1978年に発売されたアルバム・ベスト72:45年前に生まれた名盤たちをランキング【動画付】
1978年にリリースされた傑作アルバムの数々には、当時の音楽業界の変化が映し出されている。パンクは既に“時代遅れ”となってポスト・パンクが興り、マガジンやディーヴォ、パブリック・イメージ・リミテッドらのアルバムがその火付け役を担った。
また、その一方ではパーラメントやファンカデリックが絶頂期を迎えていた。だがおそらく、この年に最も目覚ましい活躍をみせたのはブライアン・イーノだろう。彼はジャンルの草分け的作品『Ambient 1: Music for Airports』をリリースしたほか、プロデューサーとしてもこのリスト内の作品をいくつか手掛けている。
とはいえ上記以外にも、ここにはまだまだ多くの発見があるはずだ。是非ゆっくりとくつろいで、1978年の傑作アルバムをまとめた本リストを楽しんで頂きたい。
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72位 : ロッド・スチュワート『Blondes Have More Fun (スーパースターはブロンドがお好き)』
ロッド・スチュワートは本作で、本格的なディスコ・サウンドに挑戦するという大胆な賭けに出た。それに関しては賛否両論あるだろうが、聴いていて非常に楽しいアルバムであることに変わりはない。
71位 : ブラック・サバス『Never Say Die!』
知らないものはないであろうイギリスのロック・バンド、ブラック・サバスの8作目となるスタジオ・アルバム。長い歴史を誇るこのバンドのキャリアにおいても大きな節目となった作品だ。以降度重なるヴォーカルの交代があったことで、本作は30年以上に亘り『13』が出るまで“オジー・オズボーンが参加した最後のアルバム”として特別な扱いを受けてきた。
70位 : ヴァン・モリソン『Wavelength』
まるで刺激的なカクテルのようにフォーク、ロック、ソウルを混ぜ合わせたヴァン・モリソンの『Wavelength』は、多面的で高揚感溢れるサウンドが特徴の1作だ。
69位 : デヴィッド・ボウイ『Stage』
時代を象徴するアーティストであるデヴィッド・ボウイによる、2作目のライヴ・アルバム。「Isolar II Tour」の模様を収めたもので、彼のお馴染みの楽曲にも目新しいアレンジが施され、電子音を取り入れた都会的かつ先進的なサウンドが堪能できる1作になっている。
68位 : テッド・ニュージェント『Weekend Warriors (週末の戦士)』
ニュージェントがキャリアの絶頂期にリリースした1978年作。ヘヴィ・メタルの真骨頂ともいうべき鋭さと力強さ、そして迫力を備えたアルバムである。
67位 : ジェリー・ラファティ『City To City』
ラファティは自身2作目となるスタジオ・アルバムで、ポップ・ナンバーを生み出すことにおける超一流の腕前を見せつけた。その収録曲はバラエティに富み、どれも自信と品格に溢れている。
66位 : ジェスロ・タル『Heavy Horses (逞しい馬)』
英国出身のバンド、ジェスロ・タルによる11作目のスタジオ・アルバム。農業や田舎での暮らしから着想を得た作品で、ささやかな生活の喜びを歌った美しいフォーク・ロック・ナンバーが数多く収録されている。
65位 : AC/DC『Powerage』
オーストラリア出身のグループ、AC/DCの『Powerage』は、彼らの代表的なヒット曲が収録されていないこともあって見落とされがちだが、時を経てその価値が見直されてきている。多様なサウンドを包含しながらよく纏め上げられたアルバムという意味では、彼らのキャリアの中でも指折りの逸品だ。
64位 : アリス・クーパー『From The Inside (閉ざされた世界)』
アリス・クーパーのコンセプト・アルバム『From The Inside』は、サナトリウム (療養所) での彼の実体験をもとに制作された。結果として本作は、キャッチーであると同時に聴く者の励みになるような作品に仕上がった。
63位 : ニール・ヤング『Comes A Time』
