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SUM 41、最新作『Heaven :x: Hell』のリリースと最後のワールドツアーをもって解散を発表
カナダ出身のハードコア&メロディック・パンク・バンド、SUM 41(サム・フォーティーワン)が、約30年間の活動に終止符を打ち、最新アルバム『Heaven :x. Hell』のリリースと最後のワールドツアーをもって解散することを発表した。
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— Sum 41 (@Sum41) May 8, 2023
バンドはSNS上で次のような声明を発表している。
「1996年以来、SUM 41としての活動は、僕たちの人生におけるいくつかの最高の瞬間をもたらしました。僕たちのことをあらゆる方法で支えてくれた新旧のファンに永遠に感謝しています。SUM 41は解散することになりました。年内に予定されているツアー日程を全てやり切って、最後のアルバム“Heaven :x: Hell”をリリースすること、新作を記念した最後のワールド・ヘッドライン・ツアーの開催を楽しみにしています」
バンド活動を振り返る
1996年に活動をスタートさせたSUM 41は、2001年のデビュー・アルバム『All Killer, No Filler』で一躍ブレイクを果たし、世界中で300万枚を売り上げた同アルバムは、母国カナダの他、アメリカ、イギリスでもプラチナ・レコード認定された。
続く2002年の2作目のアルバム『Does This Look Infected?』でも全世界で500万枚以上を売り上げるヒットを記録した彼らは、メンバー自らが“ペイン・フォー・プレジャー(Pain for Pleasure)”と称したヘヴィメタル・バンドに扮し、彼らのツアーのサポート・アクトとして出演するなど、世間の注目を集め続けた。以降も『Chuck』『Underclass Hero』「Screaming Bloody Murder』など数々の作品を発表している。
また彼らは、過去にニッケルバック、ダイアナ・クラール、サム・ロバーツといったカナダが誇るスターたちが受賞してきたジュノー賞に2度輝いている。2012年のグラミー賞では、代表曲「Blood in My Eyes」が最優秀ハード・ロック/メタル・パフォーマンスノミネートされていたが、フー・ファイターズの「White Limo」に阻まれ、惜しくも受賞は逃したものの、ファンからは熱い支持を獲得していた。
ヘヴィメタルやハードコア、ガレージロックといったジャンルにもルーツを持ち、メロディーを重視しながらもますます複雑なサウンドの枠組みを探求する彼らの音楽は、単純に“パンクロック”として定義することはできないが、彼らはバッド・レリジョン、ランシド、グリーン・デイ、スレイヤー、ニルヴァーナ、さらにはザ・ビートルズといったバンドから影響を受けたとされている。
Written By Sam Armstrong
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