ロキシー・ミュージックのジャケットにまつわるトリビア:アルバム・カヴァーを飾る美しい女性たち
ロキシー・ミュージック(Roxy Music)のフロントマン、ブライアン・フェリーはロック界随一のプレイボーイという評判を長らくほしいままにしてきた。そこには少なからず、魅惑的な女性の写真をロック・アルバムのカヴァーに持ち込んだ抜け目ない同グループのアートワークによるイメージが寄与している (フェリーがモデルの多くと関係を持っていたのも不思議ではない)。
彼らの8枚のスタジオ・アルバムはどれも名作ばかりで、そのアートワークは現在でもアイコニックだ。だがロキシー・ミュージックのアルバムのジャケットを飾る美女たちは一体誰なのだろう?
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『Roxy Music』(1972年)
コーンウォール出身のカリ=アン・ミュラーは元ボンド・ガール (『女王陛下の007』に出演) だが、たったの20ポンドで『Roxy Music』のカヴァーになった。当時無名の同バンドからすれば、このデビュー作が70年代のアート・ロックを定義づけることになったのだから儲け物だろう。
40年代や50年代など往年のグラビア写真を彷彿させる同アートワークは、それからのロキシー・ミュージックのジャケットのひな型になった。一方でミュラーはモデル界を去ってヨガの先生になっている。それでも彼女のロック界との繋がりは切れず、60年代から活躍するかの名グループのフロントマンの弟であるクリス・ジャガーと結婚している。
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『For Your Pleasure』(1973年)
アマンダ・レアがブライアン・フェリーと出会った頃、彼女はブライアン・ジョーンズの恋人で (ローリング・ストーンズが1967年に発表した「Miss Amanda Jones」の題材にもなっている)、同時にサルバドール・ダリのミューズであり親友でもあった。
彼女が黒ヒョウをつないで『For Your Pleasure』のジャケットになったのはフェリーと恋仲になった短い期間のことだった。写真撮影はロンドンで行われたもので、黒ヒョウはバリウムの効果で動けないほど鎮静されており、瞳と牙は後から加工で付け足されたものだ。
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『Stranded』(1973年)
マリリン・コールはプレイボーイ誌のモデルで彼女もブライアン・フェリーと恋仲になったひとりだ。彼女は1972年1月のプレイメイト・オブ・ザ・マンスに選ばれてフェリーの目に留まり、『Stranded』のジャケットを飾ることになった。
近年ではジャーナリストとして活動するコールは、プロ・ボクシングの記事などを主に手がけている。
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『Country Life』(1974年)
『Country Life』のアートワークを一目見れば、フェリーがこのふたりの女性とお楽しみをしなかったとは考えにくいだろう。ロキシー・ミュージックのファンだったドイツ人のコンスタンツェ・カローリとエヴリン・グリュンヴァルトは、フェリーやメンバーのために喜んでまさに一肌脱いで見せた。
フェリーが同作収録曲の歌詞を書くために逃げ込んでいたポルトガルのバーで当人と会った2人は、「Bitter Sweet」の一部のドイツ語訳まで手伝っている。ロキシー・ミュージックの中で最も物議を醸した同作のカヴァーはアメリカ市場には刺激的すぎたため、モデルなしの草木だけの写真を使ってリリースされた。
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『Siren』(1975年)
たった3年でロキシー・ミュージックの地位が高まったことの証として、彼らは世界的に知られるスーパーモデルのジェリー・ホールに5作目のジャケットで人魚のポージングをしてもらえるまでになった。
彼女の青いボディ・ペイントが落ちないように撮影中に自ら傘を差し続けたというエピソードはフェリーという人物の魅力を伝えている。これに心を打たれたホールは1976年の前半にフェリーと婚約したが、後にミック・ジャガーとの交際のためフェリーと破局。ローリング・ストーンズの「Miss You」は彼女を題材に書かれたとされ、これでロキシー・ミュージックとローリング・ストーンズを繋いだモデルは3人になった。
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『Manifesto』(1979年)
『Siren』のジェリー・ホールを超えるのは難しいと判断したのか、4年の休止期間を経て再結成を果たしたロキシー・ミュージックはマネキンを使った偽のパーティをジャケットにした。マネキンのいくつかは最初のモデルであるカリ・アン・ミュラーを念頭にデザインされたように見える。細部まで注意深く見ると、ふたりだけ生身の人間が写っている。バンドの長年のファンだった双子なのだという。
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『Fresh + Blood』(1980年)
続いてロキシー・ミュージックは『Fresh + Blood』で高みを目指し、同作は1980年6月に全英チャート1位を獲得した。ふたりのモデルは運動会の槍投げ競技で競う高校の選手という設定でジャケットに写っている。彼女たちを選出・撮影したのは、ファクトリー・レコードの作品のデザインでよく知られるピーター・サヴィルだ。
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『Avalon』(1982年)
1970年代にジャケットのモデルたちとの逢引きを楽しんだブライアン・フェリーは1982年、ついにひとりと誓いを立てることになる。14歳年下で当時22歳のルーシー・ヘルモアと結婚を果たしたのだ。ふたりの結婚生活は30年続き4人の子どもにも恵まれた。
『Avalon』のアルバム・カヴァーはアイルランドにあるヘルモアの実家近くの湖で夜明け頃に撮影されたものだ。中世の兜をかぶりハヤブサを従えているのはヘルモア本人。アーサー王が最後を迎えた土地で、彼の剣エクスカリバーが造られた空想上の島である“Avalon”への旅路を想起させるデザインだ。
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Written By Jason Draper
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