ポスト・マローンのベスト・ソング21曲:サマソニ2022ヘッドライナーによる名曲たち【動画付】

Published on

Photo: Rich Fury/Getty Images for Bud Light

今はラッパーとシンガーの境界が曖昧な時代だが、ラップとポップのあいだに位置するポスト・マローン(Post Malone)のベスト・ソングは彼が紛れもなく多彩な才能の持ち主であることを示している。ポスト・マローンはウィットに富みながら、エモーショナルなラップとアリーナでも通用するフレーズを作る超人的な能力を持ち合わせており、今の地球上で最高レベルに人気のあるミュージシャンのひとりだ。

デビュー・シングル「White Iverson」(2015年)とデビュー・ミックステープ『August 26th』(2016年)をリリースしたときから、ポスト・マローンがやがてスターになることはわかりきっていた。とはいえ彼のベスト・ソングの数々は、過去の負け犬のような境遇が下地となって生まれている。

彼を嫌う者も存在するが、彼の楽曲はそういった人間を構うことなくチャートのトップに躍り出てくる。彼は、マイケル・ジョーダンのように、取るに足らない意見や否定的な意見をすべて整理して保存し、後になってそれらを利用して新たなヒット曲を生み出す。彼に疑いの目を向ける人間たちは、「Congratulations」のような大ヒット曲の中にも登場する。しかしその手の人たちは、ポスト・マローンがスーパースターとして過ごした数年のうちにどれほど進歩したかを示す引き立て役になっているだけだ。

彼のキャリアは直線的というよりも予測不可能な方法で進んでおり、ストレートなポップ・ラップ曲から、より柔軟で独創的なものへと変化していった。彼はラッパー、シンガー、あるいはその中間的な存在としてみなされている。しかしどういう肩書きで呼ばれようと、現在の音楽業界の中でもとりわけ首尾一貫した堅実なミュージシャンのひとりであることは確かだ。それでは彼のベスト・ソング21曲をランキング形式でお届けしよう。

<関連記事>
今さら聞けない「ポスト・マローンの何がすごいのか?」
ポスト・マローンによるニルヴァーナ・トリビュート・ライブ
ポスト・マローン『Stoney』解説:デビューからいかにして自己を確立したのか


 

21位 : Zack and Codeine

ポスト・マローンのセカンド・アルバム『beerbongs & bentleys』は、グラミー賞の最優秀アルバム賞にノミネートされた。その主な理由は、「Zack and Codeine」のような曲にあった。この曲は、有名なレコード・プロデューサーであるスコット・スターチの助けを借りた軽快なナンバーだ。

 

20位 : Broken Whiskey Glass

ポスト・マローンのデビュー・アルバム『Stoney』に収録されているこの曲には、「I done drank codeine from a broken whiskey glass / 割れたウイスキーグラスからコデイン(咳止め)を飲んだ」という不朽のオープニング・ラインがある。DJスクリューを彷彿とさせるような語り口のこの曲は、まさに曲のテーマそのもののようなサウンドになっている。

 

19位 : Enemies feat. DaBaby

これはアルバム『Hollywood’s Bleeding』から生まれた4枚目のシングルで、ラッパーのダベイビーとのコラボレーション。全米シングルチャートで最高16位を記録している。

 

18位 : On The Road feat. Meek Mill & Lil Baby

この曲はポスト・マローンの3枚目のスタジオ・アルバム『Hollywood’s Bleeding』から生まれた最高のヒップホップ・チューンのひとつで、ミーク・ミルとリル・ベイビーをフィーチャーしている。ポストは昔からずっとジャンルにとらわれずに活動してきたが、この曲は彼が世界最高峰のラッパー2人と十分に肩を並べられる存在であることを証明している。

 

17位 : Burning Man (watt feat. Post Malone)

カントリー調のこの「Burning Man」は、自由奔放なネバダ州のフェスティヴァルに捧げるラブレターのような曲だ。ポスト・マローンは、砂漠に向かうワイルドな旅の道中で「ビートルズよりもたくさんのLSD」を口にしたことを詳しく語っている。

 

16位 : Life’s A Mess II  (Juice WRLD feat. Clever & Post Malone)

