ザ・ローリング・ストーンズの結成60周年を記念した最新ツアー<SIXTY>がマドリッドから開幕
ザ・ローリング・ストーンズ(The Rolling Stones)の結成60周年を記念した最新ツアー<SIXTY>が、現地時間6月1日にスペインのマドリッドから開幕した。
日中は茹だるような暑さだった当日、彼らがステージに上がる30分前に日没を迎えても尚、会場となったワンダ・メトロポリターノ・スタジアムに集まった観客は、伝説のロック・バンドの太陽は沈むことはないことを証明した。
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ザ・ローリング・ストーンズのツアー初日は、彼ら自身が認めているように、常に未完成の状態である。しかし、今回のライヴでは、 故チャーリー・ワッツが何十年も使ってきたドラムの座を、昨年の全米ツアーに続く2度目の参加となったスティーヴ・ジョーダンが見事に守り抜いた。そして、スリルとサプライズに満ちた真のライヴ・パフォーマンスにこだわり続けるバンドにとっては、時折生じるトラブルでさえも支払うに値する代償なのだ。
色鮮やかな巨大ステージの両サイドと、その後方にスクリーンが設置された最新ツアーのセットは、長いランウェイこそあるものの、昨今のツアーでよく見られる“B”ステージはなく、ややこじんまりとした印象を受ける。
このツアーでチャーリー・ワッツの芸術的パフォーマンスが見ることができないのは寂しい限りだが、長年彼らのツアーのプロダクションを手掛けるStufishは、今回も驚きに満ちた刺激的なステージを作り上げ、何より、バンドがいまだバリバリの現役で、いかなる基準で見てもとてつもないスケールでツアーを続けているという事実には驚かされる。
この初日公演のセットリストには、「Street Fighting Man」をはじめ、「19th Nervous Breakdown」、「Start Me Up」など、ファンが期待する全ての定番曲が盛り込まれつつ、アルバム『Steel Wheels』からの「Sad Sad Sad 」、ファン人気の高い「Beast Of Burden」と新鮮な驚きを与えてくれる選曲もあ、った。
中でも、1966年のアルバム『Aftermath』から、初披露となった「Out Of Time」はこの夜のハイライトとなり、冒頭からスペイン語でファンに語りかけるミック・ジャガーに応えるかのように、観客によるサビのシンガロングで会場は熱気に包まれた。
21世紀に入ってから書かれた作品は、ロックダウン中にリリースされた「Living In A Ghost Town」の1曲のみだったが、このツアーでの初パフォーマンスは、「曲は実際に演奏してみるまでわからない」という格言を実証するほどの良い仕上がりだったと言える。
キース・リチャーズによる恒例の2曲のステージは、力強いヴォーカルで披露した「Happy」に続く「Slipping Away」で、途中ステージ助手によってパフォーマンスが妨げられる場面もありながらも終始観客には温かく迎え入れられた。
グルーヴィな「Miss You」や「Start Me Up」、そしてライヴ当日に75歳の誕生日を迎えたロニー・ウッドがひと際輝きを放った「Paint It Black」など、その後も華々しい演奏が繰り広げられたこの日のセットでは、いつもにも増して壮大な「Midnight Rambler」に続く「Jumping Jack Flash」でメイン・ステージで締め括った後、アンコールの「Gimme Shelter」と「Satisfaction」で再び会場を盛り上げ、彼らの現役ツアー・バンドとしての健在ぶりを見せつけた。
Written By Paul Sexton
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