故チャーリー・ワッツの妻であるシャーリー・ワッツが84歳で逝去。夫婦の絆を辿る
ザ・ローリング・ストーンズ(The Rolling Stones)のドラマー、故チャーリー・ワッツの妻であるシャーリー・ワッツ(Shirley Watts)が12月16日、84歳で逝去した。チャーリーが2021年8月に80歳で亡くなった時点で、夫妻は結婚57年目を迎えていた。家族は次のような声明を発表している。
「セラフィーナ、シャーロット、バリーは、深い悲しみをもって、とても愛されていた私たちの母、祖母、義母であるシャーリー・ワッツが亡くなったことをお知らせします。シャーリーは短い闘病生活の末、12月16日にデボンで家族に見守られながら安らかに息を引き取りました。妹のジャッキーとジル、そして弟のスティーブンもまた、彼女の死を心から悲しんでいます。彼女は最愛のチャーリーと永遠の再会を果たしたことでしょう」
バンド・メンバーのロニー・ウッドは次のように追悼を捧げている。
「サリーと私は、友人のシャーリー・ワッツの訃報を知ってとても悲しく思っています。とても寂しくなりますが、(向こうで)最愛のチャーリーと再会できることは慰めになります。彼らの娘セラフィーナ、孫娘シャーロット、義理の息子バリーに心よりお悔やみ申し上げます」
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その生涯とチャーリーとの出会い
1938年9月11日、ロンドンでシャーリー・アン・シェパードとして生まれた彼女は、ホーンジー・カレッジ・オブ・アートで彫刻を学び、そこで将来の夫となるチャーリーと出会う。2人は当初、結婚したことを内密にしていたが、ザ・ローリング・ストーンズが世界的に有名になった1964年、英国のマスコミによって暴露されてしまった。
最初の住まいはロンドンで、その後イースト・サセックス州のルイスへと移り、バンドが税金対策で亡命していた時期に移り住んだフランスの物件は、英国に戻った後も所持していた。その後、デボンにあるドルトンという小さな村に定住し、シャーリーは愛馬たちのためにアラブ馬の種馬飼育場を経営することになった。
uDiscoverのライターで作家のポール・セクストンによるチャーリー・ワッツの公認伝記本『Charlie’s Good Tonight』にも書かれているように、シャーリーは彼にとって“最も不変的存在であり、まさに人生最愛の人”だった。
二人の絆
最初のロンドンの家で2人と一緒に過ごし、撮影を行った写真家のベント・レジは、1965年の著書にこう記している。
「シャーリーとチャーリーは互いにとても愛し合っていると、彼らは告白している。彼女が世界中のどこへでも彼について行けるように、部屋の一角には、荷造りしたトランクが4つも置いてあるのです」
夫の控えめな態度に合わせて、彼女も概して目立たないようにしていたが、後年も、度々ツアー中のチャーリーのもとを訪れていた。彼女の存在は、彼自身が認めているように、バンドの過密なツアー・スケジュールを好んでいなかったチャーリーを元気づけていたのだ。
「シャーリーが来ると、いつも雰囲気が変わるんです。チャーリーはいつもとてもリラックスした様子でした」と、バンドの内部事情に明るいトニー・キングはポール・セクストンに語っている。
チャーリー・ワッツはしばしば家族と共に家で過ごす生活に憧れていたが、シャーリーにはすぐに煙たがられるだろうと冗談混じりに語っていたという。動物保護活動や馬に情熱を注いでいた彼女は、1982年に行われたHorse & Hound 誌の取材にこう語っている。
「チャーリーがアラブ種の牡馬の写真を見せてくれて、私は恋に落ちました。チャーリーが初めて買ってくれたアラブ馬は交雑種でしたが、そこからどんどん広がっていったんです」
チャーリーは2003年のインタビューで、妻シャーリーについて次のように述べていた。
「私は堅実な家庭という幸運に恵まれました。私がストーンズのメンバーになる以前、アレクシス・コーナーのバンドで演奏を始めた頃に私たちは初めて出会いました。妻は、ミックやキースを私と同じぐらい昔から知っています。彼女は思慮深い女性で、いつもストーンズと程よい距離感を保っているんです」
トニー・キングは伝記本『Charlie’s Good Tonight』の中でこうも語っている。
「彼の結婚生活と子供と孫が彼の人生の基盤であったことは間違いありません。彼はザ・ローリング・ストーンズとバンドにまつわる全てを愛していました。でも、何よりも家族を一番に愛していました」
Written By uDiscover Team
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