ザ・バンド『Stage Fright』50周年記念エディションから「Time To Kill」の未発表ライヴ音源先行公開
ザ・バンド(The Band)が、1971年にロンドンのロイヤル・アルバート・ホールで行ったライヴから「Time To Kill」の未発表音源が公開された。この曲は、2021年2月12日にリリースされる『Stage Fright』の50周年記念エディションに収録されるもの。
この音源「Time To Kill (Live at Royal Albert Hall)」は、ザ・バンドが3枚目のスタジオ・アルバムをリリースした数ヶ月後の1971年6月に録音された。
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『Stage Fright』50周年記念盤のリリースを監督した、ロビー・ロバートソンはこう振り返る。
「ザ・バンドのメンバーは皆、音楽的には最高潮に達していました。全員が最高の演奏をし、最高の歌声を披露した。アムステルダムからパリ、コペンハーゲンまで、毎晩、精神は高まり続けていたんです」
ロバートソンはこのロイヤル・アルバート・ホールでのライヴを「ザ・バンドがこれまでに演奏したライヴの中で最も素晴らしいものの一つ」と称賛。この歴史的なコンサートは幸運にも4トラックのレコーダーに収められてた。そのテープは50年近く保管されており、今回の発売に合わせて20曲のライヴ音源はボブ・クリアマウンテンが丹念に修復。彼は『Stage Fright』のオリジナル・マルチトラック・マスターからのリミックスも手掛けている。
この音源では、『Stage Fright』からの曲はもちろん、『Music From Big Pink』や『The Band』からの人気曲である「The Weight」「Has Surely Come」「King Harvest (Has Surely Come)」「Up On Cripple Creek」「The Night They Drove Old Dixie Down」「Across The Great Divide」「Chest Fever」なども収録されており、バンドが全力で演奏している様子が伺える。他にも、ボブ・ディラン作曲の「I Shall Be Released」や、スティーヴィー・ワンダーが作曲したフォー・トップスのヒット曲「Loving You Is Sweeter Than Ever」といった楽曲も収められている。
今回の50周年盤には、ザ・バンドの別の未発表音源も収録。『Calgary Hotel Recordings, 1970』と名付けられたこの7曲入り音源は、グループと一緒に旅をしていた写真家のJohn Scheeleが携帯用カセットレコーダーに収めた、その場かぎりのジャム・セッションだ。深夜のセッションでは、ロバートソンがギターとヴォーカル、リック・ダンコがハーモニーとリズムを奏で、リチャード・マニュエルがヴォーカルとハーモニカで参加している。
1970年8月17日にリリースされたアルバム『Stage Fright』は、ザ・バンドの代表曲である「The Shape I’m In」とタイトル曲が収録されている。これらの楽曲では、リチャード・マニュエルとリック・ダンコのリード・ヴォーカルがそれぞれインスピレーションを受けたパフォーマンスを披露し、その後のライヴの定番となった。劇場ウッドストック・プレイハウスのステージで12日間に渡って録音されたこのアルバムは、ザ・バンドが初めてセルフ・プロデュースし、トッド・ラングレンがエンジニアとミックスを担当し、さらにグリン・ジョンズがミキシングを担当した。
今回、新たにリミックス、リマスター、拡張されたアルバムは、スーパー・デラックス・ボックス・セット(2CD/ブルーレイ/1LP/7インチ・シングル)、デジタル配信、2CD、180gブラックLP、限定版180gカラーLPで発売される(購入はこちら)。
今回の50周年記念エディションは、すべてメイン・ソングライターのロビー・ロバートソンが監修。さらには、ボブ・クリアマウンテンがオリジナル・マルチ・トラック・マスター・テープからリミックスしたニュー・ステレオ・ミックスを採用。前述のライヴパフォーマンスに加え、「Strawberry Wine」と「Sleeping」のオルタネートバージョンを含む未発表音源が収録される。また今回初めて収録曲が当初計画されていた曲順で並べられている。
Written By Sophie Smith
ザ・バンド『Stage Fright』50周年記念スーパー・デラックス・エディション
2021年2月21日発売
<2CD + 1LP + ブルーレイ + 7インチ・シングル/輸入国内盤仕様/完全生産限定盤>
購入はこちら
★CD1:ニュー・ステレオ・ミックス + ニュー・ボーナス・トラック + 未発表のカルガリー・ホテル・デモ・トラックス
★CD2:1971年ロイヤル・アルバート・ホールでのライヴ音源
★1LP:180g重量盤/ニュー・ステレオ・ミックス
★ブルーレイ [オーディオのみ]:ステレオ、5.1サラウンド&ハイレゾ・ミックス
★7インチ・シングル「Time To Kill / The Shape I’m In」(オリジナル・キャピトル盤を復刻)
★ロビー・ロバートソンによるニュー・ライナー&1970年のロサンゼルス・タイムス・レヴュー付フォト・ブックレット
<日本盤のみ>★英文ライナーの翻訳/歌詞対訳付 ★SHM-CD仕様
ザ・バンド『Stage Fright』50周年記念
2021年2月21日発売
2CD / カラーLP / LP
CD1:
“The W.S. Walcott Medicine Show”
“The Shape I’m In”
“Daniel And The Sacred Harp”
“Stage Fright”
“The Rumor”
“Time To Kill”
“Just Another Whistle Stop”
“All La Glory”
“Strawberry Wine”
“Sleeping”
Bonus Tracks
“Strawberry Wine” (Alternate Mix)
“Sleeping” (Alternate Mix)
Calgary Hotel Room Recordings, 1970
“Get Up Jake” (#1)
“Get Up Jake” (#2)
“The W.S. Walcott Medicine Show”
“Rockin’ Pneumonia And The Boogie Woogie Flu”
“Calgary Blues”
“Before You Accuse Me”
“Mojo Hannah”
CD2:
Live At Royal Albert Hall, June 1971
(Previously Unreleased)
“The Shape I’m In”
“Time To Kill”
“The Weight”
“King Harvest (Has Surely Come)”
“Strawberry Wine”
“Rockin’ Chair”
“Look Out Cleveland”
“I Shall Be Released”
“Stage Fright”
“Up On Cripple Creek”
“The W.S. Walcott Medicine Show”
“We Can Talk”
“Loving You Is Sweeter Than Ever”
“The Night They Drove Old Dixie Down”
“Across the Great Divide”
“The Unfaithful Servant”
“Don’t Do It”
“The Genetic Method”
“Chest Fever”
“Rag Mama Rag”
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