マリーナ・ショウをサンプリングしたブルー・ボーイの「Remember Me」
ブルーノート・レコードの分厚いジャズ・カタログは、現代のダンス、R&B、そしてヒップホップ・アーティストとプロデューサーのサンプリングの元として頻繁に使用されてきた。その流れで最も結実したのは、ブルー・ボーイと知られるアーティストによるもので、彼がニューヨークのジャズ・ソウル・ヴォーカル・スタイリスト、マリーナ・ショウのヴォーカルをサンプリングしたシングルは、1997年2月1日にイギリスのシングル・チャート堂々のトップ10入りを果たした。
ブルー・ボーイはDJレックス・ブラックモアのレコーディング名で、ファーム・レーベルと契約しシングル「Remember Me」を発表している。このシングルはマリーナ・ショウの1973年7月のモントレー・ジャズ・フェスティヴァルの「Woman of the Ghetto」のパフォーマンスからの一節をサンプリング。使用した個所はブルーノート・アルバムから発売された『Live at Montreux』のパフォーマンスのヴォーカルを使用しており、そのコンビネーションはこのような感じだった。
ブルー・ボーイの「Remember Me」はUKチャート9位を記録。2週目には13位に落ちてしまったものの、その後珍しく再上昇し8位を記録。曲はトップ20に8週間居続け大成功を収め、チャート入りしたその日に、業界団体BPI(英国レコード産業協会)からシルバーに認定された。
マリーナ・ショウの「Woman of the Ghetto」はその後も繰り返しサンプリングされている。2000年には、アシッド・ジャズ・アーティストのセイント・ジャーメインが、アルバム『Tourist』の収録曲「Rose Rouge」で、その後ラッパーのゴーストフェイス・キラー2010年アルバム『Apollo Kids』の「Ghetto」で使用された。
マリーナ・ショウは常に表現力に富み、深みのあるシンガーで、ブルー・ボーイのレコードが出るまでに約30年間活動していた。ニューヨーク州 ニューロシェルにマリーナ・バージェスとして生を受け、彼女の初のアルバム『Out Of Different Bags』は1967年にカデットからリリースされた。カデットからの2枚のアルバムリリースの後、1972年から76年まではブルーノートから「Woman Of The Ghetto」のライヴ・セットを含む5枚のアルバムをリリース。彼女の全米チャートにおける最初の成功は、彼女がブルーノートを離れ、コロンビアに移り、ディスコの影響を受けた「Sweet Beginnings」が62位に達したときだった。
- iTunes : マリーナ・ショウ 『Live At Montreux』
- Spotify : マリーナ・ショウ 「Woman Of The Ghetto」 from 『Live At Montreux』