故アヴィーチーのトリビュート・ミュージアム“Avicii Experience”がストックホルムにオープン

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3月 2, 2022

ItoMasaki

Avicii - Photo: Jason Merritt/Getty Images for Tribal Brands

プロデューサー・DJとしてジャンルを超えて活躍した故アヴィーチー（Avicii、本名ティム・バーグリング）の人生と作品を称えるトリビュート・ミュージアム“Avicii Experience”が、現地時間2月25日、彼の故郷であるスウェーデンのストックホルムにオープンした。

スウェーデンのカール・フィリップ王子とソフィア王女が、アーティストの父であるクラス・バーグリングと共に、オープニング・セレモニーを取り仕切った。

同ミュージアムの公式サイトによると、この“Avicii Experience”では、アヴィーチーのエレクトロニック・ミュージック界への目覚ましい貢献について学ぶだけでなく、ベストセラーとなった数々のコラボレーション作品を含む、彼の創作プロセスについて理解を深める機会を提供する。同ミュージアム内では、彼の遺作となったアルバム『Tim』からの未発表音源や、世界的ブレイクのきっかけをつくった2011年の「Levels」の貴重な初期ヴァージョンも聴くことができる。

面積にして3,700平方フィート（約344平方メートル）のギャラリー内では、アヴィーチーが幼少期に過ごしたベッドルームのレプリカをはじめ、彼にまつわる様々な展示品を通して彼の人生を讃えることができる。同ミュージアムを手掛ける製作チームのコンテンツ・プロデューサー兼広報担当であるLisa Halling-Aadlandは、ビルボードの取材に次のように語っている。

「この展示の着想は、来場者に“私の兄弟だったかもしれない、私の友人だったかもしれない”という親近感を抱いていただくことです」

さらに、同ミュージアムのコンテンツや展示物の多くを監修した彼の父クラス・バーグリングと、母で女優のアンキ・リデンについて、Lisa Halling-Aadlandはこう付け加えた。

「クラスとアンキの協力なしでは、この展示は実現しなかったでしょう。彼らは、小道具、情報、楽器、手引き、文字通りすべてを提供してくれました」

同じくストックホルム市内に2013年にオープンしたABBAミュージアムなどを手掛けてきたPophouse Entertainment社がプロデュースする“Avicii Experience”は、2021年11月、ストックホルムの中心部にオープンしたゲーム、音楽、コンテンツ制作を融合した7つのフロアから成るデジタル・カルチャー・センターSpace内に開設。

入場チケットの売り上げの一部は、“自殺が世界規模の健康危機であることを認識し、自殺やメンタルヘルス問題につきまとう偏見を取り除くために積極的に活動する”ティム・バーグリング財団に寄付される（同財団のウェブサイトより）。息子の早すぎる死の後に同財団を設立したクラス・バーグリングは、声明の中でこの新たな展示をこう賞賛している。

「ティムはこのように展示されることをさぞかし誇りに思っていたことでしょう。デジタル技術を駆使した新しいテイストと、クラシックなミュージアムの組み合わせは、彼にとって魅力的なものだったと思います」

“Avicii Experience”の開設に加え、昨年末出版された公式伝記本『Tim: The Official Biography of Avicii』など、アヴィーチーの人生とその音楽的レガシーは様々なかたちで讃えられている。昨年5月には、スウェーデン最大のコンサート会場の一つであるストックホルムのエリクソン・グローブが、正式に“アヴィーチー・アリーナ”に改名された。

また、アヴィーチーは、過去にスウェーデン出身のラッパーであるヤング・リーンを追った『Yung Lean: In My Head』などを手掛けてきたヘンリック・バーマンが監督を務める2023年のドキュメンタリー映画の題材となることも決定している。声明によると、この新たなドキュメンタリー映画は、“時代を定義し、音楽の世界を永遠に変えた音楽とアーティストをより深く見つめ、彼の比類なき成功と、プレッシャーに対峙する上での苦悩を、間近で、親密に、そして壮大に描いた物語”であるという。

Written By Lexi Lane