1983年に発売されたアルバム・ベスト67:40年前に生まれた名盤たちをランキング【動画付】
1983年に発表された名作群は、ポピュラー音楽界に起きていた変化を映し出している。
当時、世界屈指の人気バンドだったポリスは、その作品の中でパンク、ニュー・ウェーヴ、レゲエの要素を融合。ライオネル・リッチーは、“ソフトなソウル・ミュージック”と呼ぶべきジャンルの完成形を提示した。また、R.E.M.が驚くべき傑作を立て続けにリリースし始めたのもこの年からだった。
要するに、音楽シーンは“何でもあり”の不思議な時代を迎えていた。このランキングが読者にとって、不可能など存在しなかったこの一年を掘り下げるきっかけになれば嬉しく思う。
各アルバムの代表曲を収録したプレイリストを公開中(Apple MusicとSpotifyはこちら)。
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67位:KISS『Lick It Up (地獄の回想) 』
彼らがメイクを落として素顔を見せた作品として特に知られている『Lick It Up』は、大きなスケールのギター・リフ、仰々しい楽曲といったKISSらしい音楽の特徴がそのまま表れたアルバムである。
66位:スパンダー・バレエ『True』
かの有名なコンパス・ポイント・スタジオで制作されたグループの3rdアルバム。この作品で彼らは、ニュー・ロマンティック調の作風を捨て、ポップやR&Bに接近。彼らにとって最大のヒット・シングルである「True」も同作から生まれた。
65位:タンジェリン・ドリーム『Hyperborea』
タンジェリン・ドリームがヴァージン・レコードから発表したレーベル移籍前最後の作品にして、新技術を積極的に導入しようという彼らの熱意が顕著に表れた1作。同作で彼らは、サンプリング波形を扱えるコンピューターを音楽制作にいち早く取り入れた。
64位:アズテック・カメラ『High Land, Hard Rain』
スコットランド出身のシンガー・ソングライターによるデビュー・アルバム。愉快で陽気なだけでなく、ジャンルに縛られない自由奔放な作風を特徴とする80年代ジャングル・ポップの代表作である。
63位:ビリー・ブラッグ『Life’s A Riot With Spy Vs Spy』
UK出身のアーティスト、ビリー・ブラッグのデビュー作。社会問題への高い意識、地に足の着いた視点、無骨なサウンド、というフォーク・パンクの傑作に必要とされる条件をすべて満たすアルバムだ。
62位:ブライアン・アダムス『Cuts Like A Knife』
カナダ出身のロック・シンガーであるブライアン・アダムスが、いよいよ波に乗り始めた通算3作目のスタジオ・アルバム。彼の自信が表れたキャッチーで心地よいポップ・ロック・サウンドは、聴く者の心を癒してくれる。
61位:コクトー・ツインズ『Head Over Heels』
スコットランド出身のグループによる1983年作は「Sugar Hiccup」や「Musette And Drums」などの名曲を収録し、前作より格段にライトな作風となった。優美で洗練された次作以降の音楽性をすでに予感させる1作である。
60位:エルトン・ジョン『Too Low For Zero』
7年の時を経て、エルトン・ジョンが作詞家のバーニー・トーピンと再び全曲で手を組んだ1作。コンビの復活は見事に奏功し、壮大かつ大胆で、この上なく楽しいアルバムに仕上がった。
59位:マリリオン『Script For A Jester’s Tear (独り芝居の道化師)』
ネオ・プログレッシヴ・ロックの代表格であるマリリオンのデビュー・アルバム。リリース当時は時代錯誤といわれることもあったが、高い演奏技術とシアトリカルな味わいにより、いまでは世代を問わず愛される作品になっている。
58位:ミニットメン『What Makes A Man Start Fires?』
ハイスピードな1曲「Bob Dylan Wrote Propaganda Songs」などを収めたミニットメンの1983年作。多様な音楽性を包含した懐の深い作風で、彼らにしか作れないパンク・ロックが展開される。
57位:ロバート・プラント『The Principle Of Moments』
「In The Mood」や「Big Log」などのヒット曲を収録した2ndアルバムで、ロバート・プラントはシンガー・ソングライターとしての力量を見せつけた。彼はこの作品でレッド・ツェッペリンの幻影を振り払い、独立したひとりのアーティストとして確かな地位を築いたのである。
