絶対に観るべきクイーン過去最高のライヴ・パフォーマンス15選(全曲動画付き)

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「ステージで魔力を発揮するか否か、そのどちらかだと思う」とフレディ・マーキュリーは生前語っていた。クイーンのカリスマ的フロントマンは不思議な魔力に溢れていた。そして彼とバンドメイトのブライアン・メイ、ロジャー・テイラー、ジョン・ディーコンは、20世紀を代表する偉大なライヴ・パフォーマーだった。彼らの偉大さが実感できる、クイーンによる過去最高のライヴ・パフォーマンス15選をお届けしよう。

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15:「Let Me Entertain You」(モントリオール、1981年)

フレディ・マーキュリーが歌う「Let Me Entertain You」は、クイーン過去最高のライヴ・パフォーマンス15選のトップバッターにはうってつけの作品だ。フレディ・マーキュリーが生んだこのエネルギッシュな1曲の、極上のパフォーマンスに触れられるのは、1981年11月のモントリオール・フォーラムで観客を熱狂させたヴァージョンである。

このカナダでの素晴らしいコンサートでは、「Somebody To Love」や「Killer Queen」等、クイーンの代表曲に加え、エルヴィス・プレスリーのヒット曲「Jailhouse Rock」の心躍るカヴァーや、ライヴ初披露となる「Under Pressure」をパフォーマンスした。クイーンがモントリオールを沸かせていたこの頃、のちに映画『ボヘミアン・ラプソディ』でフレディ・マーキュリー役を演じることになるラミ・マレックは、生後僅か6ヶ月だった。(ブルーレイでも発売中→こちら

 

14:「Stone Cold Crazy」(レインボー・シアター、1974年)

ペンテコステ派教会へと姿を変えてから久しい北ロンドンの素晴らしい音楽会場“レインボー・シアター”は、ボブ・マーリー、ピンク・フロイド、デヴィッド・ボウイ、ヴァン・モリソンらによる傑作ライヴをはじめ、70年代で最も印象深いコンサートが開催された場所だった。そして、当時レインボーで行なわれた最高クラスのショウが、大絶賛された2作のアルバム『Queen II』(3月)と『Sheer Heart Attack』(11月)をリリースした1974年にクイーンが行った一連のコンサートである。ステージ上を威勢良く反り返って歩き回るフレディ・マーキュリーと、焼けつくようなギター・ワークを見せるブライアン・メイがスポットライトを浴びながら披露する「Stone Cold Crazy」(後者のアルバムに収録された、初めてクイーンの4人全員がクレジットされた曲)のライヴ・パフォーマンスはなんとも情熱的だ。

 

13:「Keep Yourself Alive」(ロック・イン・リオ、ブラジル、1985年)

フレディ・マーキュリー曰く、「Keep Yourself Alive」は“当時のクイーンを誰かに説明するのに最適な1曲”だった。バンドが1984年から85年にかけて敢行した<ザ・ワークス・ツアー>は、洗練された新コスチュームと最先端の照明機材が盛り込まれた精巧な内容のもので、その壮観なショウを生み出す彼らの能力は、1985年にブラジルで開催された<ロック・イン・リオ>でのパフォーマンスでもご覧いただける通りだ。25万人以上の大群衆の前に、2夜に渡ってヘッドライナーを務めた彼らは、「Keep Yourself Alive」等のエネルギッシュなパフォーマンスを披露した。

 

12:「Play The Game」(ミルトン・キーンズ・ボウル、1982年)

「僕は自分をクイーンのリーダーだと思ったことは一度もない」とフレディ・マーキュリーは語っていた。「バンドが上手くいっているのは僕ら4人がいるからです。最初から最後まで25%ずつ担当していて、その中でフロントに立っているが僕だというだけのことです」。

1982年にミルトン・キーンズ・ボウルで行なわれた「Play The Game」の感動的なパフォーマンスでは、クイーンのメンバーそれぞれが極めて重要な貢献をしている瞬間を堪能できる。サウンドが常に変わり続けるクイーンのヒット曲の数々を演奏するメンバー達は、個々の優れた音楽の才能を思う存分発揮しているのだ。

 

11:「Hammer To Fall」(ロック・イン・リオ、ブラジル、1985年)

ギタリストのブライアン・メイが作曲し、アルバム『The Works』に収録された「Hammer to Fall」は、1985年の<ロック・イン・リオ>のショウでも異彩を放っていた曲のひとつであり、ブライアン・メイはセンター・ステージに立ち、長いギター・プレイを披露した。この曲は映画『ハイランダー』でもフィーチャーされている。