繊細な「Life’s A Mess II」ではポスト・マローンがソフトな面を見せており、ゲスト・ヴァースで理解と忍耐を切々と求めている。この曲は信じられないほど暗い結末を迎えるが、ポストの場合、どの作品でもそうしたドラマに出会う可能性がある。

 

15位 : Feel feat. Kehlani

2016年にリリースされた『Stoney』に収録されていた「Feel」は低音の効いたアンセムであり、巨大なサブウーファーを装備した車で深夜のクルーズを楽しむために作られた。この曲ではポスト・マローンが彼ならではのフローを披露し、歌とラップのあいだを軽やかに行き来している。ケラーニはセクシーなヴァースで登場し、ポストの引き立て役を務めている。

 

14位 : Takin’ Shots

ポスト・マローンが2018年に発表した大作『beerbongs & bentleys』の収録曲「Takin’ Shots」は、新世代の大学生のためのパーティ・アンセムだ。ミレニアル世代には「I Love College」があり、Z世代には「Takin’ Shots」があるが、このダンスにうってつけの弾むようなトラックは、これからの世代のパーティーにぴったりだ。

 

13位 : Saint-Tropez

オートチューンを繊細に使いながら、ポスティは「Saint-Tropez」で印象的なコーラスを難なく作り上げている。この「Saint-Tropez」は、聴く人をあのすばらしいサントロペ島へと誘うような曲だ。マローンはラップで彼ならではのウィットを発揮している。

 

12位 : I’m Gonna Be

ポスト・マローンが『Hollywood’s Bleeding』で生み出したヒット曲の数々はまさに驚くべき楽曲であり、「I’m Gonna Be」もその例外ではない。つまり、これはポスティの典型的な名曲の一つだ。ここでの彼は自分を嫌う人間に対して挑戦的な態度をとりつつ、自分の夢が現実的であろうとなかろうと、それを追求することを厭わない。「I’m gonna be what I want / 俺は自分が望むものになる」と彼は歌う。それを信じないわけにはいかない。

 

11位 : Take What You Want feat. Ozzy Osbourne & Travis Scott

オジー・オズボーンとトラヴィス・スコットが同じ曲に参加しているというのは、名前の組み合わせだけ見れば奇妙な感じを受ける。しかしこのふたりをポスト・マローンが結び付けたことで、「Take What You Want」は『Hollywood’s Bleeding』の中でもとりわけ優れた曲のひとつとなった。この曲では3人のパフォーマーの幅広い才能が遺憾なく発揮されている。ここでポストは、オジーのクラシック・ロックらしい威勢の良さとトラヴィスの新世代のクールさをつなげているのだ。

 

10位 :  Goodbyes feat. Young Thug

ラップ界のファンは、2019年にポスト・マローンとヤング・サグのコラボレーションの噂が真実だと確認されたときから期待を膨らませていた。そうして発表された作品は、期待を裏切らない出来栄えだった。このトラックでは、ラップ界の偉大な吟遊詩人2人が失恋の嘆きを歌っている。ここでは強烈な失恋という馴染みのない感情を反映して、サグが最高に空想的なラップを披露している。

 

9位 :  Die for Me feat. Future & Halsey

ポスト・マローンの大きな特徴のひとつは、自分の作品にゲストを招いたときにカメレオンのように変幻自在の姿を見せる点にある。「Die For Me」では、ポスティはフューチャーの暗い混沌を受け入れ、同じように薬に溺れ、元の恋人たちに悪感情を抱いている。ホールジーもすばらしい貢献ぶりを見せたこの曲は、『Hollywood’s Bleeding』の中でも傑出した仕上がりになっている。

 

8位 : Feeling Whitney

「Feeling Whitney」は、ポスト・マローンが2016年にリリースしたアルバム『Stoney』のデラックス・エディションを締めくくる楽曲だ。ここでマローンはアコースティックな側面を披露しているが、そうした面はボブ・ディランをカヴァーしていた活動初期のころからの熱烈なファンにはお馴染みだろう。この曲では、ポスティがカタルシスを感じさせるバラードを歌っている。それはメゾン・マルジェラよりもマムフォード&サンズに近いが、いずれにせよポスト・マローンであることに変わりはない。

 

