uDiscoverlist
1979年に発売されたアルバム・ベスト68:45年前に生まれた名盤たちをランキング【動画付】
1979年の名作アルバムの数々を振り返ると、パンク、R&B、ディスコなどなど幅広いジャンルの作品が入り乱れ、1970年代末期の音楽シーンが多様性に満ちていたことがよく分かる。そのリストには、パンク、ポスト・パンク、R&B、ディスコ、ファンクなどなど実に幅広いジャンルの作品が並んでいるのだ。しかも、中にはポリスやクラッシュのように、一つのバンドの作品に複数のジャンルが内包されている場合もある。
また、ドナ・サマーがキャリアを代表する名作を発表し、フリートウッド・マックが綿密に練り上げられた大傑作に続く長大なアルバムをリリースしたのもこの年のことだった。
つまるところ1979年発表のアルバムの中には、どんな音楽ファンでも一つは好きな作品があるはずだ。ここでは、私たちの選ぶ名作の数々をランキング形式でご紹介しよう。
<関連記事>
・【動画付】1973年に発売されたアルバム・ベスト65
・【動画付】1974年に発売されたアルバム・ベスト68
・【動画付】1978年に発売されたアルバム・ベスト72
・【動画付】1983年に発売されたアルバム・ベスト67
・【動画付】1984年に発売されたアルバム・ベスト67
・【動画付】1988年に発売されたアルバム・ベスト66
・【動画付】1993年に発売されたアルバム・ベスト71
・【動画付】1994年に発売されたアルバム・ベスト69
・【動画付】1998年に発売されたアルバム・ベスト67
・ベスト・アルバム・ランキング記事一覧
68位:アンジェラ・ロロ『Angela Roro』
ブラジルのシンガー・ソングライター、アンジェラ・ロロのデビュー作。ポップやロックにブルースの要素を少しばかり加えたようなサウンドの同作は、驚くほど率直で繊細な内容のアルバムだ。
67位:ブラック・ウフル『Showcase』
有名レゲエ・グループの1979年作『Showcase』には「Guess Who’s Coming To Dinner」や「Natural Reggae Beat」など、彼らのキャリアを代表するシングル曲がいくつも収められている。
66位:ボブ・ディラン『Slow Train Coming』
ボブ・ディランがキリスト教に改宗して初めて発表したこのアルバムは、宗教性が前面に出ていたことで多くのリスナーを驚かせた。しかしリリース時の衝撃が時とともに薄らいでいくと、神への傾倒により彼の曲作りや巧みなギター演奏にキレが戻ったことを多くの人が評価するようになった。
65位:バズコックス『A Different Kind Of Tension』
パンク・ロック・バンドのバズコックスによる3作目のスタジオ・アルバムにして、最高傑作の呼び声が高い1作。若々しさを感じる明るくエネルギッシュなその作風は、のちのポップ・パンク・サウンドの先駆けといえるもので、同ジャンルを牽引することになるグリーン・デイらの作品にも通じるところがある。
64位:チープ・トリック『Dream Police』
大きな成功を収めたライヴ・アルバム『At Budokan (チープ・トリックat武道館) 』に続いて絶妙なタイミングでリリースされた1作。タイトル・トラックや「Gonna Raise Hell」などの人気曲を含む同作で、彼らはスーパースターとしての地位をさらに揺るぎないものにした。
63位:デイヴ・エドモンズ『Repeat When Necessary』
ウェールズ出身のロック・ミュージシャンであるデイヴ・エドモンズが、前作に続きロックパイルの面々とともに制作したアルバム。昔ながらのロックやパブ・ロックなど幅広い曲調の楽曲群を、カリスマ性と気品の漂う演奏で纏め上げた同作にはほとんど欠点が見当たらない。
62位:アン・マレー『New Kind Of Feeling (愛のフィーリング)』