56位:ソーシャル・ディストーション『Mommy’s Little Monster』
パンク・バンドであるソーシャル・ディストーションのデビュー作は、たった1日で録音された。だがその事実が示しているのはアルバム制作における“産みの苦しみ”ではなく、彼らが明確なビジョンとすばらしい演奏技術を持っていたということである。
55位:ストレイ・キャッツ『Rant N’ Rave With The Stray Cats』
「(She’s) Sexy + 17」や「I Won’t Stand in Your Way (涙のリトル・ガール)」を収録した、ロカビリー・バンド、ストレイ・キャッツの1983年作。それまでの傑作群に続き、このアルバムも実に見事な出来栄えだった。
54位:The B-52’s『Whammy!』
ニュー・ウェーヴ・バンドである彼らのこのアルバムには、ファンキーなリズムに乗せてシンセが多用される80年代ポップの魅力が詰まっている。
53位:チャランジット・シン『Synthesizing: Ten Ragas To A Disco Beat』
ボリウッド映画界のセッション・ミュージシャンによる作品。リリース当時は大きな話題にならなかったものの、以降、アシッド・ハウスの草分け的作品として高く評価されるようになった。
52位:オジー・オズボーン『Bark At The Moon (月に吠える)』
新たなギタリストを迎え、作品の質も向上した『Bark At The Moon』で、オジー・オズボーンは彼独自のポップ・メタルの完成形を提示した。
51位:メン・アット・ワーク『Cargo』
オーストラリア出身のメン・アット・ワークが1983年に発表した2ndアルバム。前作よりヘヴィな作風にはなったが、非の打ちどころのないポップ・センスも健在である。
50位:ソニック・ユース『Confusion Is Sex』
唯一無二のバンドによるデビュー作は、ノー・ウェーヴのジャンルを代表する1作になった。同時に、1980年代のニューヨークにおけるアングラ・シーンを象徴するアルバムである。
49位:ブライアン・イーノ『Apollo: Atmospheres And Soundtracks』
ブライアン・イーノはアンビエントな電子音を用いたアルバムで、月面を歩く非日常的な感覚を表現しようとした。結果として無重力感のある浮世離れしたサウンドに仕上がった同作は、まさに荘厳と形容するに相応しい傑作である。
48位:ピンク・フロイド『The Final Cut』
彼らが1983年に発表したこのアルバムを堪能するには、繰り返し聴き込んで深く味わう必要がある。ただ、同作の濃密な歌詞世界や難解な作風には、その時間と労力に見合うだけの価値があるのだ。
47位:レインボー『Bent Out Of Shape』
UKで結成されたレインボーによる、通算7作目となるスタジオ・アルバム。ラジオを通して大きな人気を博した「Street Of Dreams」からも明らかな通り、キャッチーな魅力もたっぷり含んだハード・ロックの名作である。
46位:ティアーズ・フォー・フィアーズ『The Hurting』
UK出身の同グループによるデビュー作。冷たい音色のシンセや唸るような低音に乗せて、不幸な子ども時代における心の苦しみが歌われている。
45位:ディオ『Holy Diver (情念の炎)』
ヘヴィ・メタル・シンガーのロニー・ジェイムズ・ディオが、ブラック・サバスからの脱退直後に自身の名前を冠して結成したバンド、ディオ。そのデビュー・アルバムは、「Rainbow In The Dark」や「Don’t Talk To Strangers」などの名曲を収めたポップ・メタルの傑作となった。
44位:エコー&ザ・バニーメン『Porcupine』
ポスト・パンク・バンドである彼らの3rdアルバムはリリース当時、賛否両論を巻き起こした。だが時間が経つにつれ、その怪しげなサウンドや魅惑的な歌詞世界が好意的に捉えられるようになり、いまでは彼らの代表作のひとつに数えられている。
43位:ボブ・シーガー&ザ・シルヴァー・ブレット・バンド『The Distance』
ボブ・シーガーの特徴的な歌声がリードする『The Distance』には、人間の悲哀や古き良きロックンロールの精神が詰まっている。
42位:ウーマック&ウーマック『Love Wars』
『Love Wars』は、愛と喪失をテーマにした感動的な楽曲が満載のアルバムだ。この作品で、ウーマック&ウーマックのふたりは史上屈指のソウル・デュオとしての地位を確かなものにした。