ヤングが1978年に発表したのは、スティール・ギターの音色とほろ苦いメロディが満載のアコースティック・アルバム。ロマンティックな恋愛に伴う葛藤や自然への回帰など、様々なテーマに取り組んでいる点が印象的な1作である。
62位 : ヒートウェイヴ『Central Heating』
1978年にリリースされた本作では、彼ら独自の洗練されたファンク・サウンドが存分に堪能できる。「The Groove Line」や「Mind Blowing Decisions」といった記憶に残るヒット曲も収録されている。
61位 : エリック・クラプトン『Backless』
J.J.ケイルやボブ・ディランからの楽曲提供も受けた、エリック・クラプトンの6作目となるスタジオ・アルバム。温かみのあるサウンドとリラックスしたテンポが実に魅力的な作品だ。
60位 : フォリナー『Double Vision』
衝撃的なデビュー作によってフォリナーの次なるアルバムに求められる水準は跳ね上がっていたが、表題曲や「Hot Blooded」などのヒット曲からもわかる通り、彼らは本作でその期待をも超えてみせた。
59位 : チープ・トリック『Heaven Tonight (天国の罠)』
いたずらっぽいロック・アンセム「Surrender」を収録するチープ・トリックの1978年作。アリーナ級の会場に映えるロック・ナンバーの数々はどれも完成度が高く、いつだってスリルと楽しさを与えてくれる。
58位 : シカゴ『Hot Streets』
テリー・キャスが世を去ってから初めてリリースされたアルバムであり、ディスコ、ジャズ、ファンクにまで手を伸ばしてグループの音楽的な幅を広げた野心作だ。
57位 : ジョー・ウォルシュ『But Seriously, Folks… (ロスからの蒼い風)』
ジョー・ウォルシュがソロのシンガー・ソングライターとして発表した4作目のスタジオ・アルバム。内省的な作風が心地よく、実に満足感のある1作で、ヒット・シングル「Life’s Been Good (この人生に賭けて)」もここに収録されている。
56位 : リトル・フィート『Waiting For Columbus』
リトル・フィートにとって初となるライヴ・アルバム。お馴染みの楽曲に施された新鮮なアレンジから、出し惜しみのない長尺の即興演奏まで、彼らのステージに宿る魔法のような魅力が凝縮された1作である。
55位 : エルトン・ジョン『A Single Man』
ポップ・スターであるエルトン・ジョンが初めてバーニー・トーピンの力を借りずに制作した本作は、彼にとって大きな賭けだった。だが幸いにその挑戦は大成功を収め、実に楽しくも巧みなポップ・アルバムが出来上がった。
54位 : ラモーンズ『Road To Ruin』
根強い人気を誇るパンク・バンド、ラモーンズが新たなドラマーを迎えて制作した4作目のスタジオ・アルバム。作曲とプロデュースの両面で新たなアプローチを試みたことで、サウンドのキャッチーさと感情表現の複雑さが増した作品となった。
53位 : ムーディー・ブルース『Octave (新世界の曙)』
ヒット・シングル「Steppin’ In A Slide Zone」を収録する、ムーディー・ブルースの1978年作。4年の活動休止期間を経てリリースされたが、それだけ待った甲斐のある作品だった。
52位 : ストラングラーズ『Black And White』
1978年にリリースされたこのコンセプト・アルバムは、確固たる力強さを感じさせる独創的なサウンドの1作。あまりに印象的な名曲「Toiler On The Sea」も収録されている。
51位 : ヴィレッジ・ピープル『Cruisin’』
有名ディスコ・グループのヴィレッジ・ピープルが1978年にリリースしたアルバム。ディスコというジャンルが持つきわどさや放縦さを前面に押し出し、爽快で思わず踊り出したくなるような1作となった。唯一無二の名曲「Y.M.C.A」も収録。
50位 : ケイト・ブッシュ『Lionheart』
デビュー・アルバムと同じ年に早くもリリースされたブッシュのセカンド・アルバムは、遊び心に満ちた大胆な作風が持ち味の1作。当時はまだ若手アーティストだった彼女が、音楽の世界で長きにわたって活躍していくことを既に予感させる作品だ。
