1998年に発売されたアルバム・ベスト67:25年前に生まれた名盤たちをランキング【動画付】

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PJ Harvey Photo: Peter Pakvis/Redferns

1998年のベスト・アルバム・リストは、この年が稀に見る豊かな実りの年だったことを反映している。さまざまなジャンルで傑作が相次いで発表されたのである。

ヒップホップでは、画期的なアルバムが次々に生まれた。たとえばローリン・ヒル、DMX、アウトキャスト、その他多くのアーティストがキャリアを代表する名盤を出している。

またエレクトロニック・ミュージックも盛んで、ボード・オブ・カナダやマッシヴ・アタックがその先頭を走っていた。そしてオルタナティヴ・ミュージックの世界では、PJハーヴェイやトーリ・エイモスが大きくクローズアップされた。つまり、素晴らしい作品が山ほど発表された’90年代の中でも、1998年はとりわけ特筆すべき年のひとつだったのである。

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67位: R.E.M.『Up』

アルバム『Up』は、R.E.M.がビル・ベリー脱退後に初めて録音したアルバムだった。とはいえこれは、さまざまな顔を持つこの伝説的なバンドの新たな一面を明らかにしていた。

 

66位: ラシッド・タハ『Diwan』

ラシッド・タハは、この『Diwan』のために自らを深く掘り下げ、攻撃性を控えたサウンドを作り上げた。その結果、これは彼のアルバムの中でも特に満足度の高いひとつとなった。

 

65位: オフスプリング『Americana』

「Pretty Fly (for a White Guy)」や「The Kids Aren’t Alright」といった曲をフィーチャーしたこの1998年のアルバムは、オフスプリングの代表的なヒット曲をいくつか収録している。

 

64位: スマッシング・パンプキンズ『Adore』

『Mellon Collie and the Infinite Sadness』の後にアルバムを作るのは、スマッシング・パンプキンズにとって恐ろしいほどの難題だったに違いない。そうして生み出されたのは、このグループがこれまで発表した中でも特に多彩なアルバムのひとつだった。

 

63位: ロビー・ウィリアムス『I’ve Been Expecting You』

この1998年のアルバムに収録されている「Millennium」は、ロビー・ウィリアムスにとって初の全英チャート・ナンバーワン・ヒットとなった。この後、さらに多くのヒット作が続くことになる。

 

62位: フガジ『End Hits』

このバンドの5枚目のスタジオ・アルバムは、彼らの最高傑作として賞賛されることはあまりない。とはいえ、大胆不敵な実験性と優れた音楽性があらわになったこのアルバムは、彼らの傑作のひとつと言っていいだろう。

 

61位: ギャングスター『Moment Of Truth』

このヒップホップ・デュオが作り上げた5枚目の強力なスタジオ・アルバムは、4年間の沈黙状態の後で発表されたので、カムバック作品と言ってもいいかもしれない。とはいえ待つだけの甲斐はあった。ここには「You Know My Steez」といった人気曲が収録されている。

 

60位: ガービッジ『Version 2.0』

ガービッジの2枚目のスタジオ・アルバムはさらにビッグで大胆なサウンドになっており、彼らのベスト・アルバムとして広く認められている。

 

59位: 98ディグリーズ『98 Degrees and Rising』

人気ボーイズ・バンド、98ディグリーズのセカンド・アルバムは、彼らならではのマジックが頂点に達した作品だった。ここにはジャンルを超えたポップな曲、中毒性の高い決めフレーズ、そして口ずさみたくなるような歌詞があふれている。

 

58位: ア・トライヴ・コールド・クエスト『The Love Movement』

ア・トライヴ・コールド・クエストは多大なる影響を及ぼしたヒップホップ・グループだった。創設メンバーのファイフ・ドーグが参加したアルバムは、これが最後となった。ここではジャズの影響を受けた音作りでさまざまな形の愛が表現されている。この作品は、情感と肉欲のあいだをたくみに行き来する、愛についての瞑想と言っていい。

 

57位: デヴィッド・グレイ『White Ladder』

ここで聞ける感傷的なラヴ・ソングは、デヴィッド・グレイのベッドルームで録音された。これらの歌には深い感情が込められており、その結果として彼はその才能にふさわしい大成功をついに収めることになった。

 

