ディキシー・カップスのローザ・ホーキンズが76歳で逝去。その功績を辿る
1960年代に活躍したニューオーリンズ出身のR&Bヴォーカル・グループ、ディキシー・カップス(Dixie Cups)のオリジナル・メンバーとして知られるローザ・ホーキンズ(Rosa Hawkins)が2022年1月11日、フロリダ州のタンパ総合病院で逝去した。76歳だった。
彼女の姉で同じくグループのメンバーであるバーバラ・ホーキンズは、ローザの死因が、前週に受けた外科手術後に併発した内出血と合併症だったことを明かしている。
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1963年、ホーキンズ姉妹は、従姉妹のジョアン・マリー・ジョンソンと共にディキシー・カップスを結成。ジェフ・バリー、エリー・グレニッチ、フィル・スペクターが共作し、ニューヨークのレッド・バード・レコードからリリースした彼女達のデビュー・シングル「Chapel Of Love」は、1964年6月の全米シングル・チャートで、ザ・ビートルズの「Love Me Do」から首位の座を奪い、その後3週にわたって1位を獲得した。
「Chapel Of Love」は、その後ザ・ロネッツ、ベット・ミドラー、ザ・パースエイジョンズなど様々なアーティストによってカヴァーされており、ビーチ・ボーイズは1976年のアルバム『15 Big Ones』に彼らのヴァージョンを収録している他、エルトン・ジョンは1994年の映画『フォー・ウェディング』のサウンドトラックのためにこの曲を録音している。
後にグループのマネージメントを務めることになるシンガー兼プロデューサーのジョー・ジョーンズによって見出されたディキシー・カップスは、1964年に「People Say」でR&BチャートTOP10とポップ・チャートTOP20入りを果たし、その後も「You Should Have Seen the Way He Looked at Me」や「Little Bell」などのシングルがヒットを記録。
地元ニューオーリンズのマルディグラ・インディアンのチャントを引用したフォーク・ソング「Iko Iko」のカヴァーは、全米ポップ・チャートとR&Bチャートの両方で20位を記録し、彼女たちのもうひとつの代表曲となった。
チャートでの活躍を終え、1966年にジョー・ジョンソンが去った後も、ディキシー・カップスはニューヨークからニューオーリンズへと拠点を戻し、長年にわたってライヴ活動を継続。グループの最新ラインナップには、ネヴィル・ブラザーズの妹で、ホーキンズ姉妹の長年の友人でもあったアセルグラ・ネヴィルが新メンバーとして加わっていた。
ネヴィル・ブラザーズのアート・ネヴィルとミーターズは、1977年に行われたBlack Music誌のインタビューで、音楽評論家のクリフ・ホワイトに次のように語っていた。
「ジョーは賢い人でした。彼は長年この業界にいて、ディキシー・カップスというグループもかかえていました。彼女たちは僕たちの友人で、僕らは皆同じプロジェクト出身で、実際僕の妹アセルグラは彼女たちがまだ学生だった頃(メルトーンズとして知られていた当時)に一緒に歌っていたんです」
バーバラ・ホーキンズは、ウェブメディア“nola.com”の取材にこう語っている。
「ローザにとって、息子や私、孫や甥っ子、姪っ子たちの次に大切なのは、歌うことでした。彼女はステージに立つ時、とても幸せそうでした。好きなことをしている時の彼女は、態度も物腰も何もかもが違っていました」
さらに、彼女はこう付け加えた。
「私たちはビジネス一筋でした。意見が食い違うこともありましたが、母から、絶対にお互いに怒りを抱いたままベッドに入ってはいけないよと教えられていたので、私たちはその言いつけを守っていました」
ローザ・ホーキンズの回顧録『Chapel of Love: The Story of New Orleans Girl Group the Dixie Cups 』は、昨年、ミシシッピ大学出版局から出版されている。
Written By Paul Sexton
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