41位:フィリップ・グラス『Koyaanisqatsi』
1982年の同名映画『コヤニスカッツィ/平衡を失った世界』(原題:Koyaanisqatsi)にフィリップ・グラスが提供したサウンドトラックは、聴くたびに新たな発見のある驚異的なミニマル・ミュージック作品である。
40位:リプレイスメンツ『Hootenanny』
リプレイスメンツの本作は、カントリーやブルース、ロックなどをいびつに融合させた1作。遊園地のアトラクションのような愉快で可笑しな作風の同アルバムで、彼らは新たなリスナーを多く獲得することになった。
39位:シン・リジィ『Thunder And Lightning』
アイルランド出身の同グループによる現時点でのラスト・アルバム。ヘヴィ・メタルやハード・ロックに接近したサウンドで、最終作にして激しくスリリングな作品となった。
38位:X (エックス)『More Fun In The New World』
南カリフォルニア出身のロック・バンドの4thアルバム。1980年代のアメリカ社会に対して当時の若者たちが抱いていた幻滅感や病的なほどの不信感を鮮やかに描いた衝撃作である。
37位:オーケストラル・マヌーヴァーズ・イン・ザ・ダーク(OMD)『Dazzle Ships』
陰鬱だが派手やかで、かつ先鋭的な音楽性をもつOMDは、80年代を代表するニュー・ウェーヴ・バンドだった。そんな彼らが1983年にリリースした『Dazzle Ships』は、芸術性に秀でた鮮烈なアルバムである。
36位:ユーリズミックス『Touch』
「Who’s That Girl?」などのヒット曲を収め、チャートの頂点に輝いたポップ・デュオ、ユーリズミックスの1983年作。このアルバムで彼らは、英国ニュー・ウェーヴ・シーンの牽引役に躍り出た。
35位:マルコム・マクラーレン『Duck Rock (俺がマルコムだ!)』
ジャンルに囚われず幅広い音楽性を貪欲に取り入れたマルコム・マクラーレンの1983年作。ヒップホップの基本要素であるラップやスクラッチなどを同ジャンルに馴染みのないリスナーにも広めたことから、ヒップホップの初期の名作としても認められている。
34位:クワイエット・ライオット『Mental Health (メタル・ヘルス〜ランディ・ローズに捧ぐ〜)』
メタル・バンド:クワイエット・ライオットによる3作目のスタジオ・アルバムは、メタルのアルバムとして初めて全米アルバム・チャートの頂点に輝き、世間一般における同ジャンルの人気を高めた。
33位:スレイヤー『Show No Mercy』
スラッシュ・メタルの代表格であるスレイヤーによるデビュー・アルバム。いまにもスターダムにのし上がろうとしているバンドの荒々しく無軌道なエネルギーが感じられる初期の1作である。
32位:ドナ・サマー『She Works Hard For The Money』
ドナ・サマーは1970年代にディスコ・サウンドのヒット曲を次々に放ち、ダンスフロアを手中に収めていた。この『She Works Hard For The Money』は、そんなサマーが80年代に入っても記憶に残るヒット曲を生み出せることを証明したアルバムだ。
31位:ボブ・ディラン『Infidels』
ダイアー・ストレイツのマーク・ノップラーがプロデュースの大部分を手がけた、ボブ・ディランの1983年作。このアルバムはディランが宗教と関係のない音楽作りに回帰した1作で、「Jokerman」や「Sweetheart Like You」など、ポップ/ロック調の人気曲がいくつも収められている。
30位:坂本龍一『Merry Christmas, Mr. Lawrence (戦場のメリー・クリスマス)』
大島渚が監督を務め、デヴィッド・ボウイのほか坂本自身も出演した同名映画のサウンドトラック。優美かつ心揺さぶる感動的な音楽作品で、映画そのものをしのぐ完成度を誇っている。
29位:高田みどり『Through The Looking Glass (鏡の向こう側)』
日本の作曲家として名高い高田みどりのデビュー・アルバムにして、実に革新的なアンビエント・ミュージックが展開される1作。アジアとアフリカのスタイルを融合させたパーカッションの演奏に心を奪われる。
28位:カメレオンズ『Script Of The Bridge』
UK出身のグループ、カメレオンズのデビュー作。鮮烈な叙情性や優れたプロデュース力が発揮されたポスト・パンクの傑作である。
27位:モトリー・クルー『Shout At The Devil』