49位 : アトランタ・リズム・セクション『Champagne Jam』
チャートのトップ10に食い込むヒットとなった「Imaginary Lover」も収録する、サザン・ロック・バンド、アトランタ・リズム・セクションの1978年の作品。迫力あるロック・ナンバーとブルージーなバラードが絶妙なバランスで共存する作品である。
48位 : ボニーM『Nightflight To Venus』
ポップ界の人気グループである彼らが1978年にリリースした同アルバムは、当時大きな成功を収めた。カリプソ、ロック、ロシアの伝統的なギターなど一見相容れなさそうな要素をごちゃ混ぜにして、愉快なディスコ・サウンドに仕立て上げた逸品である。
47位 : ボストン『Don’t Look Back』
アメリカ出身のロック・バンド、ボストンが“二作目のジンクス”を華麗に打ち破った1978年作。キャッチーなアンセムやクールなハード・ロック・ナンバーの数々は、デビュー作ですでに完成の域に達していたが、本作ではそれがさらに進化している。
46位 : スティクス『Pieces Of Eight (ピーシズ・オブ・エイト~古代への追想)』
「Blue Collar Man」や「Renegade (逃亡者)」といったヒット曲を収録するスティクスの8thアルバムは、前作に引き続く成功を収め、トリプル・プラチナにも認定された。
45位 : ジューダス・プリースト『Stained Class』
このヘヴィ・メタル・バンドが1978年に発表したアルバムは、同ジャンル全体に絶大な影響を及ぼした。この作品がきっかけで、以降のシーンにおけるサウンドは大幅に激しくダークなものに変わっていったのである。
44位 : バズコックス『Another Music In A Different Kitchen』
UK出身のバンド、バズコックスのデビュー・アルバムにして、独創的で楽しく、様々な要素を包含したポップ・パンク作品。本作によって彼らは、パンク界における重要バンドとしての地位を確かなものにした。
43位 : パーラメント『Motor Booty Affair』
ファンからの人気が高い「Aqua Boogie」を収めた、ファンク・グループパーラメントによる1978年のアルバム。決して単純明快なサウンドではないがユーモアに溢れ、楽しい時間を過ごせること間違いなしの作品だ。
42位 : ドゥービー・ブラザーズ『Minute By Minute』
新たなメンバーを迎えて制作され、グラミー賞にも輝いた1作。よりソウルフルで、よりファンキーになったサウンドが大きな特徴である。
41位 : ラッシュ『Hemispheres (神々の戦い)』
カナダを代表するロック・バンドによる6作目のスタジオ・アルバムにして、トリップ感を引き起こすプログレッシヴ・ロックの名盤。SFに政治、世界情勢と幅広いテーマを取り上げた歌詞は、いま聴いても古臭さを微塵も感じさせない。
40位 : ザ・ジャム『All Mod Cons』
このUK出身の同グループが1978年にリリースしたアルバムでは、優れたストーリーテリングと魅力的な人物描写を堪能できる。彼らのソングライターとしての成長が如実に表れているといえよう。
39位 : ピーター・ガブリエル『Peter Gabriel (Scratch)』
元ジェネシスのピーター・ガブリエルによる2作目のソロ・アルバム。前作のように大ヒット・シングルを収録しているわけではないが、ソングライターとしての彼の評価をさらに高めた1作である。
38位 : リンダ・ロンシュタット『Living In The U.S.A. (ミス・アメリカ)』
リンダ・ロンシュタットは1978年のアルバムで、ニュー・ウェイヴを含む様々なジャンルに手を広げた。結果として本作は多様性に満ちた楽しいアルバムとなり、チャートでも首位に輝いた。
37位 : ウォーレン・ジヴォン『Excitable Boy』