56位: ソニック・ユース『A Thousand Leaves』

1998年に発表されたソニック・ユースのアルバム『A Thousand Leaves』は、新しいスタジオを使って自由気ままに作られた。ここには無秩序で野心的な楽曲が数多く収録されている。

 

55位: トーリ・エイモス『From the Choirgirl Hotel』

トーリ・エイモスは、『From the Choirgirl Hotel』でさまざまな楽器をミックスに加えた。その結果、これは彼女のアルバムの中でも特に満足度の高い作品のひとつとなったのだ。

 

54位: トータス『TNT』

ジャズに影響を受けたシカゴのグループ、トータスは、1998年に『TNT』を発表した。これはこの年リリースされた中でも特にポスト・モダンなアルバムのひとつであり、デジタル技術がフルに活用されている。

 

53位: フェイス・ヒル『Faith』

カントリーのスーパースター、フェイス・ヒルは1998年にもこのアルバムを大ヒットさせ、引き続きポップ・チャートで成功を収め続けた。

 

52位: エルヴィス・コステロ&バート・バカラック『Painted from Memory』

このアルバムでは、ポップスとパンクのコラボレーションによって両者の絶対的な良さが引き出されていた。ここには美しいメロディーと機知に富んだ歌詞がふんだんに盛り込まれている。

 

51位: グー・グー・ドールズ『Dizzy Up the Girl』

このロック・バンドの6枚目のスタジオ・アルバムはキャッチーで洗練されたポップ・ロックが満載で、メインストリームへのアピールがたっぷり詰まっている。その好例としては、リード・シングル「Iris」やファンのあいだで人気の高い「Slide」などが挙げられる。

 

50位: イールズ『Electro-Shock Blues』

このロック・バンドのセカンド・アルバムは、大切な家族を亡くすという大きな出来事の後で制作された。その結果、重苦しいながらも印象的な作品が作り出された。この作品は、暗闇から抜け出すための方法を教えてくれる。

 

49位: マヌ・チャオ『Clandestino』

フランス/スペインの血を引いた歌手マヌ・チャオのソロ・アルバムは、多言語/マルチ・ジャンルの力作に仕上がった。その力強い政治性と音楽性は、ボブ・マーリーとも比較されるほどだった。

 

48位: マーク・ホリス『Mark Hollis』

この英国人ミュージシャンがリリースした唯一のソロ・アルバムは、ジャズ、フォーク、アンビエントといった要素を融合させた素晴らしい作品だ。ここで彼は、自らのバンドであるトーク・トークの作品世界をさらに広げ、個性的で美しいレコードを作り上げている。

 

47位: マクスウェル『Embrya』

R&Bシンガー、マクスウェルの印象派的なセカンド・アルバムは伝統に則った作風のデビュー作から大きく離れ、彼がこのジャンルのイノベーターであることをはっきりと打ち出していた。

 

46位: パール・ジャム『Yield』

パール・ジャムは1998年にこのアルバムをリリースし、衰退しつつあったグランジ・シーンから脱出した。この作品はハード・ロックとパワフルなバラードを取り入れており、彼らのアルバムの中でも特に親しみやすいもののひとつとなっている。

 

45位: プラシーボ『Without You I’m Nothing』

このロック・バンドのセカンド・アルバムは、70年代のロックやパンク・ミュージックからインスピレーションを得て、ジェンダーの境目を曖昧にする画期的なレコードを作り出している。

 

44位: ロブ・ゾンビ『Hellbilly Deluxe』

このアルバムのサブタイトルは『3 Tales of Cadaverous Cavorting Inside the Spookshow International(スプークショウ・インターナショナルの内部で繰り広げられる3つの死体騒ぎの物語)』というおどろおどろしいものになっている。それを見れば、アルバムの中身が凶暴で恐ろしいサウンドだということは十分にわかるだろう。

 

43位: ルーファス・ウェインライト『Rufus Wainwright』

このシンガー・ソングライターが1998年にリリースしたデビュー・アルバムは、ポピュラー音楽界で最高に個性的な声の持ち主のひとりが登場したことを世間に知らしめた。

 

