ザ・ビートルズのアルバム12作に収録された21曲のカヴァー曲
ザ・ビートルズ(The Beatles)は、UKでオリジナル・アルバムを12作リリースしている。そしてそれらのアルバムには、カヴァー曲、すなわちザ・ビートルズのメンバーが曲作りに関わっていない曲が21曲収められている。その楽曲をご紹介。
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1.「Anna (Go to Him)」(作曲:Alexander)
1961年にアーサー・アレクサンダーが吹き込んだシングル(曲を作ったのもアレクサンダー本人) 。これはチャート入りを逃している。
2.「Chains」 (作曲:Goffin/King)
1962年にクッキーズが全米シングル・チャートのトップ20に送り込んだ曲。作ったのは、ブリル・ビルディングで活躍していた夫婦のソングライター・チーム、つまりゴフィン&キングだった。
3.「Boys」(作曲:Dixon/Farrell)
ヒットしたシュレルズのシングル「Will You Love Me Tomorrow」のB面に収録されていた1曲。
4.「Baby It’s You」(作曲:Bacharach/David/Williams)
作曲はバート・バカラック、作詞はルーサー・ディクスン (ただし後者は、この曲のクレジットではバーニー・ウィリアムズというペンネームを使用) とマック・デヴィッド。1961年にシュレルズの録音で全米シングル・チャートのトップ10に入る大ヒットとなった。
5.「A Taste Of Honey」(作曲:Marlow/Scott)
これはもともと、1958年発表のイギリスの戯曲『A Taste Of Honey』が1960年にブロードウェイで上演された際に作られたインストゥルメンタル曲だった (この戯曲は1961年には『蜜の味』として映画化もされている) 。
ザ・ビートルズは、レニー・ウェルチが吹き込んだヴァージョンを少し歌詞を変えて演奏し、1962年のライヴのレパートリーに入れていた。1963年1月には、アッカー・ビルクもインストゥルメンタル・ヴァージョンを録音している。
6.「Twist And Shout」(作曲:Medley/Russell)
フィル・メドレー&バート・バーンズの共作曲 (バーンズは、バート・ラッセルとしてクレジットされている場合が多い) 。1961年にはトップ・ノーツが録音し、その1年後にはアイズリー・ブラザーズがカヴァーしている。
7.「Till There Was You」(作曲:Willson)
1963年のロイヤル・バラエティ・ショーでザ・ビートルズはこの曲を演奏している。これは1957年のブロードウェイ・ミュージカル『ザ・ミュージック・マン』の挿入曲だった。1959年にはアニタ・ブライアントのカヴァーがヒットしている。
8.「Please Mr. Postman」(作曲:Bateman/Dobbins/Garrett/Gorman/Holland)
マーヴェレッツのデビュー・シングル。タムラ・レーベルから出た初めてのナンバー・ワン・ヒットでもある。
9.「Roll Over Beethoven」(作曲:Berry)
もともと1956年に発表されたチャック・ベリーの曲。全米シングル・チャートではトップ30に入るヒットとなった。
10.「You’ve Really Got A Hold On Me」(作曲:Robinson)
これは、ザ・ビートルズがカヴァー録音する直前に、スモーキー・ロビンソンのグループ、ミラクルズの録音で全米チャート・トップ10入りのヒットになっていた。
11.「Devil In Her Heart」(作曲:Drapkin)
1962年にドネイズが録音したのがオリジナル・ヴァージョン。そちらはヒットしていない。
12.「Money (That’s What I Want)」(作曲:Bradford/Gordy)
タムラ・モータウン・レーベルの創設者ベリー・ゴーディがジェイニー・ブラッドフォードと共作した曲。これは1960年にバレット・ストロングが吹き込み、モータウンの初ヒットとなった。
13.「Rock & Roll Music」(作曲:Berry)
こちらもチャック・ベリーの名曲。1957年に全米チャートで大ヒットとなった。
14.「Mr. Moonlight」(作曲:Johnson)
もともとブルース・ピアニストのピアノ・レッドがドクター・フィールグッド&ジ・インターンズ名義で吹き込んだ曲。そのオリジナル・ヴァージョンは、シングル「Dr. Feelgood」 (1962年にR&Bチャートでささやかなヒットになった) のB面に入っていた。
15.「Kansas City/Hey-Hey-Hey-Hey! [medley]」(作曲:Lieber/Penniman/Stoller)
「Kansas City」はジェリー・リーバー&マイク・ストーラーが1952年に作った曲で、もともとはリトル・ウィリー・リトルフィールドが「KC Lovin’」という題名で吹き込んでいた。この曲は1959年にウィルバート・ハリスンがカヴァーし有名になった。
またリトル・リチャードもカヴァーしており、そちらはライヴではたいていリチャード本人の曲「Hey-Hey-Hey-Hey!」とメドレーで演奏されていた。「Hey-Hey-Hey-Hey!」は、1958年にシングル「Good Golly Miss Molly」のB面で発表されている。
16.「Words Of Love」(作曲:Holly)
バディ・ホリーが作った曲で、1957年に作者本人が吹き込んでいる。そのヴァージョンではホリーが個々のパートを自ら歌い、それを録音したテープを組み合わせることでハーモニーを作り上げていた。ホリーのヴァージョンはさほど大きなヒットにはなっていない。
17.「Honey Don’t」(作曲:Perkins)
カール・パーキンスが作った曲。もともとは、1956年にサン・レーベルから出たシングル「Blue Suede Shoes」のB面で発表された。
18.「Everybody’s Trying To Be My Baby」(作曲:Perkins)
カール・パーキンスはジョージが憧れるミュージシャンの1人だった。ジョージはそのパーキンスの曲のカヴァーでリード・ヴォーカルを担当している。オリジナル・ヴァージョンは、1957年にサン・レーベルから出たアルバム『Dance Album of … Carl Perkins』に収録されていた。
19.「Act Naturally」(作曲:Morrison/Russell)
ジョニー・ラッセルとヴォニー・モリソンの共作曲。オリジナル・ヴァージョンはバック・オーウェンズ&ザ・バッカルーズの録音で、そちらは1963年にビルボード誌のカントリー・チャートで1位を獲得している。
20.「Dizzy Miss Lizzy」(作曲:Williams)
ラリー・ウィリアムズが作った曲で、作者本人の録音が1958年にささやかなヒットになった。
21.「Maggie Mae」(作曲:Traditional)
ソングライターのライオネル・バートは、リバプールに古くから伝わる娼婦を歌った民謡をもとにして、リバプールの造船所を舞台としたミュージカルを作り上げた。そのミュージカル『Maggie May』はロンドンで2年間に渡って上演が続いた。ザ・ビートルズのヴァージョンは、1970年発表の『Let It Be』に収録されている。
Written By Richard Havers
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