カナダのシンガー、アン・マレーによる13作目のスタジオ・アルバム。このアルバムに収められている「Shadows In The Moonlight (月影のふたり)」と「I Just Fall In Love Again (思い出にさようなら)」はいずれも、シングルとしてカントリー・チャートでヒットを記録した。
61位:エレクトリック・ライト・オーケストラ『Discovery』
イギリスのロック・バンド、エレクトリック・ライト・オーケストラがチャートの首位に送り込んだ1979年作。ヒット・シングル「Don’t Bring Me Down」を含む同作は、大衆受けする魅力と革新性を絶妙なバランスで両立させたアルバムである。
60位:グレアム・パーカー&ザ・ルーモア『Squeezing Out Sparks』
パーカーによる4作目のスタジオ・アルバムは、どこまでも痛烈でキャッチーな傑作だった。激しいハード・ロック・ナンバーや切ないバラードが満載の同作には、彼の驚くほどの引き出しの多さが表れている。
59位:ジョニ・ミッチェル『Mingus』
ミッチェルはハービー・ハンコック、ウェイン・ショーター、ジャコ・パストリアスといったジャズ界の大物たちを迎え、ビバップ界の先駆者であるチャールズ・ミンガスに捧げる『Mingus』を作り上げた。その収録曲の中には、ミンガスがこの世を去る前にミッチェルと共作していた楽曲も含まれている。
58位:レッド・ツェッペリン『In Through The Out Door』
彼らの事実上のラスト・アルバムとなった『In Through The Out Door』には、グループの終わりを告げた1作ということ以上の価値がある。創造的かつ野心的な収録曲の数々は、レッド・ツェッペリンが偉大なバンドである理由を再認識させてくれるのだ。
57位:リッキー・リー・ジョーンズ『Rickie Lee Jones (浪漫)』
シンガー・ソングライターであるリッキー・リー・ジョーンズのデビュー作。ジャズ、ポップ、ソウルなどの要素を含んだサウンドに乗せ、ロサンゼルスにおける人間模様を生き生きと描いたアルバムだ。
56位:スティッフ・リトル・フィンガーズ『Inflammable Material』
「Alternative Ulster」と「Suspect Device」という二つの猛烈なシングル曲を収めた、アイルランドのパンク・バンドのデビュー作。政治性の強い歌詞と底抜けに激しいサウンドを特徴とする同作は、究極のパンク・アルバムといえるかもしれない。
55位:ブームタウン・ラッツ『The Fine Art Of Surfacing (哀愁のマンデイ)』
アイルランドのロック・バンド、ブームタウン・ラッツによる洗練された3rdアルバム。よく練られた歌詞やいびつなリズムを特徴とする独特の作風で、ニュー・ウェーヴ界に新風を吹き込んだ作品だ。
54位:スモーキー・ロビンソン『Where There’s Smoke…』
チャートのトップ10に入ったヒット曲「Cruisin」を含む『Where There’s Smoke…』が人気を得たことで、スモーキー・ロビンソンはR&B界の牽引役としての地位に返り咲いた。つまりこのアルバムは、その後数十年に及ぶ彼の成功の端緒となったのである。
53位:シン・リジィ『Black Rose』
シン・リジィがプロデューサーのトニー・ヴィスコンティと手を組んだ最後の作品にして、彼らの作品群の中でも指折りの評価を得ている傑作。息を呑むようなギター・ソロ、軽快なロック・ナンバー、思慮に富んだ歌詞などが印象に残る『Black Rose』は、間違いなく世代を超えて愛されるアルバムだ。
52位:アート・アンサンブル・オブ・シカゴ『Nice Guys』
革新的グループであるアート・アンサンブル・オブ・シカゴが1979年に発表したのは、アフリカの民族音楽と未来的なジャズ・サウンドを融合させたアルバムだった。前衛ジャズ界の金字塔といえる同作により、彼らは押しも押されもせぬ不動の地位を確立したのである。
51位:モーターヘッド『Overkill』
モーターヘッドの2ndアルバムにして、荒々しく混じり気のないスラッシュ・メタル・サウンドをこれでもかというほど堪能できる傑作。いま聴いても、その新鮮味はまるで薄れていない。