シンガー・ソングライターのウォーレン・ジヴォンは本作『Excitable Boy』で、聴く者を魅了する豊かな歌声を披露した。だが、巧みな描写が光る作詞センスも、卓越したヴォーカルに引けを取っていない。
36位 : サード・ワールド『Journey To Addis (エチオピアへの道)』
サード・ワールドが1978年にリリースした『Journey To Addis』は、グルーヴィーでノリが良く、そして高潔なアルバムだ。最高にクールでソウルフルなレゲエが楽しめる1作。
35位 : シン・リジィ『Live And Dangerous』
ラウドで派手やかで、エネルギーに満ち溢れた『Live And Dangerous』は、1970年代を代表するライヴ・アルバムの一つである。
34位 : ゴブリン『Zombi (Original Soundtrack)』
イタリアン・ホラー界の巨匠、ダリオ・アルジェントも制作に携わった映画『ゾンビ』のオリジナル・サウンドトラック。耳から離れないダークなサウンドにかけては、後進のどんな音楽作品にも劣っていない。
33位 : 坂本龍一『千のナイフ』
イエロー・マジック・オーケストラのキーボーディストとして知られる坂本龍一の『千のナイフ』では、奇抜な電子音が主旋律と絡み合って魅力的な音世界を作り出している。
32位 : カーズ『The Cars (錯乱のドライヴ/カーズ登場)』
ボストン出身の同グループによるセルフ・タイトルのデビュー・アルバムは、ニュー・ウェイヴとロックが融合した文句なしの名作。捨て曲は一つとしてなく、聴けば誰もがファンになってしまうだろう。
31位 : シルヴェスター『Step II』
大ヒットを記録したディスコ・アンセム「You Make Me Feel (Mighty Real)」や、ソウル調の甘美なバラード「I Took My Strength From You」を収録する『Step II』。この時代の知られざるスターであったシルヴェスターの代表作だ。
30位 : トム・ウェイツ『Blue Valentine』
壮麗なバラード・ナンバー「Somewhere」や、クセのある”トーキング・ブルース”の1曲「Romeo Is Bleeding (血だらけのロミオ)」などを収めた『Blue Valentine』は、魅惑的だったり近寄り難かったり、それでいてどこか優しさも感じられる1作である。
29位 : ジャン・ミッシェル・ジャール『Equinoxe (軌跡)』
ドラマチックなシンセサイザーの演奏と、絶え間なく変化する音の質感が特徴的なジャン・ミッシェル・ジャールの『Equinoxe』は、70年代に生まれた電子音楽のアルバムの中でも特に傑出した作品の一つだ。
28位 : ニック・ロウ『Jesus Of Cool』
アメリカでは『Pure Pop For Now People』というタイトルでリリースされた、UK出身のシンガー・ソングライター、ニック・ロウのデビュー作。画期的でありながら実に楽しい作風で、70年代を彩ったポップやロックの幅広い側面が1作の中で展開されている。
27位 : ボブ・シーガー&ザ・シルヴァー・ブレット・バンド 『Stranger In Town (見知らぬ街)』
『Stranger In Town』は一般に、ボブ・シーガーがポップ・スターとしての最盛期に入ってから初めて発表したアルバムとみなされている。だが彼はそのプレッシャーに屈することなく、地に足のついたアメリカ中西部のスタイルに自信を持って回帰した。そしてそれは、彼を人気アーティストに押し上げた原点ともいえるサウンドだったのである。
26位 : ケイト・ブッシュ『The Kick Inside (天使と小悪魔)』
後進に大きな影響を与えたシンガー・ソングライターのケイト・ブッシュ。このデビュー作がリリースされたのは、彼女がまだ19歳のときだった。ヒット曲「Wuthering Heights (嵐が丘)」も収める本作は、青年期特有の心の浮き沈みが美しく表現された名作である。
25位 : ビッグ・スター『Third/Sister Lovers』
パワー・ポップ・バンドの最高峰、ビッグ・スターの3rdアルバム『Third/Sister Lovers』は、完璧に作り込まれた楽曲の数々を収録し、根強い人気を誇る作品だ。
