ユニバーサル ミュージック グループがアフリカ拠点の新レーベル「Def Jam Africa」の立ち上げを発表
ユニバーサル ミュージック グループ(以下UMG)は、アフリカのヒップホップやアフロビート、トラップの最も優れた才能を紹介する新レーベル部門「Def Jam Africa」の立ち上げを発表した。
Def Jam Africaはすでに、Boity、Cassper Nyovest、Larry Gaaga、Nadia Nakai、ナスティー・C、Tshego、Tellaman、Ricky Tyler、Vectorなど、南アフリカやナイジェリア出身アーティストの強力なラインナップを獲得しており、35年以上に渡ってヒップホップとアーバン・カルチャーの最先端を牽引し、影響を与えてきた象徴的レーベルDef Jam Recordingsを誇りをもって継承していく。
南アフリカのヨハネスブルグとナイジェリアのラゴスにレーベルの拠点を置きつつ、UMGサブサハラアフリカ/南アフリカ部門のチーフを務めるシーポ・ドラミニがA&R、マーケティング、プロモーションの各チームを統括しながら、アフリカ全土から才能を発掘、スカウトしていく予定だ。
シーポ・ドラミニは公式声明の中で次のように述べている。
「アフリカに暮らす私たちの多くは、UMG傘下の伝説的なレーベルが生んだ音楽を聴いて育ちました。ジャズ・ファンのためのブルーノートから、ヒュー・マセケラの最初のUSレーベルであるマーキュリー・レコード、そしてジョデシやメアリー・J.ブライジの本拠地であるアップタウン・レコーズなど、様々なレーベルがあります。ヒップホップ好きの人間にとって、Def Jamほど文化的、歴史的な意味を持つレーベルはありません。RUN D.M.C.からLL COOL J、ジェイ・Z、ビッグ・ショーン、カニエ・ウェストまで、偉大なアーティストを輩出してきたDef Jamは、常に世界中のヒップホップとアーバン・カルチャーの最終目的地であり続けてきました。この象徴的なレーベルを、アフリカ大陸に持ち込み、ヒップホップ、アフロビーツ、トラップの分野で最高峰を目指すアーティストたちのための真のホームをつくることができたのは歴史的な成果であり、私たちは共に、アフリカからヒップホップの境界線を押し広げ、世界中の新たなオーディエンスに魅力を感じてもらえるような新しいアーティスト・コミュニティを構築していくつもりです」
Def Jam Recordingsの臨時会長兼最高経営責任者であるジェフ・ハールストンはこうコメントしている。
「Def Jamは、優れたヒップホップの代名詞であり、世界的ブランドでもあります。私たちは、世界中のオーディエンスに、アフリカ大陸から出現する素晴らしい才能を持ったヒップホップ・アーティストたちの魅力を発見してもらう機会になるであろう、このDef Jam Africaの立ち上げを熱烈に歓迎しています」
今年初めには、南アフリカ出身のラッパー、ナスティー・Cが、アメリカのDef Jam Recordingsと提携し、2020年夏にアルバム『Zulu Man with Some Power』をリリースすることを発表していた。また今後も、Ricky Tyler、Boity、Nasty C、Tellaman feat. Alpha P、Vector、Cassper Nyovest、TshegoらのシングルがDef Jam Africaからリリースされる予定だ。
またDef Jam AfricaのプレイリストもSpotifyで公開となっている。
Written By Laura Stavropoulos
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