50位:イーグルス『The Long Run』
アメリカ西海岸出身のロック・バンドであるイーグルスの6thアルバム。ファンが待ち焦がれる中、前作から3年のブランクを経てリリースされた同作は、以前の作品より暗い曲調と内省的な歌詞が特徴の1作となった。作風こそ異なるが、前作『Hotel California』にも劣らぬ魅力を持った名作である。
49位:グレゴリー・アイザックス『Soon Forward』
レゲエ界のスターであるグレゴリー・アイザックスが、リズム・セクションにスライ&ロビーの二人を迎えて制作した1979年作。ルーツ・レゲエ、ラヴァーズ・ロック、ダブなど幅広いサウンドの楽曲群が、彼にしか出せないような美しい声で歌われていく。
48位:ケニー・ロジャース『Kenny (愛のメッセージ)』
カントリー界のレジェンドが1979年に発表した『Kenny』は、ヒット・シングル「You Decorated My Life (愛のメッセージ)」を収録していることもあり、カントリー・チャートのみならずポップ・チャートでも上位に入った。そしてこの成功をきっかけに、彼のサウンドとファン層の両方に変化が起こり始めたのだった。
https://www.youtube.com/watch?v=Dr1VW7pPMaQ
47位:キッス『Dynasty (地獄からの脱出)』
ハード・ロック・バンドであるキッスの7thアルバムは、リード・シングルがディスコ・サウンドを取り入れた1曲だったためにファンのあいだで賛否を巻き起こした。しかしキッスの面々はそのシングル「I Was Made For Lovin’ You」のおかげで、エッジの効いた作風を変えることなく、ポップ・ラジオへ進出することに見事成功したのである。
46位:メイズ feat.フランキー・ビヴァリー『Inspiration』
R&Bバンドのメイズが神に捧げる作品として作り上げた名盤。フランキー・ビヴァリーの素晴らしい作曲能力と、実にソウルフルなアレンジを全編に亘り楽しめる『Inspiration』はそのタイトル通り、聴く者を鼓舞してくれる1作である。
45位:リック・ジェームス『Bustin’ Out Of L7 (バスティン・アウト)』
デビュー作と同様の成功を収めた、R&B界の異端児による2作目のスタジオ・アルバム。ヒットを記録したタイトル・トラックや、ファンから高い人気を誇る「Fool On The Street」などが収録されている。
44位:エアロスミス『Night In The Ruts』
1979年はエアロスミスにとって苦難の一年だったからこそ、このアルバムの成功には特別な意味がある。ハード・ロック・サウンドの名曲から涙を誘うバラードまでを含む同作は、存続をかけてもがくバンドの姿を映し出した忘れがたい1作である。
43位:キュアー『Three Imaginary Boys』
有名ロック・バンド、キュアーのデビュー作は、おそらくグループ史上もっとも親しみやすい作風のアルバムだ。以降の作品にはないような勢いが感じられるとともに、飾り気のないシンプルなサウンドに仕上げられた同作は、彼らのカタログの中でも異彩を放っている。
42位:ニール・ヤング&クレイジー・ホース『Rust Never Sleeps』
タイトルが示唆する通り、ヤングがマンネリ化に抗うため制作した野心作。このアルバムで彼は、”錆び (rust) が急速に進行するなら、それ以上に努力すればいい”と証明してみせたのだ。極めて多彩な楽曲群と鮮やかな描写の歌詞を特徴とする同作を聴けば、ヤングが時代を超えて支持されている理由がよく分かる。
41位:クール&ザ・ギャング『Ladies Night』
ヒットを記録したタイトル・トラックを中心とする、ファンク・バンド、クール&ザ・ギャングの1979年作。それまでの作品より洗練されたサウンドとなった同作で彼らは、”気骨のあるファンク界の人気グループ”から”ダンス・ポップ界の牽引役”へと変貌を遂げた。
40位:デヴィッド・ボウイ『Lodger (ロジャー [間借人])』
