ダイアー・ストレイツ『Brothers In Arms』がアメリカを征服
誰もが、マーク・ノップラー、そしてダイアー・ストレイツ自身でさえも1985年に彼らが新作をリリースした時に何が起きるか準備はできてはいなかった。そのアルバムは全米チャートで9週1位となり、世界でも多くの1位を獲得、グラミー賞を二つ獲得し、世界中でおおよそ3千万枚を売り上げた。1985年6月8日は『Brothers In Arms』が全米チャートに初登場した日である。
「Money For Nothing」が全米シングル・チャートで1位を獲得したので、このアルバムは、ダイアー・ストレイツに、ポップ・ラジオやMTVでも居場所を与えた。『Brothers In Arms』 はまた100万枚を達成した初のCDとなった、そして117都市、248公演のという大規模なツアーも行うことになる。全米チャート54位で初登場した同週に、イギリスでは、2週1位に在位した後で3位に落ちていたが、オーストラリアではトップに居続けた。
最近では、より管理しやすい形で、自身の名で彼の現在の輝かしいバンドと喜んでツアーを行っているが、マーク・ノップラーは1980年代半ばの甚大なスケールでのツアーは長期間続くものではないと考えている。「いつだってどこへでも行ってみたいよ、だけど、できないんだ。規模はすこし小さくしなければならない」と数年前に語った。
「こういった大規模なツアーになれてはいたけど、いくらか逃げ出したい気持ちになった、だけど本当に逃げ出すことはできない。ツアーが終わって、ようやく戻れるんだよ。だけど今は逃げ出したくなったりはしない、理にかなった長さのツアーをやりたいね。そして家にかえるんだ」。
それにも拘わらず、彼はこの1985年の記録破りの作品に収録された楽曲が、決して消えることなく人々の心に残っていることを知っている。「家にいて、自分の曲を演奏するなんてことはしないよ、だってそれは信じられないぐらいに寂しいことだから」と彼は言う。「だけど、ツアーに出て、こういった曲演奏するのを聴きたいと思っている人々を見るといいね。そうすると夢中になるよ」。
「いつもここには前進していきたい人がたくさんいる。自分もいつもそうであろうとしている。だけど、音楽をやることを止めることはできないね。これらの曲は、何人かの人の人生においては道しるべになっただろうし、とっても重要なものだと思うから」