ABBAの4枚目のアルバム『Voulez-Vous』解説：全英4週1位、ヒットシングル5曲を生んだ名作

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5月 19, 2020

Rob Miller

ABBAが全英チャートの首位に送り込んだアルバムは全部で9枚。そのうち4枚目にあたるアルバム『Voulez-Vous（ヴーレ・ヴー）』が初めてチャートに登場したのは、1979年5月19日のことだった。ストックホルムのポーラー・スタジオで初めて録音されたアルバム『Voulez-Vous』は、いきなり全英チャートの首位に登場したあと4週間に渡ってその座を保ち、チャート入りの期間は43週間にも及んだ。

当時のABBAは大変な人気を誇っていた。それを裏付けるかのように、このアルバムはイギリスではチャートに登場する前の時点でプラチナ・ディスクに既に認定され、5週間でミリオンセラーとなっている。ABBAのファンはこれがまたもや大ヒット・アルバムになるとわかっていた。なぜなら、ここには大ヒット曲がふたつも含まれていたからだ。

この年の初めに発売された「Chiquita」はイギリスで最高2位を記録。スペイン、オランダ、その他ヨーロッパ諸国の大部分、さらにはニュージーランドやメキシコで1位に達していた。そしてアルバムの発売直前には「Does Your Mother Know」が発表され、全英チャートで最高4位にまで上がっていた。

アルバム『Voulez-Vous』のおかげで、1979年のABBAは1年を通して世界中でチャートに留まることになった。イギリスでは前述の先行シングル2枚を含め、このアルバムからのヒット・シングルが5曲も生まれている。それらはすべてチャートのトップ5に入ったが、残念ながらどれも1位獲得はならなかった。先の2枚に続いて出たヒット・シングルは、「Angeleyes」とアルバム・タイトル曲「Voulez-Vous」をカップリングした両A面のシングル、アルバム未収録のシングル「Gimme! Gimme! Gimme! (A Man After Midnight)」、さらに再びアルバムからシングル・カットされたクリスマスのヒット曲「I Have A Dream」だった。

アルバム『Voulez-Vous』がチャートに登場するまで3週間に渡って首位を維持してきたのは、当時イギリスで大人気だったポップ・スター、レオ・セイヤーのベスト盤『Best Of…』だった。『Voulez-Vous』はセイヤーから首位を奪っただけでなく、シン・リジィの『Black Rose (A Rock Legend)』の首位到達も阻んでいる。

この週のチャートでは、アイルランドのニュー・ウェーヴ・バンド、アンダートーンズのデビューLPも初登場を飾っていた。この年の9月には、ABBAは初の全米ツアーに突入。世界中のチャートでさらなる大活躍を見せていくことになる。

Written By Paul Sexton