デヴィッド・ボウイがそれまでのようにドラマやサスペンスを作り出すのではなく、日常の取るに足らない出来事や些細な不満を歌った1作。宇宙を楽曲の舞台にしたこともあった彼が現実的な題材に挑戦した、ボウイ史上もっとも共感しやすい作品である。彼は新鮮味溢れるこのアルバムで、ファンの期待にしっかりと応えてみせたのだ。
39位:ゲイリー・ニューマン『The Pleasure Principle』
ニューマンがソロ名義で発表した最初のアルバム。チャートの首位に輝いた「Cars」を含む同作で、もともとパンクを演奏していた彼は電子音楽へと完全に移行したのだった。
38位:フランク・ザッパ『Sheik Yerbouti』
謎の多いアーティストであるザッパが、ライヴ音源を基に作り上げた2枚組アルバム。本人はこれを”馬鹿げた”エンターテインメントと表現したが、同作における切れ味抜群の皮肉や、攻撃的なジョーク、そして非の打ち所のないメロディーは、ファンを魅了し続けている。
37位:ダイアナ・ロス『The Boss』
ダイアナ・ロスがヒットメイカーであるアシュフォード&シンプソンと再び手を組んだ9作目のソロ・アルバム。彼女のソロ作として初めて母国でゴールド・ディスクに認定されたほか、シングル・カットされた表題曲もヒットを記録した。
36位:カエターノ・ヴェローゾ『Cinema Transcendental』
有名ブラジル人アーティストのヴェローゾが1979年に発表した1作。レゲエ、サンバ、ボレロなど多種多様な曲調の楽曲が並ぶことで、活力と楽しさに満ち溢れたアルバムに仕上がっている。
35位:ヴァン・ヘイレン『Van Halen II (伝説の爆撃機)』
ヴァン・ヘイレンの面々は”異常がないなら手を加えるな”という格言を肝に銘じて、この2ndアルバムを制作した。つまり彼らは、成功を収めたデビュー作『Van Halen (炎の導火線)』の路線をそのまま踏襲したのだ。その結果、前作同様の素晴らしいアルバムと二つの大ヒット曲 (「Dance The Night Away (踊り明かそう)」「Beautiful Girls」) が生まれ、ファンを歓喜させた。
34位:プリンス『Prince (愛のペガサス)』
発想力豊かなアーティストであるプリンスの2ndアルバムには、「I Wanna Be Your Lover」や「I Feel For You (アイ・フィール・フォー・ユー [恋のフィーリング]) 」といったキャリア屈指の人気曲が収められている。そしてそのうちの後者は、1984年にチャカ・カーンがカヴァーして驚異的なヒットを記録した。
33位:スパークス『No. 1 In Heaven』
ロック・バンドのスパークスが、”ディスコの父”と呼ばれるジョルジオ・モロダーとコラボした1979年作。電子音を最大限に駆使した同作は、ポップとロックの境界がしばしば曖昧になるような音楽業界の新しいトレンドを作り出した。
32位:スティーヴ・ヒレッジ『Rainbow Dome Musick』
ヒレッジがアンビエント・ミュージックの領域に足を踏み入れた『Rainbow Dome Musick』は、この年におけるもっとも革新的な作品の一つであり、同時に実験的で、心地良く、そして内省的な1作である。
31位:チープ・トリック『At Budokan (チープ・トリック at 武道館)』
ロック・バンド、チープ・トリックの運命を変えたライヴ・アルバムにして、現時点でのグループ最大のヒット作。同作には彼らの楽曲の幅の広さがよく表れているが、披露されている曲の多くがスタジオ・ヴァージョン以上に魅力的に聴こえる。(*1979年は本国USでの発売年。日本では1978年に先行発売)
30位:ブロンディ『Eat To The Beat (恋のハートビート)』
大きな影響力を誇るニューヨーク出身のグループによる4作目のスタジオ・アルバム。1978年の傑作『Parallel Lines (恋の平行線)』に匹敵するアルバムを作るのは至難の業だったはずだが、彼女たちはロック、ディスコ、レゲエなどを融合させたユニークな作風の『Eat To The Beat』でその難題を見事にクリアしてみせた。
