノを弾く素敵な女性、ウィニフレッド・アトウェルぐらいでしょう。彼女はバルバドス出身の人で、もし彼女がいなければ……そう、リタ・ローザからも影響を受けましたが、リタはピアノ弾きではなかったので。
とにかく、この表彰式がアメリカで開かれるのはとてもふさわしいことです。なぜなら、私の人生を変えたのはアメリカの音楽だったからです。メリカに恵みあれ!
ここで、私が特に影響を受けた人々に感謝の気持ちを伝えたいと思います。リトル・リチャード、ジェリー・リー・ルイス、ファッツ・ドミノ、レイ・チャールズ、ジョージ・シアリング……ピアノを弾き、ロックンロールを演奏する人ならどんな人からでも影響を受けました。
またほかにも偉大な人たちがいます。たとえばデュアン・エディやアニマルズ、あるいはアニマルズで演奏していたアラン・プライス。アランはヴォックス・コンチネンタルのオルガンを弾いていました。「オルガン」というものは、私の人生の中では「急激な衰退」でした。あるいは「上向き」だったこともあるかもしれません[訳注: ここでの「オルガン」は「男性器」の隠語として使用されている]。
けれども子供のころからいつも行きたいと思っていた国、そして私に本当に大きな影響を与えた音楽を生んだ国からこうして表彰されることになるなんて、夢にも思っていませんでした。私は、上手に言葉を操ることができませんでした。言葉を操るのが苦手だったので、自分の表現したいこと、愛、苦しみ、怒りのすべてをメロディーで表現していました。
私には歌詞を書いてくれる人がいて、その人なしではここまで旅することもできませんでした。このステージに立って(自分一人が)表彰されるのは、ちょっとインチキをしているような気がします。なぜならバーニーがいなければエルトン・ジョンなどという者は存在しなかったのですから。
ここでバーニーをステージに呼んで、このトロフィーを授与したいと思います。バーニーと私はとても長い間コンビでやって来ました。彼のことを心から愛していますし、とにかく「ありがとう」と言いたいです。
バーニー・トーピンより一言だけ、「音楽」。
Written By uDiscover Team
エルトン・ジョン&ブランディ・カーライル『Who Believes In Angels?』
2025年4月4日発売
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