今やヘヴィ・メタル界の大物であるモトリー・クルーが1983年にリリースした同作は、彼らのブレイクのきっかけになった。これを足掛かりとして、彼らはその後のヘヴィ・メタル・シーンにおいて圧倒的な影響力を持つようになっていった。
26位:ビッグ・カントリー『The Crossing』
批評家から絶賛された「Harvest Home」などを収録した、スコットランド出身のグループのデビュー・アルバム。心揺さぶるロック・アンセムとバグパイプの音色が堪能できる同作で、彼らは一躍ケルティック・ロック・ムーヴメントの牽引役となった。
25位:トーキング・ヘッズ『Speaking In Tongues』
アート・ロックやパンクを基調としつつ、そこにファンクやゴスペルの要素を加えたトーキング・ヘッズの『Speaking In Tongues』は、聴いていて不思議な高揚感を得られる1作だ。
24位:スティーヴィー・レイ・ヴォーン『Texas Flood (テキサス・フラッド~ブルースの洪水)』
ブルース・ロックの象徴的存在であるスティーヴィー・レイ・ヴォーン。そんな彼による同アルバムは、世間一般の間でのブルース人気の復活に貢献した記念すべき1作である。同ジャンルがアメリカ文化の重要な一部分であることを広く再認識させた傑作といえよう。
23位:アイアン・メイデン『Piece Of Mind (頭脳改革)』
UK出身のヘヴィ・メタル・バンドによる作品。シングル「Flight Of Icarus (イカルスの飛翔)」の大ヒットもあり、この作品で彼らは、カルト的人気を誇るバンドからアメリカのラジオに欠かせないグループへと飛躍を遂げた。
22位:ZZトップ『Eliminator』
「Gimme All Your Lovin’」や「Sharp Dressed Man」といった定番ナンバーを収録するこのアルバムは、ロック界の大ベテランである彼らにとってこれまでで最大のヒット作となっている。
21位:メイズ・フィーチャリング・フランキー・ビヴァリー『We Are One』
フロントマンであるフランキー・ビヴァリーのカリスマ性と、各メンバーの高い演奏技術が堪能できる『We Are One』は、ジャズ寄りのソウル・ミュージックの完成形といえる作品。中でも「Joy And Pain」や表題曲の「We Are One」は、現在でも愛され続ける名曲である。
20位:サイボトロン『Clear』
デトロイト・テクノ・シーンが生んだこの名作の未来的な響きは、いまでも1983年当時から一切色褪せていない。現在のエレクトロニック・ミュージック界を担うアーティストたちにも影響を与え続けている1作だ。
19位:フーディーニ『Whodini』
80年代前半のラップ界を代表するスーパースターであるフーディーニ。彼らが1983年に発表したセルフ・タイトルのデビュー作は、誰にでもわかりやすい巧妙なライムやキャッチーなビートが満載のアルバムである。
18位:カルチャー・クラブ『Colour By Numbers』
ポップやレゲエ、ニュー・ウェーヴなどを融合させた華やかなサウンドが持ち味のカルチャー・クラブ。彼らは「Karma Chameleon (カーマは気まぐれ)」などの大ヒットもあって、80年代のシーンを席巻した。
17位:ヒューイ・ルイス&ザ・ニュース『Sports』
高揚感のあるアンセム調の楽曲が詰まったヒューイ・ルイス&ザ・ニュースの『Sports』には、「The Heart of Rock n’ Roll」や「I Want A New Drug」など、長年愛され続けるヒット曲も収められている。
16位:シンディ・ローパー『She’s So Unusual』
シンディ・ローパーの『She’s So Unusual』は、クセのある作風と、甘口になり過ぎることも厭わないポップなサウンドが特徴の1作。「Girls Just Want to Have Fun」や「Time After Time」といった不朽の名曲の力もあって、ヒット・チャートで目覚ましい成績を残した。
15位:トム・ウェイツ『Swordfishtrombones』
「Shore Leave (束の間の休暇)」や「In The Neighborhood」といった楽曲での劇的で芝居がかったアプローチにより、『Swordfishtrombones』はトム・ウェイツの作品群の中でも特に鮮烈かつ愉快なアルバムに仕上がっている。
14位:デヴィッド・ボウイ『Let’s Dance』