29位:スティーヴィー・ワンダー『Journey Through “The Secret Life Of Plants”』
スティーヴィー・ワンダーが1979年に発表したのは、同名ドキュメンタリー映画のサウンドトラック盤にして、彼の作品群の中でも特に多様なジャンルの要素を含んだ1作。近年ではソランジュなど、現在のR&B界を代表するスターたちも影響源に挙げているアルバムだ。
28位:シルヴェスター『Stars』
不朽のタイトル・トラックを収録した、唯一無二のディスコ・シンガーによる1979年作。彼はこのアルバムでもまた、ダンスフロアにうってつけの完璧な楽曲の数々を作り出した。
27位:テディ・ペンダーグラス『Teddy』
セクシーな楽曲を歌わせれば右に出る者がいないペンターグラスによる、3作目のスタジオ・アルバム。その内容は予想に違わず実に官能的だが、それだけでなく、ファンキーなディスコ・サウンドや感傷的なソウル・サウンドも堪能できる1作である。
26位:テリー・アレン『Lubbock (On Everything)』
テキサス出身のシンガー・ソングライターが1979年に発表した『Lubbock (On Everything)』は、オルタナティヴ・カントリー界の最高峰に位置する傑作。カントリーやフォークを基調とした演奏に、芸術性と皮肉っぽいユーモア性を加えた作風が特徴のアルバムである。
25位:ビー・ジーズ『Spirits Having Flown (失われた愛の世界)』
多作なことで知られるギブ兄弟が、大ヒットした『Saturday Night Fever』のサントラ盤に続いて発表した15作目のスタジオ・アルバム。美しいハーモニーと心温まるバラードが満載の同作以降、彼らはソウル・ミュージックに傾倒していくこととなる。
24位:ザ・ナック『Get The Knack』
ロック・バンドのザ・ナックが1979年に発表した『Get The Knack』は実に500万枚を売り上げ、デビュー・アルバムとして史上屈指の成功を収めた。そしてその一つの原動力になったのは、「My Sharona」や「Good Girls Don’t」といったヒット曲の数々であった。
23位:スロッビング・グリッスル『20 Jazz Funk Greats』
インダストリアル・バンドとして高い評価を受ける彼らが1979年に発表した『20 Jazz Funk Greats』は、謎めいたノイズよりも取っ付きやすいリズムやサウンドを特徴とするアルバムだった。とは言うものの、ニュー・ウェーヴ、ディスコ、ファンクを融合させたようなその作風は十分に奇妙である。
22位:ジョー・ジャクソン『Look Sharp!』
ヒット曲「Is She Really Going Out With Him? (奴に気をつけろ)」を含む、ジョー・ジャクソンのデビュー・アルバム。ニュー・ウェーヴの激しさとポップの親しみやすさを融合させたようなキャッチーな楽曲が満載の傑作である。
21位:ファンカデリック『Uncle Jam Wants You』
ファンク・バンドのファンカデリックが、”ダンス・ミュージックを退屈から救う”と宣言して発表した1979年作。全編を通して力強さと威厳に満ちたファンク/ディスコ調の楽曲を堪能できる1作だが、安全策を取らず果敢な挑戦をしたことがその完成度に繋がっているのだ。
20位:パット・ベネター『In The Heat Of The Night (真夜中の恋人達)』
後進に影響を与えたパット・ベネターのデビュー作にして、大ヒット曲「Heartbreaker」を収めた1作。彼女はこのアルバムで、オペラのようなヴォーカルから力強い歌唱までを自在に使い分けられるポップ・ロック界の牽引役としての地位を確立した。
19位:スーパートランプ『Breakfast In America』
ロック・バンドのスーパートランプによる6作目のスタジオ・アルバムは、「The Logical Song」や「Goodbye Stranger」といった素晴らしいヒット曲を収録していることもあり、発表から間もなく世界中でヒットを記録。アメリカではチャートの頂点に立った。