42位: ドゥルー・ヒル『Enter the Dru』

このR&Bグループの2枚目のアルバムは、スムースなR&Bと、どことなくニュー・ジャック・スウィングを思わせるストリート・フィーリングにあふれた鋭角的なサウンドをブレンドしている。とはいえ、独自の世界を切り開くのに十分なくらい個性的な作品である。

 

41位: ディキシー・チックス『Wide Open Spaces』

カントリー・グループのディキシー・チックスがナタリー・メインズと組んで最初に作り上げたアルバムは、画期的な大成功を収めた。ここには「There’s Your Trouble」や「You Were Mine」といったヒット曲が収録されている。

 

40位: クルーダー&ドーフマイスター『The K&D Sessions』

このグループの画期的なDJミックスは、デペッシュ・モードやボーン・サグズン・ハーモニーなどの革新的なリミックスを含んでいた。今でも、リリースされた1998年当時と同じように新鮮に聴くことができる。

 

39位: アラン・バシュン『Fantaisie militaire』

このフランスのポップスターがリリースした10枚目のアルバムはヒット曲「La Nuit de Mens」を収録しており、チャートの首位に到達。大衆的な人気と評論家からの賛辞の両方を獲得した。

 

38位: ボアダムズ『Super AE』

この日本のロック・バンドが1998年に発表したアルバムには、プログレ、ノイズ、サイケといったさまざまな系統のロックを大胆に混ぜ合わせたサウンドがいっぱいに詰まっている。

 

37位: ブランディ『Never Say Never』

“ヴォーカル・バイブル”との異名を持つブランディのセカンド・アルバムには、大ヒット曲「The Boy Is Mine」が収録されている。この曲を含むいくつかの曲では、彼女の特徴であるハスキーな歌声と見事なハーモニーを存分に堪能できる。

 

36位: オニキス『Shut ‘Em Down』

このヒップホップ・グループのサード・アルバムは、メインストリームでの成功を収めつつあった頃のハードコア・ヒップホップの優れた実例である。ここには「The Worst」や「Shut ‘Em Down」といったヒット曲が収録されている。

 

35位: ジェフ・バックリィ『Sketches for My Sweetheart the Drunk』

人気シンガー・ソングライター、ジェフ・バックリーの遺作となったこのアルバムには、生前の未発表音源やデモが収録されている。そこには、彼の才能と、悲劇によって断ち切られてしまった未完のキャリアが映し出されている。

 

34位: ロイヤル・トラックス『Accelerator』

このダーディ・ロックの傑作は、ダイナミックなデュオ、ロイヤル・トラックスの絶頂期を代表する作品だ。

 

33位: キッド・ロック『Devil Without a Cause』

キッド・ロックが別のジャンルに活動を移した結果、この驚くほどハードなロック・アルバムが1998年にリリースされた。これは挑発的なアーティストが生み出した新鮮な作品であり、ユーモアと楽しさに満ちあふれている。

 

32位: パルプ『This Is Hardcore』

1998年に発表されたこのアルバムは、所々で耐えきれないほどの陰鬱な雰囲気を醸し出している。“この作品がブリット・ポップの息の根を止めた”という人も多いが、もしこれを最初から最後まで通して聴くことができるなら、この陰鬱さはほとんど予言のように感じられるだろう。

 

31位: アンクル『Psyence Fiction』

スターが勢揃いしたこのアルバムは、失敗作になる可能性もあった。とはいえ、ジェームス・ラヴェールとDJシャドウの手堅い手腕により、サウンドの一貫性と質の高さがしっかりと確保されている。

 

30位: サニー・デイ・リアル・エステイト『How It Feels To Be Something On』

このエモの代表的グループが出した1998年のアルバムは、彼らの最高傑作のひとつと言えるだろう。ここには「Pillars」や「Every Shining Time You Arrive」といった名曲が収められている。

 

29位: システム・オブ・ア・ダウン『System of a Down』

システム・オブ・ア・ダウンが1998年にリリースしたデビュー作は、この時代を代表する個性的なメタル・バンドの出発点である。

 

28位: ビースティ・ボーイズ『Hello Nasty』

ラップ・グループ、ビースティ・ボーイズは5作目のスタジオでエレクトロ、ラテン・ミュージック、ポップスなどさまざまな方面からの影響を咀嚼して、自由奔放なヒップホップのレコードを生み出している。この作品には、驚きと楽しさが同じくらい含まれている。

 