ナイル・ロジャースが共同プロデュースを務め、傑出した表題曲でも知られるデヴィッド・ボウイのアルバム。彼が特異なロック・スターから、ダンス・ポップの象徴的存在へと見事な変貌を遂げたアルバムである。
13位:デフ・レパード『Pyromania (炎のターゲット)』
デフ・レパードによる3作目のスタジオ・アルバム。「Photograph」や「Rock Of Ages」といったヒット曲からも明らかなように、彼らがラジオ向きのサウンドへとさらに接近した1作である。
12位:マイナー・スレット『Out Of Step』
1983年に発表されたこの驚くべき作品が特別なのは、これが彼らの残した現時点で唯一のアルバムだからではない。これが、アメリカのハードコア音楽全体に多大なる影響を与えたアルバムだからである。
11位:メタリカ『Kill ‘Em All』
メタル界を代表するバンドであるメタリカは、デビュー作で早くもその実力を世間に知らしめた。同作は、スラッシュ・メタルのすばらしさが顕著に表れたアルバムである。
10位:ニュー・オーダー『Power, Corruption & Lies (権力の美学)』
ジョイ・ディヴィジョンの元メンバーたちが、パラダイス・ガレージやダンステリアといったニューヨークの有名ナイトクラブでの夜遊びに着想を得て制作した1作。彼らが夢中になっていたナイトクラブに合う、エレクトロ・ポップの傑作に仕上がった。
9位:U2『War (WAR [闘] )』
名曲「Sunday Bloody Sunday」を収録した、唯一無二のグループによる3rdアルバム。恐れを知らない政治的なメッセージや激しく熱烈なサウンドなども相まって、ポップ・ミュージックを再び勢いづかせた作品である。
8位:アル・ジャロウ『Jarreau』
ベテラン・シンガーのアル・ジャロウによる『Jarreau』は、ジャズとクールな80年代風のソウルが見事に融合した名作。ジャロウは「Will Be Here For You」のようなバラードも、「Step By Step」や「Blacks And Blues」のようなグルーヴィーなダンス・チューンも、のびのびと器用に歌いこなしている。
7位:ポインター・シスターズ『Break Out』
「Jump (For My Love)」「I’m So Excited」「Neutron Dance」という大ヒット曲の影に隠れがちだが、ポインター・シスターズが発表したアルバム『Break Out』にはほかにも、「Automatic」や、もっと評価されるべきブギー・ナンバー「Telegraph Your Love」など佳曲が目白押しである。
6位:ヴァイオレント・ファムズ『Violent Femmes』
ヴァイオレント・ファムズが1983年に発表したセルフ・タイトル作。風変わりだが愛らしい魅力のある楽曲群に、パンクの特徴である限りないエネルギーが込められたアルバムである。中でも、大ヒットとなった「Blister In The Sun」や「Gone Daddy Gone」などは時代を超える名曲であり続けている。
5位:ハービー・ハンコック『Future Shock』
ジャズ界の第一人者であるハービー・ハンコックは、1983年の同作から“エレクトロニック・ファンク期”に突入。グランド・ミキサーD.STを迎えた名曲「Rockit」もこのアルバムに収録されている。
4位:マドンナ『Madonna』
「Lucky Star」「Borderline」「Holiday」などを収録した、マドンナによる1983年のデビュー作。質の高い直球勝負のポップ・サウンドやダンスフロアにぴったりのグルーヴが特徴的な傑作である。
3位:ライオネル・リッチー『Can’t Slow Down』
『Can’t Slow Down』は、爽やかでポップなソウル・サウンドにより一世を風靡した名盤。「Hello」と「All Night Long」という大ヒット・シングルも収められている。
2位:R.E.M.『Murmur』
名曲「Radio Free Europe」も収められた、オルタナティヴ・ロック・バンド、R.E.M.のアルバム。デビュー・アルバムとしてはロック史上屈指の完成度を誇る名作である。
1位:ポリス『Synchronicity』
ポリスが初めて全米1位を獲得した作品にして、現時点での彼らのラスト・アルバム。最終作という点を考えるとほろ苦いアルバムにも聴こえてくるが、いずれにしても、驚くべきキャリアの締めくくりに相応しい名盤であることに変わりはない。
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