クール&ザ・ギャングのベスト20:大ヒットしたポップ曲からR&B曲まで
昔の偉大なバンド達は、世界的なブレイクを果たす前に、長い準備期間を持ち続けたものだった。クール&ザ・ギャングはR&B界ではメジャーで、ソウル・チャートにはいつも登場していたが、そこからメインストリームの何百万人ものファンを勝ち取るまでに丸10年かかった。彼らの結成は、それよりもさらに5年前に遡る。
このクール&ザ・ギャングの20曲のリストは、1960年代末に始まり、激動の20年の間にソウルからポップにクロスオーヴァーするサウンドを形成する上で大きな役割を果たした彼らのカタログを記念するものだ。ジャンルを超えて大ヒットしたポップ曲から、誇るべき9曲のナンバーワンR&Bシングルまで、ニュージャージー出身のグループの進化の過程を網羅した。
1964年の誕生時のオリジナル・メンバーはロバート・“クール”・ベルと彼の兄のロナルド・ベルを含む、4人を中心としたグループで現在も精力的にツアーを続けている。しかも2016年の8月、シングル「Sexy (Where’d You Get Yours)」が全米アダルトR&Bソング・チャートに浮上し、彼らは10年ぶりのチャート入りを味わった。そのシングル曲、及び彼らのツアースケジュールは、彼らの海外公式サイトでチェックできる。
1969年、クール&ザ・ギャングはDE-LITEレーベルから発表されたセルフ・タイトル・デビュー・アルバムで、R&Bチャートにて初めて好成績を残した。同名タイトルのファースト・シングル「Kool And the Gang」がTOP20入りしたのだ。次に我々が選んだのは、1973年の大胆なファンキー楽曲「Funky Stuff」。この曲は彼らの初めてのTOP10となった R&Bシングルで、ポップ・チャートでもTOP30に入った。その成功は、後に続く一連の大ヒット曲の始まりであった。
アメリカで初めてポップ界に切り込む大ヒットとなった「Jungle Boogie」を皮切りに、続けて1974年にR&Bチャートで首位を獲得した「Hollywood Swinging」と「Higher Plane」、その翌年の「Spirit Of The Boogie」とヒットを連発した。何百万枚も売り上げたサウンドトラック、『Saturday Night Fever』収録の「Open Sesame」が上昇中の彼らのプロフィールを確実なものにした後、しばしばラインナップが変わっていた彼らは、新しいフロントマン、ジェームス・“JT”・テイラーを迎え入れた。その後すぐに、彼らの世界的な成功の時代が始まった。
エウミール・デオダートがプロデュースした1979年のアルバム『Ladies’ Night』でのクール&ザ・ギャングは、アンセム的なアルバム・タイトル曲に見られるように、メインストリームのディスコ・サウンドを獲得した。一方「Too Hot」では、スムーズなソウルというペルソナを発展させた。この時点で、海外のリスナーは彼らに熱狂した。特にイギリスでは、番組『Top Of The Pops』の常連となり、80年代半ばまで、彼らがチャートから外れることはほとんど無かった。
テンポの速い楽曲(「Celebration」「Get Down On It」「Let’s Go Dancin’ (Ooh La La La)」)や、その後に無理せずテンポを落としたりする楽曲(「Jones Vs. Jones」「Joanna」「Cherish」)などを生み出す能力のおかげで、彼らは何十年も、ポップのクラブとラジオのプレイリストの要となるグループのひとつになった。このプレイリストは、1986年にR&Bチャートで2位を獲得した「Victory」と、翌年の彼らの最後のR&Bチャート首位曲「Holiday」で締めくくられる。これこそ、クール&ザ・ギャングの“セレブレーション”である。
Written by
♪ プレイリスト『クール&ザ・ギャングの20曲』: Spotify