カーリー・レイ・ジェプセン「ベストヒットUSA」インタビュー:「私はいつもプレッシャーを逆に利用してきた」
小林克也氏がMCを務め1981年テレビ朝日で始まり今も最新のヒットや名曲などを紹介し続ける音楽番組「ベストヒットUSA」。現在は毎週金曜日24時からBS朝日で放送されているこの番組に登場するアーティストたちのインタビュー「STAR OF THE WEEK」を放送前に少しご紹介。
2019年7月12日(金)24時からの放送回では「Call Me Maybe」のヒットで知られ、今年10月には来日公演も決定しているカナダ出身のシンガーソングライター、カーリー・レイ・ジェプセンが登場!約4年ぶりの新作アルバム『Dedicated』での変化、曲作りへのこだわりをたっぷり語ってくれました。
新作『Dedicated』は魂と情熱を注いだアルバム
― 約4年振りのアルバム『Dedicated』!待ちわびていました。このアルバムで一番伝えたかったことは?
どうかしから。(テーマは)きちんと決めていなかったの。でも、前作『E•MO•TION』とは違うものを作りたいと思っていたし、自分の人生の出来事を正直に歌いたかった。リスナーとつながるにはそれしかないから。だからたくさん旅をして、たくさん曲を書いたわ。そうしたら、おのずと私の人生経験を反映する内容になった。特に恋愛関係のね!
― 新作で、音楽的に新たに挑戦したことは?
以前は友だちじゃない人と仕事するのが怖かった。(前作の)『E•MO•TION』を作っている時は、いい友達に囲まれていたし・・・。ただ今回は、自分でも意外な挑戦をしたの。ニカラグワで行われたライターズ・キャンプに行き、そこで一緒に曲を作る新しい友人たちを見つけたのよ。その点についてはがんばったわね。だって少なくとも私にとって、コラボレーションって恐ろしいものなの。相手を間違えると、自分の目指す方向性とかけはなれた作品ができてしまうでしょう? でも、幸運にも私が会ったのは正しい相手だった。私にはない技術や視点を持ち、制作している間、力を与えてくれたわ。
― このアルバムを作るために何曲くらい作詞・作曲をした?期間はどれくらい?
200曲くらいかしら。これは魂と情熱を注いだプロジェクトだから、長い時間をかけたの。一番没頭していた時は・・・1日に2曲書いていた。そしてその曲を長いこと寝かせた。4年の間に立ち戻って、聞き直したり、友達やバンドメンバーとリスニング・セッションをしたりして、どの曲が変わらず心に響くのか、どの曲を手放したほうがいいのかを決めたの。
ソングライターとしていつも自分を駆り立ててきた。とにかくがむしゃらに。
― 作詞・作曲の方法は経験を積むに連れ、どのような変化変化があった?
変わったわ。曲作りの技は上達していくものだし、変化もする。時に1つの型にはまってしまうこともあるけど…だからコラボレーションにもトライした。曲作りのやり方が違う人から学ぶことができるし、それによって自分の視点も変わる。私はそういう風に成長してきたと思うのよ。停滞していると感じる時は、いつも自分を駆り立ててきた。私の労働倫理はとにかく、がむしゃらに頑張り続けることなの。デビュー当初からずっとそうしてきたわ。
― 今、曲を作る上で一番影響を受けているものや人は?
誰か1人ってことはないのよ。凄いと思う人がたくさんいるから! だけど、最近リッキー・リー・ジョーンズのアルバムに心惹かれているの。制作の終盤に聴き始めたんだけど、美しくてメランコリックで感銘を受けた。
― 今回のアルバムに収録されている楽曲のミュージックビデオで一番のお気に入りは?
「Now That I Found You」の撮影は楽しかった。猫も、あのバカバカしさも!!だって信じられなかったし、ショックに近かったわよ。猫へのラブソングのビデオを撮っているなんて。だけど、私はユーモアやバカバカしさを散りばめてハッピーな感じにするのが好き。それと「Party for One」はまったく違う理由で楽しかった。あの曲を書いている時の私の人生経験をドキュメントにしたような内容だから!
― 最近一番きつかったプレッシャーはどんなこと?
実は2週間半前、プロモーションツアーに出発したんだけど、この2週間半で7カ国を回ったわ。疲れるだろうなと思ってドキドキしていたたわ。昔ほどスタミナがなくなっているから。だって引きこもって創作活動をしているのが、私にとってもっとも安らげる時なんだから。アルバム制作のサイクルの中で一番好きな時よ。だけど、プロモーションも楽しいと思えるようになった。体は疲れても、活力が得られる。人に会って触れ合って、こうしてドレスアップもできる。それが楽しいの。
日本に来た時にはチームラボボーダレスにも
曲作り以上に楽しいことなんてない!毎回魔法が生まれる感じがする。
― シンガー・ソングライターとして、今一番こだわっていることは?昔と比べると、こだわりのポイントは変わった?
変わったと思う。一番こだわっていることは、“つながり”よ。他の人へのつながり、人間へのつながり。曲作りの出発地点は個人的な出来事だけれど、恩恵や満足という意味で言えば、感じるのは私ではない。聴き手は曲を自分の人生のストーリーとして受け止める。自分の混乱やロマンスが歌われると感じる。そんな風にファンが曲につながりを感じてくれるのがうれしいの。17歳の頃初めてギターを手にとって、男の子にラブレターがわりの曲を書いた時、聴き手のことなんて頭になかった。とても個人的な曲だった。あれではつながりを感じられないと思う。今はそこをもっと意識している。
― 今誰にも負けないくらいハマっていることや物はある?
誰にも負けない何かなんてないと思う。あえていうならこのアルバムのために書いた曲かしら。私にとって、曲作り以上に楽しいことなんてないの。毎回、魔法が生まれる感じがする。部屋にいて曲作りをしている時が至福の時で、当たり前だとも思っていない。私の人生には、プレッシャーに負けてもおかしくなかったと思えるような瞬間があった。だけど私はいつもプレッシャーを逆に利用してきた。ハードワークで負のエネルギーをいつも攻撃し続けるの。
― 人生のサウンドトラックを作るとしたら?頭の曲と終わりの曲は何にする?
壮大な質問ね!!頭の曲はジョン・デンバーの「Sunshine On My Shoulders」にするわ。子供の時の思い出なの。初めて聴いた時、裏庭のハンモックで揺れながら一緒に歌った。カバーもしたんだけど、最初を飾るのは彼のバージョンよ。そして、最後の曲は… 最後が間近に迫ってないといいんだけど…未定だけど今のところ…そうね… ジョニ・ミッチェルの「Both Sides Now」かな。
カーリーのインタビューが登場するのは2019年7月12日(金)の24時からBS朝日で放送の「ベストヒットUSA」
*7月12日(金)の放送は野球中継が延長の場合、放送時間が変更になる可能性があります。放送の変更については、最新の番組表をご覧ください。
番組公式サイトはこちら。
カーリー・レイ・ジェプセン『Dedicated』
CD / iTunes / Apple Music / Spotify
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