 

10:「Under Pressure」(ウェンブリー・スタジアム、1986年)

クイーンとデヴィッド・ボウイによる素晴らしいコラボレーション「Under Pressure」(1982年アルバム『Hot Space』収録)は、この後5年間に渡って彼等のライヴでの定番ソングとなった。その中でも、バンドによるこの曲のベスト・パフォーマンスのひとつと言えば、1986年7月のある土曜の午後、ロンドンの古いウェンブリー・スタジアムで披露されたものだ。

「あの日のフレディは素晴らしかった。当時の僕らは絶頂期にありました。僕らは凄く上手くやれていて、フレディはとても魅力的でした。彼はスタジアム全体をうまく盛り上げて、見事に一体化させていました」とブライアン・メイは当時を振り返る。(DVD発売中

 

9:「White Queen (As It Began)」(ハマースミス、1975年)

1975年12月24日に、ロンドンのハマースミス・オデオンでクイーンのコンサートを観るのは、最高のクリスマス・イヴの過ごし方だったに違いない。BBCテレビで生中継された同コンサートは、バンドが大成功を収めた年の締めくくりに相応しいイベントだった。

1968年、ギタリストのブライアン・メイが手掛けた「White Queen (As It Began)」は、ロバート・グレーヴスの詩的エッセイ『The White Goddess』にインスピレーションを得たもので、ブライアン・メイにとって“完璧な女性”だった同級生についての曲でもあった。フレディ・マーキュリーはハマースミスでこの曲の優しいヴァージョンを披露し、コンサートは後にアルバムとDVDとしてリリースされた(「Bohemian Rhapsody」と「Killer Queen」の魅力的なライヴ・ヴァージョンも収録)。

 

8:「Radio Ga Ga」(ウェンブリー・スタジアム、1986年)

ドラマーのロジャー・テイラーが書いた「Radio Ga Ga」を初めて聴いたフレディ・マーキュリーは、即座にクイーンが新たな大ヒット曲を手に入れたことを悟ったという。アルバム『The Works』に収録されているこの曲は、あまりの拍手喝采のためライヴを中断せざるを得ない‘ショウ・ストッパー’として広く知られるようになった。

1986年7月にウェンブリーで披露されたヴァージョンでは、スタジアムを埋め尽くすオーディエンスの先頭に立つ上半身裸の団長フレディ・マーキュリーが、ロジャー・テイラーが生んだ喜びに溢れるこの曲を手拍子と歌で導き、スマホの動画撮影や自撮りなどが登場する遥か昔の時代にいた観客たちが夢中になってシンガロングに参加している。「僕らはいろんなタイプの人々を喜ばせることが出来るんです。そして幅広い年齢層のファンが僕らのコンサートに来てくれるようになりました。常にさまざまな冒険をし続けているんです」とフレディ・マーキュリーは語っていた。

 

7:「Friends Will Be Friends」(ブダペスト、1986年)

クイーンが1986年に敢行したマジック・ツアーの中で、最も雰囲気のあるコンサートのひとつと言えば、7月にハンガリーのネップスタジアム(元の名はフェレンク・ プスカシュ・フットボール・スタジアム)で行われたコンサートだ。クイーンはここでフレディ・マーキュリーとジョン・ディーコンによる共作「Friends Will Be Friends」の情熱的なヴァージョンを披露している。クイーンは冷戦時代の東側諸国で演奏した数少ない西欧バンドのひとつだった。この胸躍るコンサートで、彼らは「Under Pressure」とリトル・リチャードの「Tutti Frutti」のカヴァーも演奏した。(ブルーレイにて発売中

 

6:「I Want To Break Free」(ウェンブリー・スタジアム、1986年)

「ものすごく幸運なことに、何処へ行っても、観客の皆様が僕らを同じように歓迎してくれる。つまりライヴに参加するという点において、オーディエンスがひとつになってくれるんです」とフレディ・マーキュリーは語っていた。1986年7月のウェンブリー・スタジアムで、その愉快なミュージック・ビデオでも知られる「I Want To Break Free」をフレディ・マーキュリーがカリスマ的なパフォーマンスで披露した時のクイーン・ファン達の振る舞いがまさにそうだった。この曲を書いたベーシストのジョン・ディーコンは、クイーンの長所のひとつは、“4人全員が曲作りをすることだ”と明かしていた。

 

5:「A Kind Of Magic」(ウェンブリー・スタジアム、1986年)

