クリーム『Fresh Cream』解説:60年代で最もエキサイティングなデビュー・アルバム

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クリーム(Cream)のデビューアルバムは、1曲目「I Feel Free」の最初のコードからして全くの新しいものだった。エリック・クラプトンのパワーコードがハンドクラップとジャック・ブルースのハミングに変わり、その後、クラプトンがジャック・ブルースの頭脳的なヴォーカルとジンジャー・ベイカーの力強いパーカッションと一緒に戻ってくる。

この曲「I Feel Free」を収録し、1960年代の最もエキサイティングなデビュー・アルバムドの1つとなったアルバム『Fresh Cream』は、1966年12月9日に発売された。同月24日には全英チャートに入り、翌年5月13日にはアメリカでも発売された。

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このアルバムは、メンバー3人のブルース、ジャズ、ロックの経歴を見事に組み合わせたもので、ロック界にパワー・トリオというコンセプトを導入しつつ定義もしたラインナップであった。ただし、「パワー」という言葉を使うことによって、クリームの音楽の中にある素晴らしい繊細さ、巧みなタッチ、ユーモアのセンスを覆い隠してしまう恐れがあるかもしれない。

『Fresh Cream』が世間に登場したのは1966年12月で、アルバムには収録されなかったシングル「Wrapping Paper」でバンドが登場してから2カ月後、「I Feel Free」はアルバムと同時にシングルとして発売された。

ブルース、ロック、光と影

クリームは決してシングル・ヒットを連発するバンドではなかったが、「I Feel Free」はこの時代の決定的なシングルとなり、正真正銘の力強いブルースに加えて、アルバムは光と影に満ちたものとなった。

ブルース、クラプトン、ベイカーの3人は、ブルースの最初の妻であるジャネット・ゴッドフリーや、頻繁にコラボレートしていたピート・ブラウンと一緒に、作曲を担当。さらに彼らは、伝統的な音楽を現代のロック・オーディエンスに適応させるようとしていた。

アルバムには、ブルースの「N.S.U.」や「Dreaming」、ベイカーとゴッドフリーによる「Sweet Wine」などの新曲も収録されたが、クラプトンが自分のヒーローであるロバート・ジョンソンとマディ・ウォーターズの楽曲から「Four Until Late」と「Rollin’ and Tumblin’」を現代風にカバーしたり、ウィリー・ディクソンの「Spoonful」やスキップ・ジェームズの「I’m So Glad」をとりあげているのも、当時のオーディエンスにブルースを紹介するためだといえる。また、伝統的な「Cat’s Squirrel」やベイカーによる「Toad」のように、インストゥルメンタルの楽曲も収録された。

このアルバムは、クリスマスまでの週にUKチャートにランクインしたが、最初は39位どまりだった。しかし、このトリオのデビュー・アルバムは年明け1967年1月に上昇し、2月初旬には6位にランクイン。5月には『Fresh Cream』が198位で全米チャートに初登場し、38位にまで上昇した。このレコードは、今聴いても、当時と同じように新鮮(Fresh)である。

by Paul Sexton



クリーム『Fresh Cream』
1966年12月9日発売
LP / iTunes / Apple Music / Spotify / Amazon Music / YouTube Music



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