クエストラブ監督作『サマー・オブ・ソウル』で描かれた伝説的フェスと同じハーレムにて音楽祭開催
クエストラブ(Questlove)が初監督を務め、ウッドストックと同じ1969年の夏に開催されたもうひとつの歴史的フェス<Harlem Cultural Festival)>を映画化した『サマー・オブ・ソウル(あるいは、革命がテレビ放映されなかった時)』。
2021年の公開以降、数々の賞を受賞してきた同ドキュメンタリー映画の公開をきっかけに、地元ハーレムの主催者チームが、同じ場所で新たな音楽祭を開催し、その歴史を讃えようと計画している。2023年にマーカス・ガーヴェイ・パーク(元マウント・モリス・パーク)で数日間にわたって開催されるこの新たな音楽祭<Harlem Festival of Culture>では、様々なアーティストによるパフォーマンスが行われる予定だ。
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<Harlem Festival of Culture>の創始者は、地元の起業家でプロデューサーのニコア・エヴァンス、イベント・マネージャーのイボンヌ・マクネア、そして幼少期にオリジナルのフェスティバルに参加し、映画『サマー・オブ・ソウル』にも登場する“ハーレム・アンバサダー”ことモデル・俳優・作家のムーサ・ジャクソンという顔ぶれで、来年の初開催に先立ち、4月15日にニューヨーク市博物館で行われる“A Harlem Jones”(映画『ラブ・ジョーンズ』の公開25周年にちなんで)のオープンマイク・ナイトを皮切りに、今年1年を通して様々な関連イベントの開催が予定されている。
映画『サマー・オブ・ソウル』のエグゼクティブ・プロデューサーであるジョセフ・パテルは声明で次のように述べている。
「“サマー・オブ・ソウル”で期待したことのひとつは、他の物語が、特にハーレム出身の人々によって、あらゆる形で語られるための扉を開くことです。ムーサは、地域に根ざした活動をしているハーレムの代表に相応しい人物ですから、このイベントの取りまとめ役に彼以上の適任者はいないでしょう」
一方、クエストラブは、このドキュメンタリー映画の公開以降、数々の栄誉ある賞を受賞している。今年3月に開催された第94回アカデミー賞での“長編ドキュメンタリー部門”に続いて、今月初めには第64回グラミー賞で“最優秀ミュージック・フィルム”を受賞した他、昨年は、サンダンス・インスティテュートによって栄誉ある“ヴァンガード賞”にも選出された。
そんなクエストラブは、ザ・ルーツと共に人気TV番組“The Tonight Show Starring Jimmy Fallon”のハウスバンドを務める傍ら、様々なプロジェクトで多忙を極めている。
今年2月にはiHeart Radioの人気番組“Questlove Supreme”のシーズン4をスタートさせた他、先日は、グラミー賞にもノミネートされていたニューオーリンズ出身のバンド、タンク・アンド・ザ・バンガスとのコラボ曲「Why Try」が公開。
また、米ケーブルTV局A&Eで近日公開予定の、ジェームス・ブラウンの人生とキャリアに迫る新ドキュメンタリー・シリーズ『James Brown: Say It Loud』では、ミック・ジャガーやザ・ルーツの共同創設者であるブラック・ソートと共に、エグゼクティブ・プロデューサーを務めている。
Written By Lexi Lane
映画『サマー・オブ・ソウル』凱旋上映決定!
■上映劇場
【4月15日(金)~】
(東京)立川シネマシティ・MOVIX昭島
(埼玉)MOVIX三郷
(千葉)MOVIX柏の葉
(愛知)ミッドランドスクエアシネマ・MOVIX三好
(大阪)なんばパークス・イオンシネマシアタス心斎橋・MOVIX堺
(兵庫)kino cinéma神戸国際・MOVIXあまがさき
(福岡)中洲大洋
(熊本)熊本ピカデリー
【4月22日(金)~】
(東京)シネクイント
※2022年4月8日時点の情報です。
※上映劇場・日程が変更となる場合がありますので、鑑賞の前に必ず劇場にご確認ください。
映画の最新情報はオフィシャルサイトで更新中。
- ザ・ルーツ アーティストページ
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