24位 : ワイヤー『Chairs Missing』
ワイヤーが1978年に発表した『Chairs Missing』は、デビュー作『Pink Flag』と比べれば標準的な楽曲構成となり、各曲の再生時間も長くなった。それでも、作品としての力強さは少しも衰えていない。
23位 : ディーヴォ『Q: Are We Not Men? A: We Are Devo! (退廃的美学論)』
ディーヴォのデビュー・アルバムは、力強いパンク・サウンドを堪能できる1作。切れ味鋭いギター・リフや風変わりな楽曲構成に加え、ふんだんに使われたシンセサイザーが本作の大きな特徴である。
22位 : ヴァリアス・アーティスツ『Grease Original Soundtrack』
大ヒットを記録したミュージカル映画のサウンドトラック。最高に愛らしく誰が聴いてもキャッチーなサウンドで、数十年に亘って愛され、そして評価され続けている。
21位 : ペル・ウブ『Dub Housing』
史上最高峰のポスト・パンク・アルバムと評価されてきた『Dub Housing』。調性のないギター・ソロや至る所で聴こえる忙しないキーボードの音色を聴けば、その理由が容易く理解出来るだろう。
20位 : エックス・レイ・スペックス『Germfree Adolescents』
カリスマ性溢れるポリー・スタイリンがフロントを務めたエックス・レイ・スペックスの『Germfree Adolescents』は、完璧といってもよいほどの完成度を誇るパンク・アルバムだ。
19位 : ヴァン・ヘイレン『Van Halen (炎の導火線)』
ヴァン・ヘイレンが1978年に発表したデビュー作。中でも「Eruption (暗闇の爆撃)」と「Ain’t Talkin Bout Love (叶わぬ賭け)」は特に人気の高い名曲だが、このアルバムに捨て曲は一つとして存在しない。
18位 : ウィリー・ネルソン『Stardust』
「All Of Me」や「Unchained Melody」、そして表題曲の「Stardust」はいずれも時代を越えて愛される名曲だが、並みのシンガーやパフォーマーではその魅力を十分に引き出すことは出来なかっただろう。ネルソンの澄み切った歌声と、肩の力の抜けた歌唱があってこそ、『Stardust』は成功を収められたのである。
17位 : ビリー・ジョエル『52nd Street (ニューヨーク52番街)』
前作『The Stranger』の大成功を受け、ジョエルは以前のアルバムの特徴であったジャズ寄りのポップ・サウンドに回帰。そんな本作で彼は、人気アーティストとして一線で活躍し続ける力があることを証明してみせた。
16位 : クラフトワーク『The Man Machine (人間解体)』
電子音楽の草分け的存在であるドイツのグループによる1978年作。全英チャートで首位に輝いた「The Model」を収録する本作は、彼らの中でも特にポップ路線に傾いた作風で、のちのエレクトロ・ポップの先駆けになった。
15位 : パブリック・イメージ・リミテッド『Public Image: First Issue』
UKで結成されたロック・バンド、パブリック・イメージ・リミテッドのデビュー作。ポスト・パンクの勃興に一役買っただけでなく、世代を問わず後進のアーティストに影響を及ぼし続けている1作だ。
14位 : マガジン『Real Life』
ポスト・パンク・シーンを代表する作品として知られるマガジンの『Real Life』。パンク・シーンを牽引してきた多くのグループにとって、流行の終焉後にも生き残るすべがあることを示した作品である。
13位 : イエロー・マジック・オーケストラ『Yellow Magic Orchestra』
日本が誇る電子音楽のパイオニア、イエロー・マジック・オーケストラは、1970年代においても特に異彩を放っていたバンドの一つだ。そんな彼らが1978年に発表したセルフ・タイトルのデビュー作は、ヒップホップやポスト・パンク、ニュー・ウェイヴなど様々な音楽の原型が感じ取れる先進的な作品である。
12位 : ポリス『Outlandos d’Amour』