27位: ベック『Mutations』

ベックが名盤『Odelay』の次に制作したアルバムで、レディオヘッドのプロデューサー、ナイジェル・ゴドリッチと組んでいる。これは彼の作品の中でもとりわけ陽気でメロディアスな部類に入るだろう。

 

26位: ベル&セバスチャン『The Boy With the Arab Strap』

このスコットランドのバンドがリリースした3枚目のスタジオ・アルバムは、ダークで複雑な作品だ。ここには生き生きと肉付けされたキャラクターがたくさん登場する。彼らのストーリーは、見事なまでに悲劇的なものになっている。

 

25位: ファットボーイ・スリム『You’ve Come a Long Way, Baby』

ファットボーイ・スリムことノーマン・クックのセカンド・アルバムは最高に騒々しくエキセントリックなブレイクビーツであり、実にさまざまなサンプルが使われている。

 

24位: ゴメス『Bring It On』

このUKバンドのデビュー・アルバムはマーキュリー賞を受賞した。これがきっかけとなり、彼らの唯一無二のブルージーなロックがチャートを席巻していった。

 

23位: マーキュリー・レヴ『Deserter’s Songs』

このロック・バンドの4作目はオーケストラのようなアレンジと豪華な音色で仕上げられており、彼らの作品の中でもとりわけ美しく、メロディアスなものとなっている。

 

22位: プラスティックマン『Consumed』

リッチー・ホウティンことプラスティックマンが1998年に発表したこのアルバムはテクノの傑作であり、実験とミニマリズムに徹することでこのジャンルをさらに広げている。

 

21位: ホール『Celebrity Skin』

コートニー・ラヴが率いるこのバンドの1998年のアルバムは、悲しみの最中に発表された (カート・コバーンがこの世を去ったのは発売の1週間前だった) 。その心にしみるメロディーと胸を締め付けるような歌詞は、喪に服す心の内を露わにしている。

 

20位: コーン『Follow the Leader』

この有名なメタル・バンドがリリースした3枚目のスタジオ・アルバムは、全世界での売り上げ枚数が今までに数百万枚にまで及んでいる。このアルバムによってコーンはスーパースターの座にのし上がり、ニューメタルというジャンルも広く認知されることになった。

 

19位: リフューズド『The Shape of Punk to Come』

このスウェーデンのグループが1998年に発表した傑作は、「これからのパンクの姿」という題名にふさわしい内容だった。これは、ハードなエッジを持つ世界中のバンドが進むべき道を指し示していた。

 

18位: シルヴァー・ジューズ『American Water』

このアルバムはデヴィッド・バーマンの最高傑作と言える作品であり、スティーヴン・マルクマスをはじめとするさまざまなアーティストたちが重要なアシスト役を務めている。

 

17位: クイーンズ・オブ・ザ・ストーン・エイジ『Queens of the Stone Age』

カリフォルニアのロック・バンドである彼らがリリースしたこのデビュー・アルバムは最高潮に達したストーナー・ロックであり、魅惑的なソロと果てしないグルーヴがたっぷりと詰まっている。

 

16位: エール『Moon Safari』

フランス人デュオによる画期的なデビュー作は新たなテクスチャーと楽器を導入することで電子音楽を活性化させ、至福のリラックス状態を誘発した。

 

15位: エリオット・スミス『XO』

シンガー・ソングライターがリリースした4枚目のスタジオ・アルバムは、おおらかで切ない内容になっている。ここには心に響く曲がたくさん収録されており、10年以上経った今でも当時と同じように力強い印象を与える。

 

14位: ジュヴィナイル『400 Degreez』

ニューオーリンズ出身のラッパー、ジュヴィナイルが出したこのベストセラー・アルバムには、クラブの定番曲「Back That Azz Up」が収録されている。このアルバムによって、キャッシュ・マネー・レコードは一目置かれるレーベルになった。

 

13位: ルシンダ・ウィリアムス『Car Wheels on a Gravel Road』

シンガー・ソングライターのルシンダ・ウィリアムスが出した5枚目のスタジオ・アルバムでは、南部特有の場所や情景がふんだんに描かれている。それを盛り上げるのが、彼女ならではの独特なヴォーカルと完璧な音作りである。

 

