ヒップホップ誕生50周年を記念して、8月11日を“ヒップホップ記念日”にする決議案が米上院で可決
アメリカ合衆国上院は、ヒップホップ50周年を記念する決議案を全会一致で可決した。
この度可決されたシューマー=キャシディ決議案は、1973年にニューヨーク、ブロンクス区のセジウィック・アベニュー1520番地で開かれた新学期パーティーで、クライヴ・“DJクール・ハーク”・キャンベルが、後にヒップホップとして知られていく、彼の革新的な音楽スタイルを紹介した日からちょうど50年目となる2023年8月11日を“ヒップホップ記念日”とする他、2023年8月を“ヒップホップ認識月間”、さらに11月を“ヒップホップ歴史月間”に制定するものだ。
以前にそのパーティーが開かれた建物の所有者が良心的な家賃の住宅棟を撤去して、売却を考えていた時、DJクール・ハーク、ラッパーのKRS・ワン、そしてセジウィック・アベニュー1520番地の住民と協力してこの建物を救ったのが、ニューヨークで生まれ育った現米国連邦議会上院トップのチャック・シューマー院内総務だ。今回の決議案可決後の上院議場でのスピーチで彼は次のように述べた。
「私たちは、多くの人々が家を追われるのを防ぐことができたと同時に、この歴史的建造物を永遠に然るべきかたちで称えることができました」
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さらにチャック・シューマー議員はこのスピーチの中で、同決議案に共に取り組んだビル・キャシディ上院議員とジャマール・ボウマン下院議員、そしてヒップホップを称えるというアイデアを提案した“ヒップホップ歴史家”で友人のリロイ・マッカーシーに感謝の意を表しながら、次のように続けた。
「何十年もの間、ヒップホップは言語、人種、年齢、また地域特有の社会経済的な障壁を超越してきました。多くの人々が、ヒップホップが実際に彼らの人生をより良いものに変え、彼らに目的と意味を与えたという事実について証言しています。その多くは、私自身も含め、ニューヨーク市やブロンクス区の住民なのです。ヒップホップは素晴らしい。瞬く間に世界的なムーブメントへと花開いた、アメリカ独自の芸術形態です。ヒップホップの誕生50周年を記念するこの決議が可決されたことを、私たちはとても誇りに思っています」
ジャマール・ボウマン下院議員は7月19日に同決議案を下院に提出しており、現在はその採決を待っている。決議案が法律に成文化されるためには、同一の形式で両院を通過し、その後に大統領が署名しする必要がある。
Written By Lauren Harvey
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