UK出身のポリスによるデビュー・アルバムとリード・シングルの「Roxanne」は、彼らの類稀なる才能を世に知らしめると同時に、彼らが同じジャンルのアーティストの中でも特に優れているわけを顕著に示していた。
11位 : ザ・バンド『The Last Waltz』
ザ・バンドにとって2作目のライヴ・アルバムには、ホーン・セクションや豪華なゲスト・ミュージシャンたちを迎えて行われたステージの模様が収められている。記憶に残るそのパフォーマンスが、このような形で録音されていたのは実に喜ばしいことだ。
10位 : ブロンディ『Parallel Lines (恋の平行線)』
ブロンディにとって大きな転機となった本作は、「Heart Of Glass」を筆頭に数々の人気曲を収録しており、彼女たちの最高傑作との呼び声も高い。
9位 : パティ・スミス・グループ『Easter』
ジミー・アイオヴィンをプロデューサーに迎えた、パティ・スミスの3作目となるスタジオ・アルバム。本作で彼女は、持ち味である詩的センスを犠牲にすることなく、念願の商業的成功を手にした。
8位 : ブルース・スプリングスティーン 『Darkness On The Edge Of Town (闇に吠える街)』
大ヒット作『Born To Run (明日なき暴走)』から3年を経てリリースされた本作で、スプリングスティーンは労働者階級の立場からの政治的主張をいっそう強めた。一流の音楽的才能を存分に発揮しながら、社会問題に鋭く切り込んだ傑作である。
7位 : エルヴィス・コステロ『This Year’s Model』
コステロがバック・バンドのアトラクションズとともに初めて制作したアルバム。激しさ、スピード、力強さを兼ね備えたサウンドで、見事なまでに型破りなパンク・ロックが展開される。
6位 : ファンカデリック『One Nation Under A Groove』
ジョージ・クリントン率いるファンカデリックの1978年作にして、間違いなく彼ら史上最も有名なアルバム。Pファンクの世界観をさらに発展させた本作は、セールス面で大成功を収めるとともに黒人ロック再燃の気運をもたらした。
5位 : ボブ・マーリー&ザ・ウェイラーズ『Kaya』
伝説的ミュージシャンのボブ・マーリーが1978年にリリースした珠玉の1作。ジャマイカのスラングで大麻を意味するアルバム・タイトルにも、作品全体に漂う雰囲気がよく表れている。
4位 : ザ・ローリング・ストーンズ『Some Girls (女たち)』
ストーンズが1978年に発表した本作は、彼らが若いころに流行したハード・ロックよりも、ディスコ・ミュージックやパンクが主流となった音楽シーンに合わせた作風となった。結果として、彼らの時代が終わっていないことを示すスタイリッシュかつ爽快なアルバムに仕上がった。
3位 : ザ・クラッシュ『Give ‘Em Enough Rope (動乱〔獣を野に放て〕)
パンク界の象徴的存在である英国出身のグループによる2ndアルバム。デビュー作よりも作り込まれ、洗練されたサウンドになったが、その力強さは少しも衰えていない。彼らの持つ荒々しいエネルギーは誰にも止められないのである。
2位 : ブライアン・イーノ『Ambient 1 (Music For Airports)』
のちの世代にも影響を与え続けている不朽の傑作『Ambient 1 (Music For Airports)』には、現代社会の雑音や喧騒の中に訪れる束の間の平穏が完璧に表現されている。
1位 : トーキング・ヘッズ『More Songs About Buildings And Food』
ブライアン・イーノをプロデューサーに迎え、1978年にリリースされたトーキング・ヘッズの2ndアルバム。彼らの作品の中でも全体を通しての完成度が特に高い1作だ。だがあえて一番のハイライトを挙げるなら、アル・グリーンの楽曲をカヴァーした「Take Me To The River」だろう。
Written By Sam Armstrong
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