18位:The B-52’s『The B-52’s (警告! THE B-52’s来襲)』
愛され続けるヒット曲「Rock Lobster」を収録した、ニュー・ウェーヴ・バンドのデビュー作。けばけばしさ、ばかばかしさ、そして何より楽しさを特徴とする同作により、悪趣味と思われていたものが世間一般に認められたのである。
17位:XTC『Drums And Wires』
グループ初の本格的なヒット曲となった「Making Plans For Nigel」を含む、イギリスのロック・バンド、XTCの1979年作。ダイナミックなパーカッションや美しいギターを堪能できる同アルバムは、彼らの作品群の中でもとりわけ纏まりのある1作である。
16位:ポリス『Reggatta de Blanc (白いレガッタ)』
イギリス出身のポリスによる2ndアルバムは、ロック、ポップ、レゲエを独自の手法で融合させた完璧な1作だった。そんな同作からは、「Message In A Bottle (孤独のメッセージ)」や「Walking On The Moon」といった人気ナンバーも生まれた。
15位:スリッツ『Cut』
先駆的グループであるスリッツのデビュー作は、何事にも臆しない気概とストリート事情に精通した歌詞を特徴とする1作だった。このアルバムはポスト・パンク・シーンの様相を一変させるとともに、彼女たちのように女性をフロントに据えた後進のグループが活躍するための土台を築いた。
14位:シスター・スレッジ『We Are Family (華麗な妖精たち)』
実の姉妹から成るシスター・スレッジがナイル・ロジャースとバーナード・エドワーズの助けを借り、シック流のサウンドで再スタートを切った1979年作。お馴染みのタイトル・トラックを含む同作では、洗練されたR&Bからダンス・ポップまでを幅広く楽しめる。
13位:ギャング・オブ・フォー『Entertainment!』
イギリスのバンド、ギャング・オブ・フォーのデビュー作にして、現在ではポスト・パンクの名作と評価されているアルバム。ファンク、レゲエ、ポップ・ロックなどを融合させたサウンドと強い政治性を併せ持つバンドは無数に存在するが、この『Entertainment!』はそうしたグループに影響を与えてきた1作なのである。
12位:トム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズ『Damn The Torpedoes (破壊)』
「Don’t Do Me Like That (危険な噂)」や「Refugee (逃亡者)」といったヒット曲を含み、ペティの優れた作曲能力を痛感させられる3作目のスタジオ・アルバム。プロデューサーであるジミー・アイオヴィンの多大な貢献もあってのことだろう。鮮烈で普遍的なその魅力は現在でもまるで薄れていない。
11位:アース・ウィンド・アンド・ファイアー『I Am (黙示録)』
いまなお高い人気を誇るグループによる、9作目のスタジオ・アルバム。「After The Love Has Gone」、「Boogie Wonderland」など、宇宙的なソウルや身体を動かしたくなるディスコの名曲がいくつも収められている。
10位:エルヴィス・コステロ&ジ・アトラクションズ『Armed Forces』
コステロによる3作目のスタジオ・アルバム。細部へのこだわりや恐れ知らずの歌詞が満載の1作でありながら、全体として親しみやすい作品に仕上がっているのはアーティストとしての彼の才能の賜物だろう。
9位:ABBA『Voulez-Vous』
大ヒットを記録したスウェーデンのポップ・グループの1979年作。華やかなディスコ・ナンバーや涙を誘うバラードで構成された同作には、有名なタイトル・トラックや、「I Have A Dream」、「Chiquitita」などが収録されている。
8位:シック『Risqué (危険な関係)』
