アイザック・ヘイズ4枚目のアルバム『… To Be Continued』
60年代の後半に名を成したとき、アイザック・ヘイズは共同楽曲制作者の一人としてパートナーのデイヴィッド・ポーターと共に知られ、サム&デイヴの「Soul Man」や「Hold On, I’m Comin’」といったスタックス・レコードの代表曲を制作していた。しかし1969年までに、アイザック・ヘイズはソロ活動の道を歩み始め、その時代の最も偉大なR&Bスーパースターの一人となった。その流れは彼の4枚目のアルバム『… To Be Continued』がリリースされた1970年のクリスマスにも十分な効力を発揮した。
1968年のソロ・デビュー・アルバム『Presenting Isaac Hayes』では予期された影響を及ぼすことができなかったアイザックだが、その一年後に最高の新しい音を備えた『Hot Buttered Soul』で見事な復活を遂げた。ジャズ風の最初のLPは、超非現実的で、極めてスローな感傷的な音に取って代わられてしまい、「Walk On By」(12分)や「By The Time I Get To Phoenix(邦題: フェニックスへの道)」(異例の18分)といった豪勢なカバーの4曲のみが広まった。
アルバムは60年代後半のソウルにおいて転換期となり、R&Bチャートの首位の座を10週間守り抜き、ポップチャートでは8位に食い込む垣根を超えたヒット作となった。1970年の春に続いた『The Isaac Hayes Movement』は同じくポップの頂点に立ち、7週間、R&Bのベストセラーの位置を支配した。そして年末に向け、テネシー州コヴィントン出身のこの男は、『… To Be Continued』とその名に相応しいアルバムと共に、世界で最も深いソウルをもう一枚送り出した。
この時にはシングル・ヒットの助けがなかったものの、アルバムはR&Bチャートではまさに2週間連続トップとなり、1970年12月26日にはチャート1位へ上昇した。その後、通算11週間もの間トップの座を守り、2月以降は、10年間の幕開けにもう一人の粋なニュー・ソウルのチャンピオンとなるカーティス・メイフィールドと首位の座を争った。そしてこの時、アイザック・ヘイズはポップ・マーケットで11位を記録した。
『… To Be Continued』でアイザック・ヘイズは、バカラック&デイヴ・ソングブックの「The Look Of Love(邦題: 愛の面影)」を11分という長さにアレンジ。彼自身の「Ike’s Rap」でスタートしたレコードには、「Our Day Will Come(邦題: 燃ゆる恋)」のカヴァーや彼自身の「Ike’s Mood」を「You’ve Lost That Lovin’ Feelin’(邦題: ふられた気持ち)」と15分間にアレンジしたメドレーが収録された。
それからもう2枚ほど立て続けにR&Bのナンバーワンが1971年、そしてもう2つが1975年と続いた。アメリカにはアイザック・ヘイズに対する愛情に満ちた気持ちがあふれていた。
Written by Paul Sexton
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