ファイヴ・セカンズ・オブ・サマーはどのようにしてデビュー・アルバムから人気者になったのか

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6月 27, 2021

管理人

ファイヴ・セカンズ・オブ・サマー（5 Seconds Of Summer / 以下 5SOS）のデビュー・アルバム『5 Seconds Of Summer』は、オーストラリアの4人の若者たちが、自分たちだけでやっていける正真正銘のポップ・ロック・バンドであることをはっきりと示した作品だ。

5SOSはデビュー前にマイク・ポズナーの「Please Don’t Go」やクリス・ブラウンの「Next To You」などのヒット曲をYouTubeでカバーしたことが話題となり、ワン・ダイレクションのルイ・トムリンソンなどの著名なファンを魅了した。

ルイ・トムリンソンがツイッターでファンに「彼らを応援してあげて」と伝えた後、5SOSは、2013年2月から3月にかけて、ワン・ダイレクションの『Take Me Home』ワールド・ツアーのサポートを担当することになり、地元であるオールフォンズ・アリーナでの7日間の公演を含む日程に出演して名を挙げた。

戦慄なデビュー

当時16歳になったばかりの彼らは米キャピトル・レコードと契約を結び、ワン・ダイレクションのツアーに先立ち、デビュー・アルバムのリリースに向けて動き出したバンドはロンドンへ曲作りの旅に出た。

カイザー・チーフスのニック・ホジソンや、テイク・ザット/オリー・マーズのプロデューサーであり優れた作曲家に当たられるアイヴァー・ノヴェロ受賞者であるスティーブ・ロブソンなど、さまざまなアーティストと仕事をして技術を磨いていった。

スティーブ・ロブソンは、5SOSのデビュー・アルバムの数曲を担当したが、バンドはその大部分をグッド・シャーロット、パニック！アット・ザ・ディスコ、ブリンク182などのオルタナティブ・ロックやポップスで成功を収めているアメリカ人プロデューサー、ジョン・フェルドマンに託すことにした。

そして5SOSは2014年2月に発売したシングル「She Looks So Perfect」で初の全英/全豪1位を獲得、5月に発売したグリーン・デイを彷彿とさせる曲「Don’t Stop」でも全英2位と全豪3位を記録。デビュー・アルバム発売前に、注目のヒットメーカーとしての地位を確立した。

評価の高さと付いてくる成功

2014年6月27日にリリースされたデビュー・アルバム『5 Seconds Of Summer』には、期待以上のものがつまっていた。ポップ・パンクの名曲「End Up Here」や「Heartbreak Girl」、“良い子とは捕まっていない悪女のこと”と歌うウィットに富んだ辛辣な「Good Girls」などは、若いながらも洗練されたギター・ポップ・ユニットへと変貌を遂げたことを示している。一方、高揚感のある「Everything I Didn’t Say」や心の琴線に触れるバラード「Amnesia」などの野心的な楽曲は、5S0Sが長期的に生き残るために必要な賢さをすでに身につけていることも示唆している。

米ビルボードは、メランコリックな「Amnesia」に取り組む5SOSの多才さを称賛し、「最も売れているポップ・ボーイ・バンドと友人であるにもかかわらず、（5SOSは）ワン・ダイレクションのポップ性を排除し、自分たちで楽器を演奏していることを強調している」という事実を尊重している。ヘビーロック誌のKerrang!も、彼らに名誉ある「Best International Newcomer」賞を与え、この若いバンドが芸術的に信頼できる存在であることを認めている。

アルバムは全米アルバムチャート1位を獲得し、他の13の地域でもチャートのトップになった。しかし、5SOSはそんな周囲が盛り上がる中でも集中し続け、ビートルマニアのような注目の津波が彼らを押し流しそうになったにもかかわらず、彼らは続く作品でも成功を掴むことができた。

シドニーの若い4人組は、2015年の『Sounds Good Feels Good』、2018年の『Youngblood』、2020年の『Calm』で成長し続けているが、彼らはデビュー・アルバムを思い出すことに何のためらいもないはずだ。結局のところ、偉大なポップ・ミュージックが本当に10代の夢についてのものであるならば、アルバム『5 Seconds Of Summer』は今でもこの上なく素晴らしいものだ。