12位: ジェイ・Z『Vol. 2… Hard Knock Life』

1998年に発表されたこのアルバムは、リード・シングル「Can I Get A…」が大ヒットしたおかげで、ジェイ・Zは初めて全米アルバムチャートで首位を獲得した。そのおかげでこのラッパーは、単なる話題のアーティストからスーパースターに変身することになった。

 

11位: マドンナ『Ray of Light』

「ポップの女王」による7枚目のアルバムは、過去10年間のポップなサウンドから一転して、内省的でスピリチュアルな内容に変化した。その結果、彼女がこれまで発表した中で最も成功したアルバムのひとつとなった。

 

10位: マッシヴ・アタック『Mezzanine』

トリップ・ホップのパイオニアが1998年に発表したこのアルバムは、予想通り刺激的でダークな仕上がりになっている。とはいえ、強度と視野の広さという点でトリップ・ホップというジャンルを超越していた。その結果、これはブリストル・シーンから生まれた最高のレコードのひとつとなった。

 

9位: キャットパワー『Moon Pix』

このシンガー・ソングライターの傑作アルバムには、猛烈なまでに親近感を抱かせる曲が並んでいる。そうした楽曲は時としてソウルフルで、瞑想的で、メランコリックな雰囲気を醸し出している。

 

8位: ボブ・ディラン『Live 1966: The “Royal Albert Hall”Concert』

ブートレグのライヴ録音が元になったこの2枚組CDは、名シンガー・ソングライター、ボブ・ディランが演奏したエレクトリックとアコースティックの楽曲を両方収録。これは、ロックの歴史に残る貴重な記録だと広く認められている。

 

7位: ニュートラル・ミルク・ホテル『In the Aeroplane Over the Sea』

このインディー・ロック・バンドのセカンド・アルバムは、アンネ・フランクの生涯がヒントとなって生まれた。この作品は、非凡な人生の輝きと早すぎる死の悲惨さを説得力を持って表現している。

 

6位: DMX『It’s Dark And Hell Is Hot』

ニューヨークが生んだ今は亡きラッパーのデビュー・アルバムは、題名からもわかるとおり不気味で波乱含みだった。この作品は、ラップというジャンルの中でも飛び抜けて偉大なショーマンのひとりを世に知らしめた。

 

5位: アウトキャスト『Aquemini』

ヒップホップというジャンルにおいて、この作品ほどの衝撃を持つアルバムはそうそう見あたらない。アンドレ・3000とビッグ・ボーイのインタープレイやアトランタならではの雰囲気が満載されたこのアルバムによって、アメリカ南部のヒップホップは有名になった。そう言っても過言ではないだろう。

 

4位: ブラック・スター『Mos Def & Talib Kweli Are Black Star』

このデュオのデビュー作は、現在までにリリースされた彼らの唯一のアルバムとなっている。これに続く待望の2弾が出るという噂は、もはやヒップホップ界の伝説と化している。このアルバムでは、印象的なサウンドに乗って2人が濃密でスリリングなライムを披露している。名作として広く知られているのも当然と言えるだろう。

 

3位: ボード・オブ・カナダ『Music Has the Right to Children』

スコットランドのエレクトロニック・デュオによるデビュー・アルバムは、サイケデリック・ミュージックやノスタルジアからヒントを得た結果、時代を超えた名作となった。以後この作品は、数えきれないほど多くのミュージシャンに影響を与えている。

 

2位: PJハーヴェイ『Is This Desire?』

異色の個性を持つアーティスト、PJハーヴェイが1998年に発表したこのアルバムは、この種の作品の常識を覆し、語り手をひとりに限ることなく複数の視点からストーリーを描き出している。ここでの彼女はさまざまなキャラクターになりきって、自らの物語を語っている。またこのアルバムには、彼女の大ヒット曲のひとつとなった「A Perfect Day Elise」が収められている。

 

1位: ローリン・ヒル『The Miseducation of Lauryn Hill』

ローリン・ヒルのこの画期的なアルバムは、聴く者に何かを与え続ける天からの贈り物のような作品である。ここで彼女は愛、喪失感、そしてコミュニティに関する時代を超えた考察を披露している。さらには、息を呑むようなヴォーカルとラップをシームレスにブレンドしている。こんな作品は他に例がない。

Written By Sam Armstrong



 

 

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