ダウンロード・フェスティバル2018:ガンズが大トリをつとめたUK最大のロック/メタル・フェス

Published on

メタル・ヘッドからパンクスまで、そしてそのジャンルの間にいる大勢の人々が、2018年6月8日~10日に行われたイギリス最大級のハード・ロック&メタルのイベント、ダウンロード・フェスティバルの開催地であるドニントン・パークに押し寄せた。

今年で16回目を迎えるこのイベントは、これまで以上に最高のラインナップを揃えた。マリリン・マンソンやバッド・レリジョン、ライズ・アゲインスト、ブレット・フォー・マイ・ヴァレンタイン等々、そしてオジー・オズボーン、ガンズ・アンド・ローゼズ、アヴェンジド・セヴンフォールドの3組がヘッドラインを務めた。

我々は今年度の最もエキサイティングなバンドたちについてリポートするべく、この3日間開催される有名なフェスティバルに訪れた最大10万人のファンと共にイベントに参戦してきた。

金曜日:

マーモゼッツ

金曜日の夕方、メイン・ステージに登場したのは、ヨークシャー出身のオルタナティヴ・ロックバンドでエネルギー溢れる女性ボーカル、ベッカ・マッキンタイア率いるマーモゼッツだ。セット・リストには、2014年のデビュー盤『The Weird And Wonderful Marmozets(邦題:マーモゼッツの奇妙で素敵な世界)』から「Particle」、そしてアークティック・モンキーズの「Snap Out Of It」を彷彿させる「Like A Battery」が含まれていた。昨年のダウンロード・フェスティバルでは観客として参加していた彼らだが、一年の間にこんなにも成長するとは驚きである。

「Vibe Tech」はマス・メタルへ傾倒した楽曲で、かつフロント・ウーマンのベッカ・マッキンタイヤによるエネルギッシュなボーカルと組み合わさっている。パラモアのようなバンドが異なる音楽のスタイルを見出しているからこそ、彼女の存在はそのギャップを見事に埋めている。

セットの間、一時的に取り乱し、少し涙ぐむマッキンタイヤの姿から、彼女にとってここで演奏することの意味を感じるだろう。マーモゼッツは最高の一曲「Major System Error」で演奏を締めくくる。初めから最後まで、素晴らしいパーフォーマンスだった。そしてこのフェスティバルのこの時間枠に登場するに価するバンドであることを証明したのだった。

土曜日:

ザ・テンパランス・ムーヴメント

ソウルフルなボーカルのフィル・キャンベル率いるスコットランド育ちのブルース・バンドは恐らくこの日の時間枠ではなく、前日の二日酔いが残っている者たちのために、日曜日の午後に行われたチルアウト・セッションの時間帯に出演した方が良かったかもしれない。しかし、彼らは最新アルバム『A Deeper Cut』からの新曲、「Love and Devotion」を披露して実力をみせることができた。

 

ザ・ストラッツ

ザ・ストラッツに関しては神に感謝といったところだ。黒とゴールドの衣装を纏い、まばゆいばかりのフロントマンのルーク・スピルが、ステージを気取って歩く。まるで過去の40年間が他のみんなの身に起こったかのごとく、ミック・ジャガーのように動き、フレディ・マーキュリーのように振る舞う。土曜日の午後にふさわしく最高に盛り上げてくれるバンドである。彼らのエネルギッシュ溢れるセットの見どころは、彼らの心の中にあるスレイドを醸し出す「Kiss This」や「It Could Have Been Me」である。刺激的なセットが終わり、今日彼らは新しいファンをたくさん獲得したであろう。

サンダー

現在のイギリス、ロック・シーンの中でも最大のバンド、サンダーは30年近く活動を続けているバンドだ。彼らはベテランではあるものの、彼らの火はまだ赤々と燃えている。リトル・ミックスのTシャツを着用したダニー・ボウズは、長年のツアーから作られた一流のセットで駆け抜ける。見どころは当然、彼らの活動初期の「Higher Ground」や最も愛されている彼らのバラード曲の「Love Walked In」で、セットの締めくくりの一曲「Dirty Love」はイギリスの名バンドとしての彼らのステイタスを確立した。

ガンズ・アンド・ローゼズ

ダウンロード・フェスティバル2日目の大トリを務めるガンズ・アンド・ローゼズのセットへの期待感はこの日1日中を通して目に見えていた。目で確認出来る以上に広がっていく観客は、ガンズ・アンド・ローゼズの到着を心待ちにじっと耐えていたのだ。バンドがステージに登場するや否や、「It’s So Easy」を披露すると待ちに待った観客達は激しく盛り上がり、そのまま「Mr. Brownstone」へと突入。巨大な群衆の人々が興奮して弾む光景は目を見張るものがあった。

「Chinese Democracy」でスラッシュがみんなを突き動かし、アクセルがあの有名な楽曲のフレーズ「Do You Know Where You Are?」とドニントンに集まった群衆に問いかける間、スラッシュが「Welcome To The Jungle」のイントロでもったいぶる。フェスティバルの今晩のヘッドライナーの音は、強い日差しを浴びた夕暮れの中で極めて壮大である。「Better」や「Estranged」、そして「Live And Let Die」でペースを落とし、そしてバンドは客席に向けてヨーロッパ・ツアーで披露しているヴェルヴェット・リヴォルヴァーの「Slither」を披露した。

バンドがジャムをしている間に、ダフ・マッケイガンがリフをちらつかせると「Rocket Queen」が始まることに気づいた観客は大盛り上がり。「You Could Be Mine」は当然、バンドにとっては鉄板の楽曲だ。ダフ・マッケイガンへのアクセルのイントロと共に、ジョニー・サンダースの「You Can’t Put Your Arms Around A Memory」から、ミスフィッツのカヴァー「Attitude」へと溶け込んでいく。

「This I Love」に続いて、6月29日に再発される『Appetite For Destruction』からの先行楽曲で、パンク・ロックですぐさま口ずさんでしまう「Shadow Of Your Love」へと進んでいく。そして「Civil War」で素晴らしいパフォーマンスを見せたあと、スラッシュのギター・ソロで「Speak Softly Love」へと辿り着く。

3時間にも及ぶセットを達成したあとですら、観客たちが会場を離れる気配はなかった。10万人という大勢の人々が、「Sweet Child o’ Mine」のイントロを弾くスラッシュに合わせて体を揺れ動かし、飛び跳ねる光景は実に独特なものだった。またその日は、様々なカヴァーが聞けた夜でもあった。ヨーロッパツアーのこの日にグレン・キャンベルの「Wichita Lineman」のカヴァーを披露し、そして雲が過ぎ去るにつれ、まるで神の席に座っているかのようなスラッシュとリチャード・フォータスと共に、ピンク・フロイドの「Wish You Were Here」のソウルフルなカヴァーを披露した。

引き続き、ダウンロード・フェスのレビューをお楽しみに。

Written By uDiscover Team



『Appetite For Destruction』6/29発売
国内盤・輸入盤、限定超豪華BOXなど、全形態はこちら

Share this story

Don't Miss

{"vars":{"account":"UA-90870517-1"},"triggers":{"trackPageview":{"on":"visible","request":"pageview"}}}
モバイルバージョンを終了