数多くの映画やドラマのサントラに参加、ハーモニカ奏者のトミー・モーガンが逝去。その功績を辿る
黒人奴隷問題を描いたドラマ『ルーツ』や、ケビン・コスナー監督・主演・製作の『ダンス・ウィズ・ウルブス』など、数多くのTVドラマや映画や貢献したハーモニカ奏者のトミー・モーガン(Tommy Morgan)が2022年6月23日に89歳で逝去した。
トミー・モーガンは、1950年代初頭から映画やテレビのサウンドトラックやスタジオ録音まで、推定7,000作品に及ぶレコーディング・セッションに参加した。
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トミー・モーガンのハーモニカ演奏は、クインシー・ジョーンズによるコメディ・ドラマ『Sanford and Son』のテーマ曲やマイク・ポストが手掛けた『ロックフォードの事件メモ』のテーマ曲をはじめ、『マーベリック』、『わが家は11人』、『爆発!デューク』、『チャイナ・ビーチ』、『バフィー 〜恋する十字架〜』、『ファミリー・ガイ』といったテレビ・ドラマの他、ビーチ・ボーイズの「Good Vibrations」、カーペンターズの「Rainy Days and Mondays」、ホリーズの「He Ain’t Heavy, He’s My Brother,」、リンダ・ロンシュタットの「Skylark」、ランディ・ニューマン、カーリー・サイモン、バーブラ・ストライサンド、ニール・ダイヤモンド、オリビア・ニュートン=ジョン、ドリー・パートン、ジェイムス・テイラーらの楽曲でも聴くことができる。
米メディア“Variety”によると、トミー・モーガンは、2017年に行われた全米音楽商人協会のインタビューの中で、自身の経歴について次のように語っていたという。
「私はずっと自分のことを、ハーモニカを演奏するスタジオ・ミュージシャンだと思ってきました。生計を立てるにはとても刺激的な職業でした。次にどんな仕事が待っているのかわかりませんでしたから」
トミー・モーガンは、エルヴィス・プレスリーが完全復活を遂げた伝説のTV特番『’68カムバック・スペシャル』や、フランク・ザッパ、ヴァン・ダイク・パークス、ジョン・バリー、ロサンゼルス・フィルハーモニー管弦楽団らコンサートにも参加。
ジョニー・キャッシュ、グレン・ヤーブロー、ロッド・マッケンらのアルバムでは編曲も手掛けている他、『Chromatic Harmonica』、『Blues Harmonica』というミュージシャン向けのハウツー本や、今年初めに出版された自叙伝『You Made How Much for Doing What?』など3作の著書も残している。
映画、テレビ、音楽界でスタジオ・ミュージシャンとして活躍する傍ら、ソロのハーモニカ奏者として30カ国以上で行われたコンサートに出演を果たし、90年代後半には、アビイ・ロード・スタジオやロイヤル・アルバート・ホール、シンフォニー・ホールでロンドン・フィルハーモニー管弦楽団と共演している他、2000年のアカデミー賞授賞式でもソリストを務めたトミー・モーガンは、2001年にハーモニカ保存・進歩協会から“生涯功労賞”を授与されている。2013年末に脳卒中で倒れ、ミュージシャン活動に終止符を打った。
Written By Sam Armstrong
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