シックは基本的にはディスコ・グループであるものの、この3rdアルバムはジャンルの垣根を超えた作風となった。そして不朽のヒット・シングル「Good Times」の印象的なグルーヴは、黎明期のラップ界 (シュガーヒル・ギャング) やロック界 (クイーン) にも影響を与えた。
7位:ジョイ・ディヴィジョン『Unknown Pleasures』
ポスト・パンク界を代表するバンドであるジョイ・ディヴィジョンのデビュー作は、”未知の快楽”を意味するタイトル通りの傑作だった。収録曲はどれも、猛烈な激しさと心を揺さぶる感情に満ちた名曲ばかりである。
6位:フリートウッド・マック『Tusk (牙 [タスク])』
リンジー・バッキンガムを中心に制作された『Tusk』は、グループが解散の危機を迎える中で録音されたこともあり、所々で雑然とした印象を与える。しかしスティーヴィー・ニックスとクリスティン・マクヴィーの際立った貢献もあって、全体としては音楽史に残る傑作といえるアルバムに仕上がっているのだ。
5位:ピンク・フロイド『The Wall』
大きな影響力を誇ったバンド、ピンク・フロイドが1979年に発表したコンセプト・アルバム。ピンクという名のロックスターの波乱に満ちた人生を描いたその物語は、恐ろしくもあり魅力的でもある。のちに映画化されたのも納得の1作だ。
4位:ドナ・サマー『Bad Girls (華麗なる誘惑)』
ポップ界の大物、ドナ・サマーによる7作目のスタジオ・アルバムにして、大ヒットを記録した表題曲や「Hot Stuff」などを収めた1作。ニュー・ウェーヴやロック、そして電子音楽の要素なども取り入れた同作は、ディスコ・ブームの終焉を告げるのに相応しい名盤だった。
3位:AC/DC『Highway To Hell (地獄のハイウェイ)』
シンガーのボン・スコットにとっての最後の作品となった、オーストラリアのロック・バンドの6thアルバム。それまでみすぼらしいクラブで演奏していた彼らが、この作品でアリーナを満席にできる人気を獲得したのは喜ばしくも切ない事実である。
2位:クラッシュ『London Calling』
ロック・バンドであるクラッシュの代表作。ソウルやレゲエ、ハード・ロックなどに独自の解釈を加えた、多様かつ実験的なサウンドのアルバムだ。そしてこの1作により、それまでパンク・バンドに分類されていた彼らは、どのジャンルにも括られない唯一無二の存在になったのである。
1位:マイケル・ジャクソン『Off The Wall』
クインシー・ジョーンズをプロデューサーに迎えた、”キング・オブ・ポップ”の1979年作。「Rock With You」や「Don’t Stop ‘Til You Get Enough (今夜はドント・ストップ)」など記憶に残るヒット曲を収めた同アルバムで、彼は大きな躍進を遂げたのだった。
Written By Sam Armstrong
- 【動画付】1971年に発売されたアルバム・ベスト50選
- 【動画付】1972年に発売されたアルバム・ベスト63
- 【動画付】1973年に発売されたアルバム・ベスト65
- 【動画付】1974年に発売されたアルバム・ベスト68
- 【動画付】1976年に発売されたアルバム・ベスト60
- 【動画付】1977年に発売されたアルバム・ベスト73
- 【動画付】1978年に発売されたアルバム・ベスト72
- 【動画付】1981年に発売されたアルバム・ベスト57選
- 【動画付】1982年に発売されたアルバム・ベスト68
- 【動画付】1983年に発売されたアルバム・ベスト67
- 【動画付】1984年に発売されたアルバム・ベスト67
- 【動画付】1986年に発売されたアルバム・ベスト57
- 【動画付】1988年に発売されたアルバム・ベスト66
- 【動画付】1991年に発売されたアルバム・ベスト50選
- 【動画付】1992年に発売されたアルバム・ベスト72
- 【動画付】1993年に発売されたアルバム・ベスト71
- 【動画付】1994年に発売されたアルバム・ベスト69
- 【動画付】1998年に発売されたアルバム・ベスト67