チャック・ベリーが逮捕直前に発売し、ストーンズがカヴァーした「Come On」

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8月3日という日は、まったく異なるふたつの理由で特筆すべきある作品の記念日だ。1961年の8月3日、チャック・ベリーはピアノで脇を固めるジョニー・ジョンソンらバンドを率いてスタジオに入り「Come On」をレコーディングしていた。

チャック・ベリーの「Come On」オリジナル・ヴァージョンはチャートに入らなかったが、1963年にザ・ローリング・ストーンズなる新人バンドがカヴァーして有名になった。「Come On」の彼らのヴァージョンは決して好評とは言えなかったが、ヒットした。しかし、チャック・ベリーのオリジナル版は彼が逮捕される直前のシングルとしても重要な意味を持っている。

チャック・ベリーの速弾きギターを堪能できるたった1分47秒と短いこの佳曲は、1961年10月にチェス・レコードからシングルとしてリリースされた。だがその当時ヒット・シングルを量産するアーティストとしての彼の姿はもうそこになかった。チャック・ベリーは「Back in the U. S. A.」を1959年の夏に小さくヒットさせて以来、全米40位圏内から遠ざかっていたのだ。チャック・ベリーが全米10位以内のヒットを生み出したのは1958年春の「Johnnie B Good」までさかのぼる。

「Come On」のB面に収録されていた「Go Go Go」はイギリスのチャートで40位にかろうじて入ったが、チャック・ベリーはそのとき未成年を連れて州境を越えた容疑で第二審に敗訴するところだった。彼は1962年2月から18か月に亘り刑に服したものの、釈放されるとキャリアを一から立て直し、いくつかのシングルやアルバムをヒットさせている。だがそれが可能だったのは、不在の間にもザ・ローリング・ストーンズをはじめザ・ビートルズビーチ・ボーイズなど、彼にあこがれるミュージシャンがベリーの楽曲と記憶を残し続けていたからだった。

Written By Paul Sexton



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