レゲエがユネスコによって世界文化遺産に正式登録
1960年代、ジャマイカのキングストンから発祥したレゲエ・ミュージックは、現在では世界の隅々にまで普及し、その遺産は今、ユネスコ(国際連合教育科学文化機関)によって世界文化遺産として永続的に守られていくことになった。
ボブ・マーリー、グレゴリー・アイザックス、そしてトゥーツ・アンド・ザ・メイタルズら偉大なアーティストたちの功績により、ジャマイカで抑圧されていた彼らの声は、人々を奮い立たせる叫びとなり、“全人類の声として訴えかけ続ける”とユネスコの委員会は説明する。
今回のレゲエの世界遺産登録は、ジャマイカの文部大臣であるオリビア・グレンジが「これは私たちが創り出し、世界に浸透させてきた音楽なのです」と語る通り、ジャマイカがこの音楽を守るために積極的に働きかけてきた後に実現した。
レゲエはユネスコによる“無形文化遺産”の300のコレクションの中に、韓国の格闘技シルム、インドのヨガ、アイルランドのスポーツであるハーリングなどと共に登録される。
「創成期においてレゲエ・ミュージックのは過小評価されていましたが、今では様々な性別、人種、宗教グループが混在する世界中の社会において演奏され、受け入れられています。不平等、抵抗、愛、人間性などの問題における国際的な貢献は、知性的且つ社会政治学的であり、肉体的且つ精神的であるレゲエを創り出す原動力の現れです。世の中で起こっている物事の伝達方法であり、精神を浄化させる慣行であり、神を讃える手段である、という音楽の基本的な社会的機能はずっと変わることなく、音楽はこれからも全人類の声であり続けるのです」」とユネスコは語る。
毎年、ユネスコは、音楽やダンス、演劇に至るまで、様々な文化的行為を世界遺産リストに登録している。その多くは、発祥した国の外ではほとんど登録されたことが知られていないが、これは世界的に知られている文化遺産が登録された初めてに近い例として言えるだろう。
レゲエは、世界文化遺産の審議にかけられていた40の候補の中から選ばれ、審議員は、この登録により、レゲエ・ミュージックとその起源がより広く認知されるきっかけになることを望んでいる。
Written by Laura Stavropoulos
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