ヴィンス・ステイプルズ、セルフタイトルのニュー・アルバム『Vince Staples』を発売
カリフォルニア州ロングビーチ出身のラッパー、ヴィンス・ステイプルズ(Vince Staples)が、以前から予告していたセルフタイトルのニュー・アルバム『Vince Staples』を2021年7月9日にリリース。週末のSpotify GlobalとUSの初登場アルバムチャートで1位を獲得する好調な滑り出しとなっている。
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これまでで最もパーソナルな作品になるだろうと言われていた今作では、収録曲「TAKE ME HOME」でのFousheéが唯一のゲストとなり、コンプトンに生まれた青年から西海岸ヒップホップ・シーンを席巻するラッパーになるまでの自身のストーリーが展開されていく。また、今作のプロデューサーを務めるケニー・ビーツの手によって、アルバム全体がまとまりのある信頼性の高いサウンドに仕上がっている。
先月、ファースト・シングル「LAW OF AVERAGES」をリリースしたヴィンス・ステイプルズは、全10曲を収録したこのニュー・アルバムが、カリフォルニア州ロングビーチで育った自身の生い立ちや、昨日の自分と向き合いながら新たな明日に向かって前進し、その過程で人々を奮い立たせることを学んできた精神について掘り下げた作品になることを明かしていた。
また、Kid.Studioが監督した「LAW OF AVERAGES」の公式ミュージックビデオも公開された。ロングビーチの生活を覗き見するかのような瞬間がモンタージュで映し出されていく同ビデオは、ブラック・ジョイを具現化したイメージと、その周辺にある美しさが際立つ映画的なビジュアルとなっている。
今回の新作アルバムについて、ヴィンス・ステイプルズは次のように語っている。
「今まで語られたことのなかった俺についての情報がたくさん詰まっている。だからこそ、このタイトルにした。俺はこれまでもずっとこの話をしようとしてきたような気がします。人生を歩んでいくうちに、自分の視点は変わってゆく。これは、以前までの俺にはなかったのかもしれない、自分自身への全く異なる視点。多くの人にとって、俺はエンターテイナーである以上に、知力なのです。ファンのみんなが俺と一緒にこの旅に出てくれることに感謝しています。俺たちが今やっていることを多角的に展開していくことで、世界にどのような影響を与えられるのかを探る準備はできているから」
彼のプロジェクトは、先日出版を発表した新作グラフィックノベル『Limbo Beach』を皮切りに始まっている。
Written By Will Schube
ヴィンス・ステイプルズ『Vince Staples』
2021年7月9日発売
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