1986年7月、金曜夜のウェンブリー・スタジアムで、フレディ・マーキュリーは彼の最もアイコニックな衣装のひとつ(バックル留めが複数付いたミリタリー・スタイルの明るい黄色のジャケットと、赤と金のパイピングがあしらわれた白いズボン)に身を包んでいた。指を鳴らしながら徐々に躍動感溢れる「A Kind Of Magic」に入っていく、この日のフレディ・マーキュリーはショウを完全に手中に収めていた。

「僕らはちょっとばかり派手ではありますが、洗練されているとも思ってる。僕らがやっている音楽は単なる大きい音でもなければ、単なるグラム・ロックでもない。ショウ・ビジネスの伝統を受け継いでいるんです」とクイーンのフロントマンは語っていた。この曲を書いたドラマーのロジャー・テイラーが、壮大なビートで演奏をまとめ上げながら、最高のパフォーマンスを披露している。

 

4:「We Are The Champions」(モントリオール、1981年)

「We Are The Champions」はクイーン最大のライヴ・アンセムのひとつであり、世界各国(ブダペスト、フランクフルト、東京等々)で素晴らしい瞬間が残されている。白いズボンと赤いネッカチーフ姿のフレディ・マーキュリーが登場する、1981年のモントリオールでのヴァージョンは見事だ。

「僕はステージで元気よくやるだけ!僕にとって大観衆の前でパフォーマンスする時の、あの高揚感は、他に匹敵するものがないほどです。オーディエンスから伝わる感情はセックスよりも素晴らしい。あの興奮が大好きで、もっともっと、もっともっと欲しいといつも思っています。僕は単純に音楽でみんなを靡かせる男なんだ」とフレディ・マーキュリーは語っていた。この「We Are The Champions」では、一流のショウマンがどこまでも爽快に歌い上げている様子がご覧いただける。

 

3:「Somebody To Love」(ミルトン・キーンズ・ボウル、1982年)

フレディ・マーキュリーは「Somebody To Love」について、「ライヴでやるのが非常に難しい曲」と表現していた。スタジオで音声が何層にも重ねられ、巧みなプロデュースが施された曲を、ステージで再現しなければならないのだから無理もない。彼はこの曲をライヴで演奏するコツについて、「曲の雰囲気をステージで上手く伝えることだ」と語っていた。

1982年7月のミルトン・キーンズ・ボウルで、フレディ・マーキュリーはこのクイーンの名曲を力強くパフォーマンスし、それを見事にやってのけた。ピアノに向かったフレディ・マーキュリーは、「みんな準備はいいかい?」と観客に呼びかけ、1976年のアルバム『A Day At The Races』のために自らが書き上げたこの曲の、8分に渡る情熱的な演奏を披露した。

 

2:「We Will Rock You」(ロック・イン・リオ、ブラジル、1985年)

フレディ・マーキュリーは生まれながらのパフォーマーだった。彼はかつて「大観衆を先導しながらステージに立つのは、厳かで気の遠くなるような感覚」だと述べていた。1985年1月、クイーンは世界がそれまで経験したことのないような大規模なミュージック・フェスティバル<ロック・イン・リオ>で2夜に渡ってヘッドライナーを務めた。

クイーンのスタジアム・アンセム「We Will Rock You」は25万人以上ものブラジル人ファンの心を鷲掴みにし、シンガロングを巻き起こした。同コンサートはグローボ放送局によってブラジル国内で放映され、各夜のショウは全世界60ヶ国以上、2億人近くが視聴した。

 

1:「Bohemian Rhapsody」(ライヴ・エイド、ウェンブリー・スタジアム、1985年)

クイーンの大作「Bohemian Rhapsody」(1976)は、1985年7月、バンドの名高い“ライヴ・エイド”でのセットリストのオープニングを飾った。「人類の大悲劇から生まれたコンサートかもしれませんが、僕らはこれを楽しい式典にしたいと思っています」とフレディ・マーキュリーはショウの前に語り、それを実行した。自らが手掛けた傑作のパフォーマンスが、目も眩むような彼らのライヴ・パフォーマンスの雰囲気を決定づけたのだ。

フレディはステージに駆け出し、会場を埋め尽くした72,000人もの観客をまるで自らの親しい友人かのように迎え入れた。ピアノの前に座り、「Bohemian Rhapsody」の最初の数音を奏で始めた時にはもう、スタジアムを完全に手中にしていた。テレビを通して世界中のオーディエンスが観ている中で演奏するというプレッシャーによって自身の長所を引き出されたフレディはこの日、同世代で最高のライヴ・パフォーマーのひとりであることを証明した。

 

Written By Martin Chilton



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