英レゲエ・ポップ・バンドUB40の元メンバー、“アストロ”ことテレンス・ウィルソンが64歳で逝去
英レゲエ・ポップ・バンド、UB40の元メンバーで、アストロ (Astro)の愛称で広く知られていたテレンス・ウィルソン(Terence Wilson)が、2021年11月6日、短期間の闘病生活の末、64歳で逝去した。死因は明かされていない。
UB40は、共同創設者で、サックス奏者、ソングライターだったブライアン・トラバースが3ヶ月前に62歳で亡くなったばかりだった。アストロがアリ・キャンベルやミッキー・ヴァーチューと共に演奏していたUB40の公式SNSは、次のように追悼を捧げている。
「愛するアストロが、短い闘病生活の末に亡くなったことをお伝えしなければならないことに、打ちひしがれています。彼のいない世界は考えられません。この非常に辛い時期に、彼のご家族のプライバシーを尊重していただくようお願い致します」
アストロは、1979年、イギリスのバーミンガムで結成されて間もなかったUB40に加わり、2008年に脱退した元メンバーのアリ・キャンベルとミッキー・ヴァーチューと共に新たなUB40を結成した2013年まで在籍した。
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UB40の全世界セールスは推定7,000万枚にも及び、ニール・ダイアモンドの「Red Red Wine」とロマンティックな不朽の名曲「Can’t Help Falling In Love」という2曲のカバー曲が全英・全米の両チャートで首位に輝いた。
また1985年には、プリテンダーズのクリッシー・ハインドをフィーチャーしたソニー&シェールの「I Got You Babe」カヴァーで3曲目の全英No.1を獲得し、これらは、UB40の17曲の全英TOP10ヒットと39曲のTOP40エントリーの中に含まれている。また、1983年の『Labour of Love』と1993年の『Promises and Lies』という2作のアルバムも全英1位を獲得した。
1957年生まれのアストロ ことテレンス・ウィルソンは、ラッパー兼トースターとして、結成当初の政治的色の強いインディー・レゲエ・サウンドからメインストリームのポップスへと移行していったUB40サウンドの重要な役割を果たした。
2014年に行われたreggaeville.comのインタビューで、アストロはレゲエへの変わらぬ情熱を次のように語っていた。
「UB40は、30数年前からレゲエ音楽の大衆化に貢献しようという使命感を持っていました。そして、あれから何年も経った今も、同じ使命を担っています。なぜなら、私たちはいまだにレゲエが、メインストリームのラジオでは十分にオンエアされていないと考えているからです。専門のラジオ局はたくさんありますが、彼らは改宗者に向けての説教しているに過ぎません。私たちが求めているのは、今までレゲエを聴いたことがなくても、興味を持ってくれる人々です。そのためには、誰かが道を示す必要があるのです。それが私たちの仕事なんです」
Written By Paul Sexton
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