アレックス・ハーヴェイ・バンド、ロリー・ギャラガーなどで活躍したドラマー、テッド・マケナが逝去
ロリー・ギャラガーやセンセーショナル・アレックス・ハーヴェイ・バンド、イアン・ギラン、マイケル・シェンカーなど幅広いジャンルのアーティストと共演した名高いロック・ドラマー、テッド・マケナが68歳で逝去した。
彼の訃報は、彼の親しい友人だった人物によってFacebookでこう伝えられた。
「彼を愛した全ての方々へ、今朝テッドが待期的手術中の出血によって亡くなりました。この異常事態に外科チームが10時間かけて彼を救おうと奮闘しましたが、残念ながら出血を止める手立てがなく、彼は何も知らずに意識を失っていきました。彼のことがとても恋しくなります」。
テッド・マケナは1950年にスコットランドのレノックスタウンに生まれ、センセーショナル・アレックス・ハーヴェイ・バンドのスタジオ・アルバム全7作品やアレックス・ハーヴェイ抜きのセンセーショナル・アレックス・ハーヴェイ・バンドのアルバム『Fourplay』にも参加した。
1973年のレディング・フェスティバルで初めて演奏されたバンドの代表曲「Faith Healer」の斬新なパフォーマンスがその日のハイライトとなり、デフ・レパードのジョー・エリオットにも大きな影響を与えた。
「アレックスはソロ・パートの時、必ず僕のところに寄ってきてシンバルを叩いていくんだ」と、テッド・マケナはクラシック・ロック誌に語っていた。「ある晩、ジョー・エリオットがシェフィールド市民会館での僕たちのライヴを最前列で観ていた時、アレックスが叩いたシンバルがライザーから落ちて、ステージの端まで転がっていったことがあるんだけど、何年も後になって、あの晩ジョーがそのシンバルで彼の手を切ったいたことを教えてくれたよ。大事に至らなかったのが不幸中の幸いさ。それでもセンセーショナル・アレックス・ハーヴェイ・バンドは彼にとって大きなインスピレーションだったようだ。当時、僕らみたいなバンドは他にいなかったからね」。
1978年のアルバム『Rock Drill』リリース後にバンドは分裂し、テッド・マケナは、当時パワー・トリオ編成へ立ち戻ったロリー・ギャラガーのバンドのロッド・ディアースの後任として迎え入れられた。その後は、ロリー・ギャラガーがクリサリス・レコードからリリースした1978年の『Photo-Finish』、1979年の『Top Priority』、そして1980年のライヴ・アルバム『Stage Struck』などのクラシック作品に参加している。
テッド・マケナはセッション・ミュージシャンとしても活躍し、グレッグ・レイク・バンドのグレッグ・レイク、ゲイリー・ムーアはじめ、マイケル・シェンカー・グループ、イアン・ギラン、ナザレスのヴォーカル、ダン・マッカファーティーとの共演歴を誇る。
近年では、ゲイリー・バーデン、グラハム・ボネット、そしてロビン・マッコーリーという、マイケル・シェンカー・グループの歴代シンガーが集結したマイケル・シェンカー・フェストに参加していた。
偉大なるドラマー、テッド・マケナの死を悼む声は後を絶たない。ホワイトスネイクのベーシスト、ニール・マーレイは「テッド・マケナの急死という悲しすぎる訃報に大変ショックを受けています。つい3週間前に、コージー・パウエルの誕生日パーティーで会ったばかりでした。愛すべき偉大なドラマーで、彼の死は多くの人に惜しまれることでしょう」。
ステイタス・クォーの元ドラマー、ジョン・コーランは自身のツイッターでこう述べている。「私たちの最愛の友、テッド・マケナの訃報を知って残念でなりません。大好きなドラマーで素晴らしい人物でした。あなたが恋しくなります」。
Written by Tim Peacock