ボン・ジョヴィ、デビュー・アルバム『Bon Jovi / 夜明けのランナウェイ』解説

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ボン・ジョヴィは、既に彼らが世界的バンドでなかった世界を思い起こすのが困難なほど、長いあいだロック界に君臨し続けている。そんな彼らがバンド名を冠したデビュー作をマーキュリー・レコードからリリースしたのは、1984年1月21日のことだった。

そのデビュー・アルバム『Bon Jovi(邦題:夜明けのランナウェイ)』は、ランス・クインとトニー・ボン・ジョヴィのプロデュースで制作された。トニー・ボン・ジョヴィはジョン・ボン・ジョヴィの従妹であるだけでなく、同作がレコーディングされたニューヨークのパワー・ステーション・スタジオのスタッフでもあった。同作は、成功を夢見る5人の若者の野心が詰まった作品だ。収録曲のほとんどはジョン・ボン・ジョヴィとその他メンバーらの共作になっており、リード・ギターのリッチー・サンボラもそのうち4曲にクレジットされている。

アルバムの中の例外で、同バンドの歴史で唯一スタジオ・アルバムに収録されたカヴァー曲が、マーク・アヴセックの「She Don’t Know Me」である。マーク・アヴセックは1980年代前半にアメリカで「Ah! Leah!(邦題:女神リーア)」や「My Girl」などのヒットを飛ばしたドニー・アイリス&ザ・クルーザーズのメンバーだった人物だ。

また、『Bon Jovi』にはバンドのサポート・ベーシストであったヒュー・マクドナルドや、ブルース・スプリングスティーンのEストリート・バンドのドラマーであるロイ・ビタン、1982年に「Fantasy」を米チャートのトップ30に送り込んだカナダ人ギタリストのアルド・ノヴァなが参加している。

シングル「Runaway」のヒット(米39位)も追い風になり、『Bon Jovi』は、米チャート43位という成功を収め、グループのブレイク後にはダブル・プラチナ・アルバムに認定されている。続くアルバム『7800° Fahrenheit』もまた控えめな成績に終わったものの、その後、ボン・ジョヴィは世界屈指の大物バンドへと成長を遂げる。

Written by Paul Sexton



ボン・ジョヴィ『Bon Jovi』
    

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