7位 : Psycho feat. Ty Dolla $ign

タイ・ダラー・サインは紛れもなくR&B界で最高のクルーナーのひとりであり、彼が「Psycho」にゲスト参加したことでポスティは一段とレベルアップすることになった。「Psycho」での彼のコーラスは印象的で、これもまた『beerbongs & bentleys』収録のメガ・ヒット曲となっている。マローンはこの曲ですばらしい歌声を披露し、ビロードのような声を持つシンガーはタイだけではないことを証明している。

 

6位 : Circles

『Hollywood is Bleeding』のもうひとつのヒット曲「Circles」は、ポスティの意外なほどアップビートな曲だ。歌詞は後悔の念に駆られ、関係が悪化したことに歌っており、これまで彼が作った中でも最高の部類に入る。「季節が変わり 僕らの恋も冷たくなった/炎を燃やそう このまま消すわけにはいかないから/逃げても僕らはぐるぐる回るだけ/逃げる 逃げる」と歌っている。このコーラスのシンプルさが物語っているように、マローンは普遍的な感情を作品の中に難なく取り入れている。

 

5位 : White Iverson

ポスト・マローンがデビュー・シングル「White Iverson」をリリースした時点で、彼がメガスターになる運命にあることに私たちは気づくべきだった。マイクさばきが上手な三つ編みの白人男がラップ界のアレン・アイバーソン(NBAの名選手)と呼ばれる……というこの曲の奇抜なコンセプトは、一部の人にとっては馬鹿げたものだった。とはいえマローンの特徴であるユーモアとカタルシスの融合により、この曲はたちまち世界中のラップ・ファンを魅了した。

 

4位 : Rockstar feat. 21 Savage

ポスト・マローンが本格的なロック・スターになる前、彼はロック・スター気分になれるあれやこれやのことを歌にしていた。あとから考えれば、彼はその時点で既にロック・スターだったが、夢見る少年を責めることはできない。アンセムを歌い上げるようなヴォーカルで、ポストはスポットライトを浴びる人生の痛みと勝利を繊細に描き出していく。ここでは21サヴェージがすばらしいヴァースを披露しており、ポスティが誰とでも上手にコラボレーションできることを証明している。

 

3位 : Hollywood’s Bleeding

「Hollywood’s Bleeding」でのポスト・マローンは、幽霊に取り憑かれているように聞こえる。この曲は情感あふれる傑作で、有名人の暗黒面や、ゴシップ誌の記者、死に物狂いのファン、冷酷な業界に付きまとう重苦しさを採り上げている。ここでマローンは自分の感情をさらけ出しており、2番目のヴァースでは巧みなタイミングでサスペンスを盛り立てている。

 

2位 :  Sunflower (Post Malone & Swae Lee)

ポスト・マローンのあらゆるヒット曲の中でも、映画『スパイダーマン:スパイダーバース』の主題歌「Sunflower」は否定しようのない名曲だ。彼に疑いの目を向ける人でも、この曲を聞けば一緒に歌ってしまうはずだ。ポスト・マローンのベスト・ソングはどれもそうだが、これもシンプルなスタイルでありながら、すぐに記憶に残る。ゲストのスウェイ・リーがすばらしいパフォーマンスを披露したおかげで、この曲はポスト・マローンのベスト・ソングになり、さらには新世代のヒップホップを象徴する作品にもなった。

 

1位 : Congratulations feat. Quavo

「Congratulations」は、疑いの目で見られても、その苦境を乗り切って自分の正しさを証明したことのある人すべてに捧げられたアンセムだ。これは負け犬のためのウイニング・ランである。

「Congratulations」はポスティの楽曲の中でも最大のヒット曲かもしれない。彼の数多くの魅惑的なヒット曲の中でも、この曲は間違いなく最高にキャッチーだ。マローンは自分に対する反感を逆手にとって最高の作品を作り上げてきたが、「Congratulations」も例外ではない。

Written By Sam Armstrong




SUMMER SONIC 2022

2022年8月20日(土)・21日(日)の2日間
千葉・大阪にて開催

公式サイト


 

Share this story

Don't Miss

{"vars":{"account":"UA-90870517-1"},"triggers":{"trackPageview":{"on":"visible","request":"pageview"}}}
モバイルバージョンを終了